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 スポーツの秋と言いますが、春も目の離せないスポーツイベントが多い季節です。少し前になりますが、内藤選手のWBC世界フライ級タイトルマッチは面白い試合でした。この日だけはなるべく予定を入れないように事務局にも言っておいたほど楽しみにしていたのです。結果はドローでしたが、私は内藤選手がやや優勢で、「勝った!」と思いました。確かに内藤選手のトリッキーなボクシングと、ポンサクレック選手の正統派ボクサータイプの戦いは見方によって判定の分かれる試合だったでしょう。まあ仕方ない結果かなと思います。内藤選手の防衛が嬉しかったのはもちろんですが、クリンチの少ないクリーンな試合で、元チャンピオンである挑戦者ポンサクレック選手の判定後の態度も、亀田戦の時とは違って清々しいものでした。
名古屋国際女子マラソンでは中村友梨香選手がマラソン初出場でオリンピックの切符をつかみました。そしてその傍らで高橋尚子選手のまさかの失速には驚きました。高橋選手は「諦めなければ夢は叶う」と日頃言っていましたが、最後まで諦めずに走りきった姿は、たとえ夢破れたとしても、「夢を持ち続けて努力することの尊さ」を多くの人々に伝えたと思います。

その他にも大リーグのオープン戦も日本で開かれ、朝青龍は4場所振りに優勝を果たし、選抜高校野球も連日熱戦が繰り広げられています。スポーツなら何でも大好きな私としては嬉しい限りです。そしてフィギュアスケート世界選手権で新女王になった浅田真央選手の変身ぶりにも驚きました。私も大学時代はアイスホッケー部に所属しておりましたが、スケートは見た目とは違って本当にきついのです。少し前までは一生懸命滑っている、一生懸命跳んでいるといった感じに見えましたが今回は、テレビを見ながら思わず「妖精のようだ」「ピーターパンに出てくるティンカーベルだ」と声を上げてしまった程、流れるような美しい演技で正に魅せられました。そして息子たちは少しひいていました・・。是非一度、実際に見に行きたいと思っています。

今、国会ではいよいよ月末の暫定税率の期限が迫り緊迫の度合いを増しています。4月1日以降の混乱を考えれば何とか与野党協議に入るしか無いのですが、未だに展望は開けません。とにかく政権を追い込むことがやはり目的の様です。ガソリンだけの問題ではなく、関税暫定法案も同時に期限切れになれば、輸入品の417品目が値上げするか、中小の卸売業者が差額を負担するしかなくなります。国内の金融機関が海外から資金調達するときの利子に対する非課税措置も切れますし、畜産県の宮崎においては、何とか3年間の延長をすることができた、肉用牛売却所得課税の特例措置も切れることになってしまいます。
そんなことばかりを毎日考えていると胃がキリキリ痛みますが、真剣でピュアなアスリート達の姿は、そんな私の気持ちを癒してくれます。



                    3月25日  江藤 拓










 本日の衆参院本会議で、新たな日銀総裁候補者として元大蔵事務次官の田波耕治氏・国際協力銀行総裁を充てる案は、衆議院では可決したものの参議院は民主党などの反対多数で否決となりました。これで日銀総裁は20日以降、戦後初の空席となることが確定してしまいました。この世界的な金融有事とも言える事態に、最高責任者が決まらない・決められない国会は、国民の皆様から機能不全と批判されても仕方ない状態です。日銀総裁を引き受けるということは大変なことです。小沢党首やマスコミはいくらでも人材はいるはずだと言いますが、そんな簡単なものではありません。再び財務省出身者が提示されたことに反発するのも分からないではないのですが、民主党には参議院でイニシアティブを握っており、国会の運営にも責任を負っていることをもう一度考えてもらいたいと思います。

前回のコラムでも指摘したように、この問題はいよいよ時間切れが迫る道路特定財源の採決の問題にも直結しています。これを受けて与党内でも法案修正の動きがここにきて活発化しています。暫定税率分も含めて全て一般財源化する方向で調整し、中期計画についてもその規模を見直す方針が取りざたされています。これだけ国民の不信を買えば、内容の見直しも考えねばならないという党幹部のご苦労もわかります。しかしその結果、地方が切り捨てられるようなことでは到底納得できません。見直しにおいては新たな交通需要予測を基にして行うことが考えられているようですがその場合、宮崎県の九州横断自動車道延岡線などは更に厳しい評価が下される可能性が大となります。隣の熊本県・阿蘇には年間1,900万人以上の観光客が訪れるのに対し、宮崎県・高千穂は100万人余りで、その差はまさに交通アクセスの差なのです。4月1日以降の大混乱だけは何としても避けねばならないという意味での修正なのでしょうが、民主党が修正協議に応じてくるのかはなはだ疑問です。先日、東国原知事にお会いした時も、知事として今後の展開に危機感を持っておられました。知事には地方の声の代表として、道路特定財源の堅持を様々な場面で主張して頂いて来ました。その結果、「自民党の走狗」「自民党の広告塔」などという心無い批判がマスコミからされています。それだけに自民党が「はしご」を外すような事だけはしてはなりません。
 


