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 ついに人民元レートが切り上げられました。これまで主に米ドルにほぼ固定されてきた現在の為替制度を廃止して、1ドル=8.2765元から、1ドル=8.1100元に2%切り上げることとなりました。今後は日本円などドル以外の通貨とも連動させる「通貨バスケット制」をとることになることも、中国がWTO参加以来進めてきた国際化の方向性を推し進める上でも、管理変動相場制への移行は別段意外性もなく受け入れられるだろうと思われます。

アメリカ政府は積み上がる対中貿易赤字に苦慮し、執拗な切り上げ圧力を中国にかけてきた訳ですが、今回の2%という小幅な切り上げ幅は、圧力に対する中国政府の意地なのかな?と思うのは考えすぎでしょうか。今回の為替制度の改革は、11年ぶりの大きな転換であり、その他のアジア諸国の通貨政策にも大きな影響を与えるでありましょう。

現在日本に輸入される野菜の51%が中国からのもので占められている訳ですから、日本国内農業は相対的に競争力が増すことになりますので、農業県の宮崎としては歓迎されるものです。しかしその一方、生産拠点を中国に移した日本企業にとっては調達コストアップになる訳ですから、景気全体にとってはマイナスのインパクトとなり、日本政府としても注意深くあるべきものです。



                             7月22日  江藤 拓 


                            








 ついに衆議院本会議において郵政民営化法案の採決が行われ、賛成233票、反対228票で可決されました。私は党の方針に反し、反対票を投じました。私はこの行動が党人として正しい行動であったと強弁するつもりはありませんが、政治家として自分の良心に恥じない、宮崎県第二選挙区の代表として間違っていない選択であったと確信しています。本会議場での採決の場では、自分の名前が呼ばれるその瞬間まで頭を抱え込んでいた同僚議員もいました。政治家は一人の力で誕生できるものではありません。議席を得るその課程でさまざまな人にお世話になり、ご指導頂き、一人の政治家が誕生するのです。私ももちろんその例外ではありません。苦しみ、悩んだ末、賛成票を投じた同僚議員を私は裏切ったであるとか変節漢であるとかといって非難するつもりはありません。それぞれの政治家が苦しみ抜いて出した結果であったと思っています。私に対してはこれからいかなる処遇があるかはわかりませんが、誰に命じられたわけでもなく、自分自身で決断してとった行動ですから、悔いはありません。いっそ今は爽やかな気持ちでさえあります。ただ、私のこの選択によって、私を支持し、次の総選挙においても何としても二期目の当選を果たさせてやろうと思って頂いている支持者の方々には、厳しい状況に追い込まれご迷惑をかけることになるかもしれないことについては、本当に申し訳なく思っております。法案はこれから参議院へと舞台を移す訳ですが、是非とも「良識の府」としての判断を参議院の諸先生方には心から願って止みません。


                             7月5日  江藤 拓










 いよいよ政界は風雲急を告げる状況となってきました。郵政民営化法案の行方を巡り、苛烈な駆け引きが行われています。法案の骨格に踏み込んだ抜本的な法案修正の必要性を委員会審議を通じて一貫して主張してきた訳ですが、昨日渡された修正の内容は私の淡い希望を打ち砕く内容でした。

今回の法案の採決にあたって党議拘束に反したものに対しては、離党勧告や次期総選挙での公認剥奪など、今までにない厳しい処分が下されることが言われています。正直、政治家にとって一番恐ろしいものは選挙です。有権者の皆様のお一人お一人が投票所に足を運ばれ、そして私の名前を書いて頂けるかどうか、それは全く予想を遙かに超えた不確実な世界です。よく「猿は木から落ちても猿だが、政治家は落ちたらただの人だ」などと揶揄する人もいます。私の1年8ヶ月あまりの衆議院議員としての日々を振り返ると、極めて厳しく、難しい場面に数多く直面したものの、政治家として働けることの喜びを強く感じています。志帥会の総会で亀井会長は反対票を投じることを明言されました。しかしその一方で、「諸君は自分の政治家の良心に恥じない行動をしてほしい」とだけおっしゃいました。これから採決までの数日間、この言葉を胸に刻んで堂々と行動しようと覚悟を決めております。

このコラムをご覧頂いた皆様には、結局最終段階までこの郵政民営化法案は国民の高い関心を集めることもなく、その内容を十分にご理解頂くこともできませんでした。朝のテレビの司会者やコメンテーターまでもが間違った理解をしていることは見ても明かです。このことは極めて残念でなりません。以前にもこのコラムで申し上げた通り、この民営化はこれから12年間という長い時間をかけて行われるものですから、すぐに劇的な変化が起こることはないでしょう。しかし、20年、30年先の社会の有り様は大きく変わっているであろうと私は思います。

皆様の中には改革に逆行する古い政治家だと、私のことをお感じになる方もおられるかもしれません。しかし政治の世界は「スクラップ・アンド・ビルト」を繰り返せば良いというものではありませんし、全てを市場経済に任せることが全ての国民にとって幸せをもたらすものであるとはどうしても思えないのです。

                              7月1日  江藤 拓


                    




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