長崎知事選挙も予想以上の結果が出たことは、与党に対する国民の失望が数字で表されたものだと思います。
しかし、これが自民党への支持が高まったというものでは残念ながらありません。事実、当選された中村候補も、自民党・公明党の全面的支援を受けながらも出来る限り政党色を出さない選挙を戦いました。新聞によっては参議院選挙へのはずみが自民党についたと書いている所もあるようですが、私達は浮かれることなく自民党の刷新にさらに努力せねばなりません。
昨日鳩山総理は、東京都内の「こども食料セッション」で、「政界から足を洗ったら、農業をやりたい」と語ったそうです。正直非常に不愉快な気持ちになりました。鳩山総理がイメージしている農業とは一体どんなものなのでしょうか。先週北海道の釧路へ行って参りましたが、マイナス20℃以下の気温の中で朝4時から牛舎の掃除をしてエサやりをし、そして搾乳する北の酪農家の自然との闘いともいえる実情を改めて見せて頂きましたが、全国どこに行っても農業とはある意味自分との戦いでもあり、その努力が台風や自然災害等により、いとも簡単に実を結ばない厳しい世界であることを鳩山総理は知っているのでしょうか。
それとも大金をつぎ込んで、超近代的なハウスを大規模に建設し、設備投資を惜しまず、水やりも施肥もコンピュータ制御で行い、植え付けや収穫などの時は、人を雇ってやればいいと考えているのでしょうか。
たぶんそこまで深く考ずに軽く発言されたのでしょう。今日も何件か農家回りをしていると、ある農業後継者は「俺たちをナメちょっとか!」「農業は誰でも出来ると思っちょっとか!」と怒りを爆発させていました。少なくともここに来てはっきりしたことは、鳩山総理には庶民の気持ちは全く理解できないという事です。それは総理が悪いのではなく、いわば別の世界で育った方、いわゆるセレブだから仕方が無いのでしょう。
今日から、自民党は審議拒否に入りました。全くのゼロ回答なのですから、野党としては与党の姿勢に抗議するには、審議拒否もやむを得ないのでしょう。しかし、自分としては大変複雑な気持ちです。今週は鳩山総理、菅財務大臣、原口総務大臣そして前原国土交通大臣に予算委員会で質問をする予定になっており、与党が提出した法案を一生懸命読んで質問の準備をしてきました。ここの所、出張ばかりでしたので、夜遅くまで事務所スタッフにも手伝ってもらって来たのですが、このまま予算委員会が開かれなければ、せっかくのチャンスを失ってしまいます。とにかく与党が正々堂々と疑惑解明に応じ、予算委員会が開かれる事を信じて、今日の夜上京します。


                     2月22日  江藤 拓












 本日2月19日に農林水産委員会が開かれ、そこで質疑に立たせていただきましたので、質疑内容をご報告いたします。


本日は畜酪対策について開かれた委員会ではありますが、来週決定される畜酪対策だけで畜産酪農は成り立っているわけでは当然ありません。
しかるべき「予算措置」がなされた上で、現下の厳しい経営環境を十分考慮して決定されるのが畜産酪農対策であります。ですから本題に入る前に今提出されている予算について若干質問をさせて頂きます。

私は、昨年の臨時国会の農林水産委員会におきまして、大臣を始め政務三役に、エールを送りました。私は、戸別所得補償方式が正しいとは今も全く思ってはおりません。しかしながら新政権が政治主導でこれから農政に責任を持てやると言われるので、良い政策であれば、私たちの意見も取り入れていただいた上で、建設的な議論をこの委員会ではしたいという強い気持ちがあったから、そのように申し上げたのです。
更に私は、「民主党政権であれ自民党政権であれ、農林水産業が守られるのであれば、政治は結果がすべてですから、それで良いと思っている」とまでも申し上げました。これには党内で「ほめすぎだ」というお叱りなども一部頂きました。しかし、その気持ちは今も変わりません。そして、先の委員会では概算要求について農道整備事業の廃止の問題点、事業仕分けの問題点などを質問させて頂きましたが、この概算要求について大臣はこう答弁されました。

