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−−−郵政民営化に関する特別委員会   平成17年5月31日開催−−−
二階俊博委員長
 次に、江藤拓君。
江藤拓代議士
 宮崎県の江藤拓でございます。
 きょうは、私のような一年生にこういう質問の機会を与えていただきまして、大変感謝をいたしております。
 この委員をおまえやってみないかということをうちの派閥の谷津事務総長から言われましたときに、二つ返事でやらせていただきますとお返事をさせていただきました。このことは、国の将来を大きく、国の形まで変えてしまうかもしれない大変重要な法案だと私は認識をしております。そしてまた、我々振り返って党を考えれば、自民党の将来さえも左右しかねない、そういう重要法案にここで委員として参加させていただけるということは、大変ありがたいことであります。
 宮崎というところは、大臣、田舎なんですよ。私の田舎は、もっと田舎なんですよ、大臣よりも。平たく言いますと、JR九州は単線です。国道十号線は一車線対向です。そして、高速道路はございません。そして、企業に目を向ければ、宮交は破綻してしまいました。そして、リゾート第一号の指定を受けたシーガイアもリップルウッドに買われてしまいました。県民の期待を集めた翼、スカイネットアジア航空もやはり破綻をしてしまいました。非常に厳しい状況の中にあります。そして、宮崎県政はどういうことになっているかといいますと、今三年間にわたる財政再建計画のさなかにありまして、極めて厳しい財政運営を強いられております。
 そして、こういう中にありますと、非常に田舎の人間はこういうことには敏感です。私は田舎に帰りますと、必ず毎週、個人演説会か座談会、そういうものを開かせていただいています。そして、そのときに必ず話題に上るのがこの郵政民営化の問題です。最初のうちは、大体、よくわからないから、江藤君、我々にわかりやすく説明してくれという意見が大半でした。私も、決して県民の皆さん方を反対の方にリードしようなんて意図を持って話したことはありませんよ、大臣。中立の立場で、公平に、今の現状を報告してまいりました。
 そして、ついに法案が提出される結果となったわけでありますけれども、法案が提出された後は、がらっと座談会とか個人演説会の雰囲気が変わりました。というのは、私もびっくりしたんですが、田舎に住まわれれば住まわれるほど、やはり政治の方向転換によって受ける影響というものが大きい。だから、驚いたんですけれども、法案の隅々まで各地域の住民の方が読まれて、自分なりの検討を行った上で、これはまずい、このままでは我々は不安でしようがない、だから江藤君には賛成してもらっちゃ困る、そういうふうに地元で直接私は言われるわけであります。
 この間も、椎葉村というところで個人演説会をやりました。三千六百数十人という、鶴富屋敷のある、平家が逃げ込んだところですからいかに田舎かわかると思いますけれども、そこに三千六百人のところ二百数十人集まってくださいました。ほとんどの方が郵政の話を聞きたいから来られた方ばかりです、正直申しまして。
 それで、私は聞きました。先入観を持たずに皆さん目をつぶってください、郵政を民営化してもいいじゃないか、もしくは総理がそこまで熱意を持ってやられているんであればやらしてやるべきだと思われる方は手を挙げてくださいと。一人も手が挙がらないんですよ。現実の話なんです。そして、念のために、田舎の人は引っ込み思案ですから、それでは反対の方、民営化されちゃ困るという方は手を挙げてくださいと言ったら、ほぼ九割以上の方が手を挙げられました。しかし、これは漠然とした不安感ではなくて、かなり勉強された上での不安感に今変わっているということを大臣にまずお伝えしたい。地元の声ですから、私たちは地域の代表としてこの国会に上がってきています。ですから、私の、宮崎県の方々がこの法案をどう受けとめているのか、そういうものをやはりこういう機会を通じて大臣に知っていただく、これも私に与えられた責任だと思いますので、まずそのことをお伝えさせていただきたいと思います。
 そして、どうしても郵政を民営化するという前提に立ってお話をいたしますが、民営化するということであれば、大臣もこの点には御同意いただいていることですけれども、やはりどうしても拠点だけは、特に僻地においては必ず守らなければいけない、これは絶対に譲れない一線だということをまず申し上げたいと思います。
 私の田舎で西臼杵の高千穂というところがございます。そこで今いろいろなサービスを、高千穂町と委託契約を結んで行政サービスの一端を受け持ってやっております。
