6月25日
衆議院議員江藤 拓
 昨日、そして今朝と引き続き福田内閣の「骨太の方針2008」についての議論が政調全体会議で行われました。今も近藤農林部会長は海外出張中なので、部会長代理の私が農林部会を代表する立場で出席しました。農林部会としては、追加して書き込むべき点、修文すべき点など農林部会の考え方を十分に反映された内容となったと思います。

そもそも骨太の方針とはなんぞやということについて少しふれます。これは2001年に小泉総理が「聖域無き構造改革」を実行するために、つくった物で現在では「経済財政改革の基本方針」と呼ばれています。それまでは予算編成の主導権は完全に大蔵省に握られていましたが、これによって官僚から政治へと主導権をシフトするものですのでこれ自体は良いことです。ここで忘れてはならないのが、これに先だって設置された経済財政諮問会議です。総理が議長を務めているとはいえ、本来政治主導であるべき政策立案、政府の方針にまで経済財政諮問会議が大きな影響を与え過ぎていることを私は大いに危惧しております。

基本方針なのだから文言や書きぶりについては、そんなに神経質になる必要は無いのではないかというご意見もあるでしょうが、「基本方針2008」の中に書き込まれていない項目については、当然予算編成の時に入れ込む事は困難ですし、その書きぶりの強弱も予算の額に大きな影響を与える事になります。財務省は「基本方針の中にありません、基本方針にはこのように書いてあります」と予算を認めない・削る大義名分として基本方針を使うことがあるので注意が必要なのです。

今回の政調全体会議で一番問題になったことは、「基本方針2008」の中で教育についてどれだけ踏み込んだ書き方をするかであり、もう一つは医療制度を初めとする社会保障制度の総枠の縛りについての議論でした。すべてに関連することとして、最後まで谷垣政調会長と我々の間でかわされた激しいやりとりは、「歳出歳入一体改革の推進」の改革のポイントの中で引き続き「基本方針2006」「基本方針2007」に則り最大限の削減を行うという文言でした。

国民は、特殊法人や官僚の天下りが数々明らかになった無駄遣いについても大変怒っておられます。そういったものはこの際、徹底的に正さねばなりません。国と地方の借金も1,003兆円を超え、財政の健全化も将来世代へ重い負担を先送りしないためにやらねばならないことは十分理解しています。今朝の議論でも2011年にプライマリーバランスの健全化を実現するためにも、最大限の削減という文言は、尊重すべきだという意見もありました。また、財政再建は福田内閣発足時の政権公約でもあり、いわば金看板であるという指摘もありました。しかし、私は、ここはあえて「基本方針2006」、「基本方針2007」に則り、最大限に削減を行う、という文言は削除することを主張しました。それは原油価格の国際価格の高騰や、穀物飼料の急激な値上がりだけをみても、外部環境が政権発足時と比較して大きく変わったからです。中小企業、農林水産業、建設業とあらゆる産業で急激な経営環境の変化に苦しんでおり、消費者物価の上昇は国民生活を圧迫しています。財政を立て直すことはとても大切で、政治家が逃げてはならない課題であることは私も十分認識しております。しかし、「基本方針2008」が福田内閣の今後の政策運営の姿勢を国民に示す物である事であると考えると、前回・前々回の基本方針とは軌道修正が必要ではないでしょうか。会議室の外にはメディアが一杯です。マスコミは会議室のドアに耳をくっつけて中の話を聞こうとしていました。最大限の削減という文言を削除すればマスコミは一斉に「財政再建方針の放棄!」などと待ってました!とばかりに政権批判を強めるのでしょう。それを覚悟してでも歳出削減自体が自己目的化しているかのような表現は変えるべきだと私は考えます。