「私どもとしては自信と確信をもって出した来年度に向けての概算要求ですので、是非これが本来の形でご理解頂けるようにさらに努力して参ります」と明言されました。そして「農道整備事業、さらには農地集積基盤整備も強力に進めていくのですね?」とお訪ねした所、大臣は着席にしたままでしたが、「はい結構です」と力強くご返答されました。
私は質問を終えて、「少々生ぬるかったかな」と思う気持ちもある反面、ある意味自公政権が行ってきた農業政策を全否定するのではなく、良い物は残し、改めるべき物は改めるという姿勢であるという感想を持ちました。
しかしながら、今度予算をみてみますと、基盤整備事業は全体で3,388億円減少し、新たに「農山漁村地域交付金」を1,500億円創設したと言われますが、それでも予算の規模は約半分に減ってしまいました。
畜産酪農の基盤整備に大きな役割を果たしてきた「強い農業・担い手作り交付金」は前年度約244億円であったものが、今年度予算では約144億円と、100億円も減らされ、北海道では、このことにより様々な将来に向けての事業が頓挫しつつあり、悲痛な訴えを聞いて参りました。草地基盤整備事業の内、畜産担い手育成総合事業も約93億円から約38億円へと、58%も削られ、私の宮崎県では、この事業によって4地区で事業が計画されておりましたが、事業を継続するには県が肩代わりするか、もしくは事業自体を諦めなければならない事態に、陥ってしまっております。
しかも「政治的姿勢が悪い」という理解不能な理由で土地改良の予算は半減されてしましました。今年度予算を見る限り、畜産酪農の振興、一次産業の再生という内閣の姿勢をそこに読み取ることは、全くできません。
特に土地改良の予算が削られることを小沢幹事長から言われたときに筒井委員長は食い下がって、その必要性を訴えてくれたと聞いております。大先輩の野中先生も土改連会長として自民党公認候補を擁立することを断念して予算の復活を求めました。しかし結果は0回答であったことは皆様ご存じの通りです。

大臣、あなたは農林水産行政の最高責任者として小沢幹事長に意義の申し立てなどされたんでしょうか?私は、前回の質問でもお願いをしてありますよ。「農林水産行政の最高責任者は大臣でいらっしゃるのですから、時には党とも決然とした態度で戦って下さい」とお願いしたではありませんか。その時大臣はうなずいておられました。そのような努力をされたのか、されなかったのかお答え頂きたいと思います。
これは全くまっとうな予算編成ではありません。何よりもまず、選挙ありきの恫喝政治そのものではありませんか。大臣は本当に生産現場でご苦労されている人の立場に立って、農林水産大臣としての職責をはたそうという気持ちが本当にあるのでしょうか、大きな疑念をいだかざるを得ません。前回は、激励をさせて頂きましたが、今は大いに失望しています。
そして最終的には、概算要求時に比べてマイナス4.2%で決着したことには、一体どういう事なのでしょうか。戸別所得補償という新しい事業が加わったのですから、農林水産省の総予算は増えるのが当然の姿だと思います。
さきほど紹介した、「自信と確信をもって出した来年度に向けての概算要求です」という強い決意は、一体どこに行ってしまったのですか。

日本の畜産酪農は、「国境措置」「畜産酪農対策」ならびに、様々なきめ細やかな施策によって今日までやってまいりました。WTO・EPA・FTA交渉においては我が国の畜産酪農に決して、取り返しのつかない打撃を受けることの無いように、必要な国境措置の確保し、大臣には体を張って望んで頂きたいと思いますがご答弁を求めます。
事業仕分けがまた行われるとのことですが、独法イコール悪という考え方は正しくありません。エイリックが標的になるであろうとの風評も聞こえてきますが・・・・・