 簡単にお話しいたしますと、老人の、高齢者の生活状況の確認。元気でおられるかどうか、こんにちはと声をかける、そういう運動をしているわけですけれども、そういうのを請け負っております。そしてまた、特殊な要件を満たせばですけれども、年金をかわりに受け取って、それをお年寄りのところまで届けるという業務まで行っております。これにかかる費用が、高千穂町で、高千穂町の予算ですよ、年間の予算が十六万円しかかかっておりません。一回当たり百九十六円という破格の条件で実は受け入れをしているわけであります。
 しかしながら、西米良村という村があるんですが、そこには特定局が二つあります。その一つは、つい最近ですけれども、無集配になってくださいという一方的な通告を受けました。無集配になるということは人間が減るということですから、集配局からすごく遠くなる。しかも、集配の人間が減れば、行政をこうやって受け持って、これから三位一体の改革、それから市町村合併の流れの中で、やはり地方も工夫をしているんですよ、大臣、国に頼ってばかりじゃいけない、自分たちの足で立たなきゃいけないと。だから、既存のそういうあらゆる組織、最近は市民団体もいろいろと、例えば温泉なんかのお掃除をただでやりましょうとか、そういうのも今起こってきています。ですから、こういう拠点だけは何が何でも守っていただかなければならないということをまず申し上げておきたいと思います。
 法案の質問に入ります前に、全体的なことについて幾つか率直にお尋ねをいたします。
 郵政公社は四年間の中期経営計画の今その道の半ばにあって、この間も決算が出ましたけれども、私はいい決算だったと思っております。前年度は株式の評価の分があったわけですから、その分を差し引けば、やはり公社のままでも非常に努力の成果が認められるというふうに私は感じました。そして、総裁には、四年という期限を与えてその間に結果を出しなさいと。言いかえれば、四年後に大学受験があるからそれまでしっかり勉強しなさい、そのときに勉強していなかったらあなたは大学不合格ということもありますよというようなことで、生田総裁は四年間というタイムスケジュールをにらんでやはり合理化であるとか効率化を図ってこられたと思います。
 ところが、二年の半ばで郵政民営化ということに政府は踏み切ったわけでありますけれども、この二年間の間に、四年間の最終結果を見るまでもなく民営化しなければならないというような劇的な状況の変化というものがあったからそういうようなことに踏み切ったのであれば、そういう内容について大臣から御説明をいただきたいと思います。
竹中平蔵郵政民営化担当大臣
 まず、冒頭江藤委員がおっしゃいました地方の声を聞け、私も地方の出身でございますから、重く受けとめさせていただきます。それと、拠点をしっかり確保しろ、これも、我々の思いもまさにそういうところにございます。ぜひしっかりと対応したいと思いますし、また御説明をさせていただきたいと思っております。
 第一のお尋ね、公社の決算も踏まえて、確かに委員おっしゃるように、本当に公社の皆さん頑張られてよい決算であるというふうに思います。環境が、その前年に比べますと、むしろ踊り場的な状況にある中での決算でございますから、よい決算であると私も認識をしております。
 その上で、中期経営計画の期間の半ばでなぜ民営化を行うのかというお尋ね、大変重要なお尋ねだと思います。
 これは生田総裁御自身が言っておられますが、公社は頑張っている、それで郵便事業も黒字を二期連続して出している、しかし、それでもやはり環境は厳しい。たしか、さらなるやはり進化が必要だというような趣旨の発言をこの予算委員会の場で、生田総裁も、この二月ごろになさっておられると思います。
 確かに、見てみますと、郵便の事業は、よい決算だとは言いましたけれども、懸念されていたとおり、二%でしたか二・五%でしたか、やはり取扱量は低下をしております。そして、さらには、金融の預金の残高の減少も、むしろ預金残高の減少は予想より少し速いぐらいで進んでいるという状況であろうかと思います。
 一方で、金融革新、情報革新、通信革新等々で環境がさらに厳しくなるということが懸念をされている。
 三つ目は、これも生田総裁御自身がこの二年間の経営を通じて大変強い意識をお持ちでございますが、すぐ隣の東アジアの各地域で大変な国際物流の成長市場がある、しかし、公社形態のままではそれに正面から入っていくことはできない、一方で、民営化されたヨーロッパの郵政がそういうところにどんどん入ってきている、そういうような状況にも積極的に対応したい。