                         3月19日  江藤 拓










 本日、衆議院本会議が開かれ日銀正副総裁人事案が可決されました。先週から国会空転が続いており、本当に久しぶりの本会議でした。これに先立ち、12日の参議院本会議では日銀正副総裁人事案は、副総裁候補の白川方明氏のみ同意され、武藤敏郎総裁候補と伊藤隆敏の副総裁候補は、野党4党の反対多数で否決され不同意となっています。武藤氏は財政政策と金融政策をしっかりと分離し日銀の独立性を確保する事を所信でも述べていますし、財界・金融界からも信頼されている方で、私は日銀総裁にふさわしいと思います。私の財務省在職中の武藤氏に対する印象は、役人役人しておらず、時には思い切った決断もされる『勇気あるリーダー』といった感じです。武藤総裁・伊藤副総裁人事に反対する理由として、ここ数年の日銀の金融政策が不適切であったと指摘していましたが、白川氏も武藤副総裁と共に日銀の理事を務められていた訳で、どうして白川氏のみ合意なのか理解できません。他にも民主党は色々と反対の理屈を言っていますが、やはり日銀総裁人事を政争の具に使っている感は否めません。先週は一週間空転、そしてこの日銀正副総裁人事案件でさらに引き延ばして、道路特定財源に関する議論の時間切れを狙っているのでしょう。さてこうなると総裁候補を差し替えるか、代行を白川副総裁に務めて頂くしかなさそうです。私は今でも武藤氏が最善だと思っていますが、空白の期間が生じる最悪の事態だけは何としても避けなければならないと考えます。その為には理不尽だとは思いますが、新たな総裁候補選出も考えなくてはならないかもしれません。

米連邦準備制度理事会と欧州中央銀行などの欧米の五つの中央銀行は、国際金融市場の安定化のため新たな資金供給を実施することを11日発表しました。資金供給規模はFRBだけで最大2000億ドルと大規模なもので、住宅ローン担保証券などを担保として大手金融機関などに米国債を2000億ドル分まで貸し出すとしています。そこにはサブプライムローンの焦げ付きに端を発した世界的な金融不安を抑えるという強い金融当局の意志が示されています。これを受けて11日のニューヨーク株式市場は全面高となり、上げ幅は約5年8か月ぶりで、史上4番目の大きさとなりました。しかし翌日には不十分だという市場関係者の指摘もあり反落しており、サブプライム問題の深刻さを示しています。更に原油の先物は1バレル・110ドルに達し、穀物市場も市場最高値を更新しています。日本も欧米各国任せにするのではなく、一刻も早く日本としての対策をまとめ実行せねばなりません。日銀正副総裁人事でごたつき、日本の金融政策の最高責任者不在の状態がおこれば世界から信頼を失うことにもなりかねません。





                       3月13日  江藤 拓










 原油価格がついに100ドルを超え、燃油が高騰しています。それは運賃価格に軽油の値上がり分を転嫁できない運送業の経営を厳しくしています。この状況を踏まえ、昨日、国土交通省と公正取引委員会が連携して、燃料価格の変動に応じて運賃を決めるという「燃料サーチャージ制」の導入を柱とした緊急措置を公表しました。この制度は、国内でも航空会社の国際便や外航海運業などでは既に導入されています。来週中にも同業界や経済団体にガイドラインを示し、周知、導入を強く働き掛けることになります。国土交通省の報告によると、軽油高のため今年度に業界の関連経費は2003年度に比べ約7100億円増となるとしています。しかし現場では顧客に対して他社との苛烈な競争もあり強い態度に出られず、ほとんどの業者が値上げ出来ずにいます。市場原理主義・行き過ぎた規制緩和の歪をここにも見る思いです。国交省は、荷主や元請け業者による優越的地位の乱用が無いか、物流事業者を対象とした特別調査を実施します。また業界で運賃ダンピングに対しても監視も強化します。

物流コストが上がれば、それは最終購買者に値上がりという形で現れることにもなるかもしれません。それは国民の皆様にとって歓迎できないのは当然です。しかし農林水産品の生産コスト・物財費やさまざまな製品の原材料費・流通コストは経営の合理化やコストダウンでは対応しきれない段階に既に入っています。今、派遣社員の労働条件の問題が大きな社会問題になっていますがそれと同様に、大規模な荷主や購買力を持った者が発注者・購買者の強い立場を乱用することは許されません。品物が消費者の皆様の所に届く過程で、弱い立場の者ほど無茶な条件を突きつけられ、その結果従業員の待遇は悪化し、過度の勤務体制の為に体を壊したり、事故を起こしてしまうことにもつながっています。安心安全には食品に限らずコストがかかることをご理解頂きたいと思います。今の日本経済はとてもいびつな構造になっています。上場企業は最高益を更新しているのに、社会一般のサラリーマンの給与は上がりません。さらに派遣社員に対しては正社員と全く同じ仕事をさせながら突然の解雇や雇用条件の変更などが横行し、下請けや孫受けに対しては更なるコストダウンの要求が行われています。企業は誰のものかという議論がよくなされます。それは起業したオーナーの物であったり、株主のものとも言えるでしょう。しかし企業は社会に対して貢献する責務もあることも忘れないで頂きたいと思います。


                      3月5日  江藤 拓









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