それでは、畜酪に関する具体的な質疑に入らせて頂きます。
私は、北は釧路から南は鹿児島まで、全国4カ所をすべて日帰りで視察をし、多くの方々と意見交換をして参りました。


私は自民党の畜産酪農対策の小委員長を務めておりますが、意見交換を始めるに当たっては、「全く気を遣う必要はありません。どんな厳しいご意見でも結構です。さらに言えば私にどうぞ怒りをぶつけてください」と申し上げました。

その中では、誠に貴重なご意見を頂き、見直すべき点に気づかされた事もありました。
しかしどこに行っても異口同音に言われたのは、現行制度を基本的には維持してほしいという意見でした。
その上で、制度の充実強化、簡略化、更には農家にとってわかりやすい制度設計とすべきである、という意見がほとんどであり、新しい制度の新設を求める声はあったものの、これまでの畜産酪農政策を完全否定するようなご意見は全くありませんでした。
政務三役はお気付きだとは思いますが、畜産酪農の世界には直接支払い、不足払いの理念はもうすでに導入されているのです。
農家にも一定の負担を求めながら、政策により生産基盤の向上が図り、「自助・共助そして公助」の三位一体による運営がなされています。
今回の視察を通じて、私はこれまでの畜産酪農の政策理念は、充実・改善強化が求められるものの、正しいスキームであるという確信を持つに至りました。

ところがですね。驚くべきペーパーをある方から渡されました。
ある会合で、民主党の議員から、「酪農は欲張りすぎるから崩壊するんだ」と一喝し、また、エゾ鹿の食害について「欲の皮を突っ張り過ぎるから崩壊するんだ。どんどん増やして、沢山搾って、草地を広げれば、それを食った鹿は子どもを増やすのは当たり前のことだ。増えた鹿を駆除しろなどと言うのは、人間様だけが生きている世界ではない」という発言がありました。
これは、これまでの畜産酪農政策は全くの愚作であり、完全否定といえるものです。中野博子委員もその場に出席されておられましたから、正に生き証人がそこにおられる訳で、私の行っている話に全く嘘はありません。
ここで大臣にお尋ねしますが、これらの発言の趣旨が政府与党としての統一見解なのでしょうか。ご答弁を求めます。


それでは畜種ごとに質問並びに提言をさせて頂きます。

肉用子牛生産者補給金等対策については、現在、物材費も確保できない状況下にあります。よって補償基準価格の引き上げをすべきと考えます。
補償基準価格についても引き上げを検討すべきですが、これには法改正が必要となりますので、今回は無理でも次年度に向けて検討されることを提案致します。
特に我が国の伝統文化とも言える黒毛和種については、現在三段階の事業を行い、できる限り40万円の水準になるよう制度設計をしてありますが、現場では分かりづらく、この三つの事業を簡素化することを提案します。
具体的に言えば、現行の子牛生産拡大奨励事業と肉用子牛支出向上緊急支援事業を、統合し用件を緩和し、現在肉用子牛資質向上支援事業では、県平均または40万円のいずれか安い方を発動用件としているいますが、生産者コストを補える水準にまで引き上げることが有効だと考えます。地方を視察して回りますと、35万円は欲しいというご意見から、最低40万円までは必要だなどと、様々でした。