 これ一つがすごく劇的に変わったという御説明にはならないかもしれませんが、やはり予想どおり、いや、予想を上回ってじわじわと環境が変化して厳しいものになってきている。生田総裁の、これまでの民間的活力を導入する改革をさらに進化させるためにも民営化が必要だ。民営化に相当の期間を要するということを考えれば、やはりこの時期に郵政民営化に踏み切ってさらに郵政を強化する、そして国民の利便をぜひ高めていきたいというふうに考えるところでございます。
江藤拓代議士
 大臣の御説明はよくわかるんです。もうこの委員会の中でも、ほかの先生方の御質問に答えて同様の御答弁をされていますのでよくわかっておるんですが、しかし、総裁の胸の中にはあと二年やらせてもらいたかったという気持ちが正直あると私は思うんですよ。そして、やはり総裁の方からもうギブアップしたわけではないじゃないですか、もう限界です、私のできる努力はもうこれでいっぱいいっぱいですと。党内でも随分議論したことですけれども、公社のままでも法改正をすれば業務の拡大は、全部ではありませんけれども、一部は可能だということもあります。
 この話をいつまでしていてもあれですので、次の、また全体的な質問を伺います。
 民営化五原則についてお伺いをいたします。これは利便性原則ということになっております。国民にとって利便性に配慮した形で民営化、改革を行うということであります。この配慮という言葉、これがどういう意味をなしているのかということについて私はいささか気になるわけであります。
 また田舎の話をして恐縮ですけれども、田舎に行きましたらこういうふうに言われました。江藤君、おまえは郵政民営化、賛成せないかぬ、どうしてですか、こんな山奥の郵便局の特定局がコンビニエンスストアになるんだったらこんなありがたいことはない、今までは一時間半かかって買い物に行っちょったけれどもこれからは十分で済むな、これは郵政民営化してもらわないかぬということで、改革という言葉から国民の皆さん方が受け取る、酌み取るイメージ、改革したんだからよくなるんだ、必ずよくなるんだろうと。
 そして、最初のころはかなりのレベルでコンビニエンスストア化が進むという話でしたけれども、それが千三百局の普通局になり、生田総裁に伺ったら、実は百局ぐらいしか郵便局をコンビニエンスストア化することは現実的ではありませんという御答弁も党内の議論の中ではいただきました。
 それで、この配慮の中身について、大臣のイメージだけ伺いたいんです。配慮というのは、最低限の生活を保障する、不便にはなるけれどもそんなにひどいことにはならないようにするというのもこれは配慮だと思うんですよ。現状を維持するというのもこれまた配慮ですね。さらに、国民の利便性を高めるというのもこれまた政治が国民に対してもたらすそれは一つの配慮だと思うんです。日本語というのは非常に難しいんですけれども、大臣がイメージされているこの言葉、利便性に配慮した形で、この配慮という言葉のイメージをぜひお聞かせいただきたいと思います。
竹中国務大臣
 とりようによっては非常に哲学的な、なかなか難しいお尋ねを含んでおると思います。
 この郵政民営化の五原則自身、これは一年半ぐらい前に、私自身が提起をさせていただいて諮問会議で議論したものでございます。その中に、御指摘のように利便性の原則というのがある。利便性に十分配慮すべきと。
 これは、委員はイメージというふうにおっしゃいましたので、やはりイメージ的なお話にどうしてもなるわけでございますが、これは原則はたくさんあります。一つの原則だけではない。一方で経済全体を活性化させたい、そして改革全体と整合的にやりたい、そして利便性を確保する、そして資源を活用する、雇用に十分配慮する。やはりこれだけ大きな改革でありますから、それぞれについてこれをバランスよく満たしていかなければいけない。そのバランスよく満たしていくというところが極めて重要なところであろうかと思います。
 バランスに関して言うならば、利便の中にもいろいろな利便がある。国民の利便、いろいろな国民がいらっしゃって、いろいろな利便があるということに実は行き当たるのだと思います。
 我々としては、やはり今の社会的な機能を考えますと、特に宮崎や和歌山やそういうところの山間僻地で郵便局に非常に依存している皆様方の利便は絶対に損ないたくない、そういう皆さんの利便を損なわないようにしよう。一方で、都市にいらっしゃる皆さんもこれは大変重要でいらっしゃいますから、例えばですけれども、今の郵便局が一部だけれども二十四時間あいて、その利便性が高まるというようなことも利便性を高めることだろうと思います。これはやはりさまざまであるし、そこに経営の工夫も入ってくる。
 しかし、やはり最低限この利便性だけは保たなければいけないという点があるだろうということを考えて、実は、過疎地に特別な配慮をして拠点を確保するということを、民営化するけれどもそういった意味での拠点の確保、過疎地に配慮した確保というのは絶対に行うということは当初から掲げさせていただいているところでございます。
