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 国連安全保障常任理事国と日本は12日、米国が提出した制裁決議に再修正案を加えた最終案に基本的に合意し、中国ロシアもおおむねこれを受け入れ、14日には採択に至る見通しです。
それに先立ち政府は13日の閣議で、特定船舶入港禁止法や改正外為法などに基づき、北朝鮮からの全品目の輸入禁止、同国籍船舶の日本入港を全面禁止、北朝鮮国籍保有者の入国を原則禁止とする追加制裁を決定しました。現法制化でのすばやい対応は大変高く評価されるべきものです。マツヤケや蟹ウニの国内価格には影響が出るでしょうが、国家の重大事として国民の皆様もご理解頂けるはずです。政府も関係業界への支援を考えているようです。
これからいよいよ日本も厳しい決断を迫られることになりそうです。




                              10月13日  江藤 拓  

 
 









 やはり北朝鮮は核実験を強行しました。
最後のカードを切ったことが、北朝鮮にとってこれで手詰まりになるとは、私には思えません。残念ながら「核」というコマが、将棋のコマの「成り金」の様に、さらに強力なカードとなったと考えるべきだと思います。当然同じく核開発問題をかかえるイランの今後にも大きな影響を与えることになるでしょう。
インドやパキスタンが核実験を行った時にも、アメリカを始め、国際社会は一斉に非難の声を上げ、経済制裁を行いました。しかし、経済制裁以上の強行策等は打ち出しませんでした。いや打ち出せなかったと言った方が正しいのでしょう。今では両国とも核保有国として既成事実化しています。
近代の歴史を見ても「核」を保有した国が攻撃されたことは無い事は、金正日総書記も十分承知した上での行動なのです。持っているカードは使わなければ意味が無い。核実験もやってしまえばこっちのものだと考えているのでしょう。国際社会に与える影響はこれからどの様に北朝鮮に対応していくかによって、大きく変わると考えられます。
すでに隣国である韓国では、国民感情の変化が政権の枠組みにも大きな変化をもたらしつつあります。過去8年間にも渡って行われてきた太陽政策によって北朝鮮に対して実施された、毎年1500億円程の経済援助は「ミサイルと核」という形で返ってきたことに、韓国国民は大きな失望と怒りを覚えています。その鉾先は現政権与党のウリ党から野党ハンナラ党への政権交代を実現させるやもしれません。アメリカでもブッシュ政権に対する非難は高まりつつあり、共和党から民主党への政権交代も現実味を増しています。そうなれば、アメリカの対中政策は大きく変わることが予想され、アジアにおける日本の立場もより難しいものになるでしょう。
とにかくこの核実験の強行ではっきりしたことは、6ヶ国協議でも、そして国連さえも北朝鮮にとって無視しうるものであり、とにかくアメリカのみを相手として突破口を見つけ出そうとする北朝鮮の外交姿勢です。長年北朝鮮を支えてきた、中国のメンツを潰すとさえいとわないのですから、事は重大です。
本日これから衆議院本会が開かれ「北朝鮮の核実験に抗議し、全ての核兵器及び核計画の放棄を求める決議」が行われます。拉致の問題を抱えている日本が断固たる態度で臨むべきことは当然です。現法制の下で可能な限りの対応をせねばなりません。
しかし、事をより複雑にしたのは、金正日体制を崩壊させれば目的が達成された事にはならにはならないという
事です。中国と言えども、今回は国連において拒否権を行使することは無いと思いますが、中国は現北朝鮮の崩壊がいかに自国にとって負担になるかを当然考慮するでしょう。それは隣国韓国も同じです。日本にも大量の難民が船に乗ってやってくるかもしれません。
喧嘩は捨て身になった方が強いと言われます。
北朝鮮が捨て身になってかかって来ているとすれば、この問題の取り扱いはより慎重さが求められます。私は安倍新総理が開いた中国という外交チャンネルをフルに活用し、アメリカとも協調しながら、強攻策だけではない幅広い外交努力に期待しています。



                             10月10日  江藤 拓     


 






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