しかしこの場合、ある県では、平均価格が38万円をこえている所もあれば、30万円を切る所もあり、生産コストもかなりの地域間格差があります。
そのため、努力しコストをかけていい牛を生産した者には、もらいが少なくなる、という不公平感が生まれる可能性があります。全国一律というのは無理があります。
さらに言えば、この制度に移行した場合、頭数を増しさえすれば収益が上がる構造にもなりかねず、改良や繁殖母牛の更新などにも支障をきたす恐れがあり、黒毛和牛生産の基盤自体が弱体化することが懸念されます。
これまで黒毛和牛の世界は、生産者・肥育農家の努力と研究によって世界一の肉質の牛が生産してきました。
やはり良い牛を生産した甲斐があった。頑張った甲斐があったと思って頂ける。更には「自分も彼のように頑張ろう」と思ってもらえるインセンティブを与える政策が必要だろうと考えます。例えば、優良牛生産奨励加算金制度のような物の創設なども有効だと考えますが、大臣の答弁を求めます。
肉用牛肥育対策についてはマルキン・補完マルキン・ ステップアップ事業が講じられ4期連続で発動されており、視察先でも経営は厳しいものの、再生産への意欲は下がっていないという高い評価を頂きました。マルキン事業は21年度で終期となりますが、この機会にわかりやすく一本化することを提言いたします。
しかし、その際留意しなければならないことは、肥育農家の負担金が上がる様なことは避けねばなりません。加えてご参考までに言わせて頂きますと、元牛価格が下がった関係上、次に発動されるマルキンは通常マルキンだけとなり、肥育農家の手取りは7万円余り下がることが予想されます。これは、農家にとっては急激な収入減でありますので、激変緩和措置を講ずる事が必要であると考えますが大臣の答弁を求めます。

次に配合飼料価格安定制度ですが、これは特に制度の維持をすることを全国をどこへ行っても強く訴えられました。しかしながら価格高騰時には極めて有効な効果を上げたものの、現在のように価格が高水準で横ばいになっている現状では、トン当たり500円の負担金は払い続けているものの、発動されないのが最大の問題点だと言えます。この制度を価格が一定水準まで下がっても、例えば一年前の価格に比べて極めて高い場合、補給金を拠出できるような制度設計に改めるべきだと考えます。この制度移行にあたっては、一定水準の一般会計からの繰り入れが必要となりますが、大臣のご答弁を求めます。
養豚対策についてであります。
調整補完を本年行ったわけですが、賛否はあるものの、一定の効果があったと私は思っています。これからも機構による買い上げや調整保管は継続すべきと思います。さらに肉豚価格差補填事業はこれも21年度で終わるわけですが、この際「全国肉豚マルキン」への制度へと移行することが有効であると考えます。

養鶏対策については「鶏卵価格差補填事業」がありますが、生産者の拠出割合が極めて高く、加入率も低い現状に鑑み、他畜種並の負担比率へと見直すことを提言致します。
ブロイラーについては、日本は世界一の衛生管理を行っており、出荷までに三度の検査を行っています。品質も安心安全も世界一であります。しかしその事を消費者の方はほとんどご存じありません。この事を消費者の皆様方に知って頂く事業展開をして頂くことを提言致します。更に、この三度の検査費用については、厚生労働マターかもしれませんが、費用に対して支援することも、合わせて提言致します。


急激な資料高騰に基金が枯渇し、市中銀行・エイリックから借り入れを行いましたが、今後も資料高騰が予想されますので利払いを優先させることのないように要望致します。

次に自給飼料対策について申し上げます。先ほど予算が大幅に削減され、特に北海道では大変な、悲鳴ともいえる声を聞いて参りましたが、今後補正予算などチャンスはあると思いますので、草地基盤整備事業の拡充・コントラクターやヘルパー・TMRセンター・リース事業などは強化せねばなりません。特にTMRセンターは酷農と言われた酪農経営にゆとりを持って頂くことができ、とくに奥様方は大変に喜んでいらっしゃいました。時間的余裕ができたことにより牛そのものに手を掛ける時間も増え、乳牛の健康状態も良くなり、乳出、乳量共に増加しておりました。
都道府県の酪農対策の充実を求めますが、時間の関係上、私の次の坂本委員、伊東委員にお任せいたします。

これは全畜種に言えることですが、販売価格が上がらなくても物材費やコストが下がれば、当然農家の手取りが増えます。いま考えるべきは農家の手取りと考えます。そういった観点からワクチン接種に対する補助やと畜料の何らかの助成の引き上げは、極めて有効と考えます。

                           

                 2月19日  江藤 拓











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