 これは法律にも反映され、今後、具体的に省令で設置基準を定める中で、過疎地については、法施行の際、現に存するネットワークを維持するということを明記して、そういった意味での、まさに宮崎や和歌山、そういうところの過疎地について十分な配慮をしなければいけないと思っておりますので、多様な利便性を確保する、しかし同時に、最低限の守るべきところは明確にした上でさらなる利便性を目指す、そのように考えております。
江藤拓代議士
 大臣が御指摘のとおり、日本といってもさまざまです。私は、東京に来て宮崎に帰ると、本当に同じ日本かと思いますよ。それぐらい違います。ですから、やはり国政にかかわる者は、きめ細やかに目配りをして、そして配慮していただくということを重ねてお願いしておきます。
 それでは、ようやく法案の内容について御質問させていただきます。これは、配慮の内容についてお伺いするということになっていくわけでありますけれども、まず、郵便局株式会社法案についてお尋ねをいたします。
 このことについてまず聞く前に、日本郵政公社法、私なりにこれをもう一回読み返してみました。そして、その中に定めてあります総務省令、日本郵政公社法施行規則、これも読ませていただきました。非常によくできているな、すばらしい法案並びに省令であるというふうに思っております。
 それは、第二十条で、「公社は、前条第一項第一号から第五号までに掲げる業務及びこれらに附帯する業務を行うため、総務省令で定めるところにより、郵便局をあまねく全国に設置しなければならない。」この一号から五号というのは、もう言うまでもありませんが、郵便、郵便貯金、郵便為替、郵便振替、簡易生命保険ということでありますから、いわゆる郵便もやるし金融業もきちっとやりますということを、まず法律にきちっと書いてある。全くけちのつけどころがない。
 そして、この総務省令の方を見てみますと、法施行の際には、現に存する郵便局ネットワークの水準を維持する。これによって、二万四千七百はきちっと維持する。
 ですから、拠点を維持することを省令の方できちっと担保し、そして業務内容を法律できちっと担保しているということでありますから、この法律と省令を読んで将来に不安を感じる人はだれもいなかったろう、この法律を読んでけちをつける人もいなかったろうと思います。
 では、今回の郵便局株式会社法案、これを読ませていただきますと、第二条の二項で、「この法律において「郵便局」とは、会社の営業所であって、郵便窓口業務を行うものをいう。」そして第五条には、「会社は、総務省令で定めるところにより、あまねく全国において利用されることを旨とし」というふうにあります。
 よくわかっているんですよ。これは郵便局を設置するための法案ですから、この中に銀行とか保険とかそういうことをやりますということを書くのは、極めてこれは不自然だという御回答に多分なるんだろうと想像しています。それはもちろんそうでしょう。そしてまた、預金銀行と保険会社については、今回法律もつくらないわけですから。一般の承継会社になるわけですからね。
 ということになりますと、じゃ、この総務省令できちっとその部分まで担保できるのかということを考えてみますと、政令や省令というのは、しょせんは法律の任があって初めてその内容を定めることができるものというふうに私は理解しています。
 ですから、法律の中にきちっと書いていないことを、省令が、たとえ日本郵政公社法施行規則と同じ内容になったとしても、やはりこの法案から私が何を読み取るかというと、郵貯、簡保、こういうサービスははっきりなくなるんだ、消えてなくなるんだと。会社はありますよ。郵貯会社、保険会社、これはあるけれども、今まで提供されてきたような、いわゆる今までの法律で言うところの、郵便貯金法、ここで言っています、「国民の経済生活の安定を図り、その福祉を増進する」、そういう趣旨にのっとった商品は、今後は、やはりきれいにこの世の中からなくなるんだというふうにこの法案から私は読み取っておるわけでありますけれども、私の読み取り方、認識は誤りでしょうか。御見識をお願いします。

竹中国務大臣
 今回の民営化の制度設計をするに当たりまして、我々はやはり、委員もお挙げくださいました原則から出発をしていろいろと考えていったわけでございます。
