本日、衆議院予算委員会で平成22年度予算案が、与党3党は賛成、自民・公明・みんなの党・共産党は反対の賛成多数により可決しました。衆議院本会議でも可決され参議院に送付されます。憲法の規定上、参議院で議決がされなくても30日経てば自然成立するため、予算の年度内成立は確実になりました。現下の経済状況で、予算が年度内に成立しなければ国民生活に大変な影響がでることを考えれば、最悪のシナリオは避けられたという事でしょう。しかしその内容たるや余りにもひどいと言わざるをえません。
国債を44.3兆円も発行し、公債依存度は過去最大の48%になってしまいました。子育て支援と言いながら、将来の子供達に大きな負担を背負わせるものです。しかもこの傾向は年を追うごとに加速して行きます。再来年度には子育て支援分だけで、さらに2.6兆円が必要となり、社会保障費の自然増は1兆円を超え、年金への国庫負担率を1/3から1/2にするための負担が、いよいよ一般会計にのしかかってきます。これだけでも3兆円近い支出増になります。その他のマニフェストを強引に進めれば、総額で10兆円は確保しなければなりませんが、国債の更なる増発か、税金を大幅に引き上げるしか解決策はありません。
来年度予算が組めたのは10兆円の埋蔵金を使った事と、マニフェストを破ってガソリンの暫定税率分を事実上維持したこと、更には高速道路建設の地方負担分もマニフェストを破り負担を求め、600億円を捻出したこと、その他色々ありますが、余りにも乱暴な予算編成であることは明白であり、将来に渡って継続しうるものであるとは到底思えません。
所得税における扶養者控除を廃止するとマニフェストに書いてありましたが、どさくさに紛れて住民税における扶養者控除も廃止してしまいました。特定扶養者控除は廃止しないことをマニフェストに明記したにもかかわらず、所得税分も住民税分も廃止するとしています。これは明らかな約束違反です。
私としては、子ども手当は大幅に見直しし所得制限を設けた上で、幼児教育を無償化し保育所の整備と保育士の増員を行うことの方が、確実に子育てに税金が使われるという意味でも有効だと考えます。私の妻も給食費集めの担当をしていた頃、なかなか親御さんと連絡がつかず、苦労している姿をみました。給食費の無料化などは直ぐにも実現できる有効な子育て支援でしょう。更に言えば「就学援助制度」や「新たな給付型奨学金」を創設し、特に低所得者世帯の授業料無償化は考えるべきです。
東京では公立高校よりも私立高校の方が多いという現状があり、地域によって事情は全く違います。高校授業料無償化も都市と地方の教育の格差を更に広げる危険性をはらんでいます。農業で言えば、米の所得補償をいよいよやるようですが、まだ始まってもいないのに米価は既に下がり始めています。そもそも農林水産省の予算は、概算要求から4.2%も減らされています。これは予算関連ではありませんが、畜産酪農対策も2,000億もの予算を確保しながら、その内容は、例えば小さな規模の繁殖農家は今まで受けられていた国からの助成金が大きく目減りし、立ち行かなくなる恐れがあります。これはかつて民主党が自民党を責めた小規模な農家の切り捨て政策に他なりません。公共事業も18.3%も削り、宮崎の国道10号線・細島港・国道218号高千穂・日之影道路等々計画が大きく遅れ始めています。書けばきりがありませんが、我々は「広げすぎた風呂敷=マニフェスト」に縛られ肥大化した鳩山内閣の予算には到底賛成できるはずがありません。しかし我々は責任ある野党として「こうあるべきだ」という事を示した「予算編成替え」を求めました。これは、これまでの野党とは違う対案をきちっと示した上での反対であるとご理解頂きたいと思います。
借金が税収よりも多いという来年度予算案、これは国民への大きなつけとして将来に大きな禍根を残すことを恐れます。



                     3月2日  江藤 拓












Copyright(C)2004 Office Etoh Taku All rights reserved.