 そうした中で、郵便のサービスというのは、ユニバーサルサービス義務を当然のことながら引き続き果たしてもらわなければいけない、国際条約に日本も加盟をしております。これはもう疑いのないところなのだと思います。そのことを法律で義務づける。そして、それにあわせて、郵便のユニバーサルサービス義務にあわせて、郵便の窓口業務というのは当然行わなければいけないことである。それについても設置基準をしっかりと設ける。かつ、日本の場合に重要なのは、この郵便局の窓口を使って、郵便窓口業務以外の大変重要な仕事がこれまでも行われてきた。その中心として金融の仕事がある。それが議論の出発点だったわけでございます。
 それを、今後厳しい状況が、環境が予想される中で、それぞれが市場の中で自立していけるようにするためにどのようにしたらよいかということを考えていきますと、これは、郵便はもちろん特殊会社、そして郵便局会社も特殊会社として設置基準をしっかりとつくる。その際に、何度も申し上げますが、国民が全国であまねく利用できることを旨とする、このことは法律で明記をさせていただいているわけです。つまり、利用者の利便を考えて、それがあまねく全国で利用されるようなことを、法律でしっかりと枠組みをまずつくっているということでございます。
 その上で、しかし、もう一つここで考えなければならないのは、この金融というのが信用を背景とする非常に特殊な業種であって、それがこれまで、国家という絶対的な信用を背景に世界で類を見ないほど大きな存在になっているという事実でございます。この金融の機能を引き続き果たしていただきながら、市場の中で、国家という絶対的信用を背景としないでもやっていけるような形にやはり持っていく必要がある。
 そういう中で、金融については、今回は商法の一般会社として、政府の関与を最終的には約十年でなくす。しかし、結果的に国民の利便が損なわれないようにするために、拠点を確保して、そして移行期間をカバーする十分な期間の代理店契約、安定的な代理店契約をみなし免許の条件として義務づけている。詳しくは申し上げませんが、いざというときのためには基金も使えるようになっているということでございますので、結果的には、郵政が担ってきた公的な機能と、そして一方で、厳しい環境の中で、市場の中でそれぞれが自立していけるというような仕組みを両立させた制度設計、その中で国民の利便が損なわれないようにというように配慮したつもりでございます。
江藤拓代議士 
 大臣の御説明はよくわかっているつもりであります。しかし、衆議院議員というのは立法府に身を置く人間で、やはり法律を通じて、そして、それで足りなければ省令なり政令なりそういうものを通じて、国民の不安を取り除く努力をしなきゃいけない。先ほど申し上げましたように、前回の公社法であれば百点の法案であるわけですけれども、今回、法律だけきちっと読めばやはり不安になる、代理店契約の話なんかよくわかっていますけれども。しかし、そういうことであれば、やるのであれば法律に明記することがやはり望ましい。
 結論はどういうことになるかというと、ではどうしてこういう法律しかつくれないのかということを考えると、やはり四分社化が大前提にあるから、預金と保険を完全に、一〇〇%株式放出した一般の会社にするということが大前提となっているから、こういう非常に不安の残る法律にしかならない。やはり、国民の利便性を損なわないということに政治がもし主眼を置くのであれば、どうしても民営化するという前提に立てば、三事業一体での民営化の方がいろいろと合理的なのではないか。
 どうして合理的かというその理由についてはまた後の方で、いろいろと議論の中でまた述べさせていただきますけれども、私は、やはりその方が何かと後々不都合を起こす可能性が低いのではないか、安全なのではないか、国民の不安も払拭できるのではないか、そう思いますが、大臣の御所見をもう一度改めてお伺いします。
竹中国務大臣
 法律で義務づけるところはしっかりと義務づけなければならないと思います。
 しかし同時に、今回の民営化というのは、できるだけ経営の自由度を持っていただくということ、そうした市場での自由度というのをしっかり持っていただくことが重要である。これは生田総裁御自身、経営の自由度というのはよくおっしゃることでございますが、その意味からいうと、法律で義務づけるというのは必要最小限にして、その上でしっかりと各経済主体にインセンティブを持っていただくような枠組みをつくる、それが私はよい民営化ではないかというふうに思っているところでございます。
 お尋ねの、四分社化ではなくて三事業一体、そういう議論がずっとあったことは私もよく承知をしているところでございます。しかし、ここで考えなければいけないのは、自由に金融を行っていただくという際に、やはりそうすると金融の一般的なルールに従っていただかなければいけない。
 金融というのは信用が特殊だということを申し上げましたが、もう一つ重要な点は、この金融というのは社会全体の信用システムを形成するものでありますから、他の事業の損益状況が直接その金融、銀行や保険に反映しないような、その間の波及を遮断するようなシステムをやはりつくらなければいけない。だからこそ、実は銀行がほかの物流業を営んでいるという例は、少なくとも大きな銀行が大きな物流業を併営しているという例は世界でもないわけでございます。
 そういう金融の一般ルールに従って初めていろいろ自由な活動ができる。そういうことを考えると、三事業一体というのは、やはりそのまま民営化するというのはこれは大変無理がある話であって、これを市場の中で自立させるためには、お互いの損益状況が及ばないような形でリスクを遮断して、そして四分社化をする必要があるというふうな判断のもとに今日に至っているわけでございます。この基本原則につきまして、ぜひとも御理解を賜りたいところでございます。
江藤拓代議士
 もうこの話は党内議論からずっと平行線ですので、正直、ここで御質問申し上げてもせん方なきことだということかもしれませんが、しかし、去年の九月から始まった議論を通じましても、やはりどうしても、今の段階でも三事業一体の方がいいと私は思っております。
 それでは、今経営の自由度というお話が出ましたので、銀行の将来の経営のお話について幾つか御質問させていただきたいと思います。
 二百十兆円あるお金が十年間で大体百四十兆円に減るだろう、そのうちの四分の一のマネーをリスクマネーにする、きょう午前中もやりましたけれども、同じ質問になるかもしれませんが、もう一度お答えをいただきたいと思います。
 三十五兆円を運用するというのは、やはりこれはなかなか大変なことだろうと思います。現在の経済状況を考えれば、ちょっと数字が古いですけれども、二〇〇四年の企業部門が発生させた余剰金、これが年に十六兆二千億。もうリストラも終わった、ある程度設備投資も終わった、企業内の経営の効率化も終わった、かといって投資先もない、企業内の余剰金が年間十六兆二千億もたまっている、それが積もり積もって八十二兆円だという話もあります。
 そういう状況の中で、なかなかお金の運用が難しいので、銀行も国の国債を、百八兆円ですか、今買っていただいている。非常にこれは助かっているわけでありますが、現実としては。そういう今の経済状況が続かないことが望ましいわけでありますけれども、やはり少しずつGDPも伸びていくことを予想したとしても、なかなかこの三十五兆円を有効に運用して利益を出すというのは難しいだろう。私は金融は素人ですけれども、率直にそう考えます。
 まず、今の公社には経験のある人材がおられない、これはやはり大きい。そしてまた、ノウハウもない。そしてまた、与信を管理する、そういうシステムもない。先ほど午前中の御答弁の中では、この移行期間においてもほかのところと提携することもあるんだよというお話がありましたが、そこら辺からノウハウをいただくのかもしれませんけれども。
 そうなりますと、本当に十年間でほかの金融機関と伍して戦えるだけの力をこの貯金会社が持つことができるのかどうか。私は極めて難しいと思います。公社の人材も努力をするでしょうけれども、この生き馬の目を抜くような金融の世界ですから、ほかの金融界の人たちも追いつかれるのを黙って見ているわけじゃない、自分たちも追い抜かれまい、追いつかれまいとして努力をされる、そういう中で、やはりなかなか厳しい状況が生まれてくる。
 私が非常に心配しているのは、この貯金会社の経営が傾くと、結局二万四千七百のネットワークの維持が難しくなってしまう。安定的な代理店委託手数料をきちっと払っていただかないと、これを払えないような経営状況に陥ったら、結局、物すごく困ったことになるわけであります。もしかしたら、持ち株会社の中にある余剰金をどんとまた基金に積み上げて、すべて基金で見なければならないというような状況が起こってしまうこともあり得るかもしれません、余りにもネガティブな予想だと言われるかもしれませんけれども。
 そこら辺のことについて、午前中も一部御答弁がありましたけれども、もう一度、大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
竹中国務大臣
 銀行部門、今、実はこの銀行部門というのが公社の収益のほとんど大宗を稼ぎ出しているわけでございます。これがどうなるかというのは極めて重要なわけですが、民営化したからこれが厳しくなるのかというような問題の設定をすると、いや、これはむしろそうではないはずだということになるんだと思います。
 公社の金融をめぐる環境そのものがまず大変今厳しいことは事実であろうかと思います。むしろ、自由度を持っていただくことによって将来厳しい状況になることを防いでいく、そのための民営化なわけでございますから、そこはやはり、慎重に考えなければいけませんが、決して悲観的に考える必要はないというのがその前提でございます。
 その上で、江藤委員にぜひ御理解いただきたいのは、やはり、今我々は二〇一七年がどうなるかということを考えるわけですけれども、十二年後を考えております。十二年後、金融はどうなのか。では、果たして十三年前の日本の金融はどうだったのかということになりますと、これは麻生大臣がよく引用されますけれども、当時、まだ日本の地価が下がり始めたのがその前年ぐらいですよ。まだ日本の銀行は、世界のトップテンのかなりのものを占めている状況で、そういう状況から今の状況になっている。申し上げたいのは、十年たつと経済の状況は極めて大きく変わる、今のような企業の資金調達のことを前提にして議論するとむしろ方向を誤るのではないかということでございます。
 今までも、我々は「改革と展望」でありますとか先般の二十一世紀ビジョンを出しておりますけれども、その試算等々によりますと、実は二〇一七年ころの日本のGDPというのは今から五〇%から六〇%ふえている可能性がある。これは、名目成長率がどのぐらいになるか、デフレがどのぐらいになるかにもよるわけですが、GDPが二百兆、三百兆ふえる世界で、銀行の貸出残高、GDPに対する比率を減らすとしても、やはりこれは二百兆円とかそれぐらいのオーダーで実はふえる可能性がある、そういうマーケットがあるということでございます。
 その中で、実は三十五兆円の信用リスクビジネスというのは、私は決してそんなむちゃな想定ではなくて、かつ、政策金融の比率も減ってくる。そういう中で、貸し出しだけではない、しかも、三十五兆の信用リスクビジネスの中には、貸し出しも一部あるかもしれませんけれども、シンジケートローンへの参加でありますとか、ABS、アセット・バックト・セキュリティーの購入、その他証券化したものへの投資、全部合わせて三十五兆ということでありますから、これは決して無理な前提を置いているというふうな認識は持っておりません。
 また、今、こうした十年後、十数年後の資金循環についての研究を行っている事例もあるようでございますので、また必要に応じてぜひ御紹介をさせていただきたいと思いますが、そういう十年という非常に長いタームでの議論を今している。その中での、実は一つのあり得べき選択だというふうに我々は思っておりますので、御理解をいただきたいと思います。
江藤拓代議士
 大臣の非常に深い知識のもとでの御説明はよくわかるんです。よくわかるんですが、しかし、年金改革法案のことをちょっと思い出してみますと、やはり年金も、過去五年ごとの見直しをずっとしてきたわけですけれども、そのたびに国の見通しを誤ったんですよ。それが今の年金の悲惨な状況を招いてしまっている。
 ですから、そういう見通し、そういう分析もあるのはよくわかります。私は、個人的には非常に楽観主義的な人間で、余り物事をうじうじ考えないタイプの人間なんですが、それでもやはり、十年前を考えればアジア通貨危機なんという恐ろしいことが起こったり、あるとき突然、為替が八十五円まで突入するようなことが起こったり、考えられないことが起こるのがこの金融、そして財政の世界ですから。
 そういうことを考えると、やはり、リスクマネー三十五兆円と言われると、今まではリスクをとってこなかったお金がリスクをとるわけですから、午前中の小泉先生との御議論の中であったみたいですけれども、市場は失敗することもあると。失敗することもあるでしょう、それは成功することもある。でも、すべて成功しなくても、トータルで成功すればいいわけです。
 そういうリスクをとることが本当に正しいことかどうか、これはもう将来にわたって、十年先、十五年先に振り返ってみないと多分わからないことだと思いますけれども、私がもしこれから先も、国民の皆さん方に御信任をいただいて、十五年先、もし衆議院議員を続けられているとしたら、そのときに、もし私が今回この法案に賛成するということであれば、ほらごらんなさい、うまくいったでしょうと自信を持って言わなければならない。その逆は、あのときにこういうむちゃなことをしたから今のこういう悲惨な事態になってしまったんだと。その責任も、私、政治の世界に籍を置いている限りはとらなければならない。そういう覚悟を持ってこの法案に臨んでいるわけであります。
 ですから、決して、悲観的、悲観的、悲観的という、そういう理屈で物事を言っているのではないということだけはぜひ御理解をいただきたいというふうに私は思うわけであります。
 さらに、午前中の議論を聞いておりましてちょっと気になることがあったんですけれども、住宅金融公庫がなくなって、そしてもうだんだん貸し出しも減ってきて、最近は保証の方に移行してきていると。金融公庫は、民営化を前にして、そうやってだんだんもう移行していっている、それで将来的には六十兆の市場がそこでぽこっとあくんだ、その部分については貯金会社ですか、ここら辺がちゃんと担当するようなことになるということが副大臣の方から御答弁あったんですが、これは、同じ派閥で大変言いづらいんですけれども、私は大問題だと実は思っております。
 私の田舎のことをまた話させていただきますと、宮崎銀行とか宮崎太陽銀行、それから農協とか、そういう田舎の金融機関、ここら辺はどこで利益を出しているかというと、一番はやはり住宅ローンとか、車恋人とかいって車のローンなんですよ。これはきちっと担保もとれますし、焦げつくリスクも低いので収益の柱になっています。そして農協も、この金融部門での利益が上がらないということであれば、農協の組織を維持すること自体が極めて困難な時代です。農協の役割について、今、いろいろ世の中で言う人もいますけれども、営農指導であるとか、いろいろな面でやはり農協というのは非常に大きな役割を果たしているんです。
 そして、副大臣、もしこの貯金会社がそういう部門に乗り出してきたといたしましょうか。特定郵便局長さん、まあ名前は変わっているんでしょうけれども、局長さんたちは地域では有名人です。物すごく人づき合いが濃いんですよ、正直申しまして。銀行にお金を借りに行くというのはなかなかやはり普通の人は抵抗があります、会ったことない人に頼むわけですから。会ったこともない人に、いろいろ自己紹介から始めなきゃいけない。ところが、郵便局に頼みに行けば、それこそ私の田舎に行けば、もう作業着のまま、肩にかまをしょっていって、今度おれの息子が家を建てるから住宅ローンを組んでくれや、よっしゃ、わかったと。家、素性から全部知っているわけですから、下手すればきのうの晩に何を食べたかまで知っているわけですから、懐ぐあいもよくわかっています。そういう状況の中にあれば、これはすさまじい競争力ですよ、郵貯銀行が持つ競争力というのは。
 そういうことになりますと、多分、もう宮崎銀行で住宅ローンを組む人もいないのではないか。農協でお金を借りる人もいないのではないか。麻生大臣、それぐらい深いつき合いをしているんですよ。会ったことない人から借りるより、十年、二十年、長いつき合いをしている人から借りる方が借りやすいし、借りてあげれば喜んでくれるわけですから。
 そういうことになると、地元の金融機関、信金、信組、それから銀行、農協、漁協に対しては大変な経営上の圧力になると思うんですが、私の認識は、考え方は間違っていますでしょうか。
西川公也内閣府副大臣
 田舎代表と田舎代表で答えろと、こういうことです。
 それで、私は栃木県ですけれども、農業粗生産額は大体三千億なんです。しかし、農協を通して県信連に上がってくる金が大体一兆三千億ぐらいあったんです。そのうち県内でどのぐらい貸せるかというと、そう借りる人がいない。こういうことで、それらの金がどこに行くかというと、農林中金に行くわけですね。
 農林中金、私、大したものだなと思うのは、六十一兆円のお金を扱って、わずか二千七百人でやって、それで非常に経営内容がいい。経営内容がいいから県信連や農協に相当利差をくれるかというと、そうはなっていないんですね。そういうことで、私は、非常にうまい経営をやってきているな、こう思って農協の問題を見ていました。
 そうすると、農業に従事している人はみんな農協から借りる、先に農協で借りちゃう、こういう話もあるかもしれませんが、私が先ほど申し上げたのは、住宅金融公庫、六十兆円でも、どのぐらい必要性が残るかわかりませんが、農林中金が非常に上手な運用をしておって、六十一兆円をわずか二千七百人でやっておって物すごい利益を上げている。そうすると、私どもの方も、住宅そのもので上げられないかもしれませんが、運用方法によっては三十五兆円の市場というのは十分こなしていって、そこで利潤、利益を上げられるだろう、こういう考え方を持っている、こういうことです。
江藤拓代議士
 副大臣、ありがとうございました。
 私がお尋ねしたいのは、地方の銀行から見たときに、強力な競争相手がこの民営化によって誕生してしまうことに結果としてなるのではありませんかという極めて単純な質問でございます。
 人間同士というのは、やはり基本は人づき合いですね。特定局長さんたちというのは地域の名士ですから、先ほど言ったように、地域のことは何でも知っている。どこの娘がどこに嫁に行って、あの人がだれのおいっ子でと全部知っているわけですよ。大臣が言われたように、これは非常に魅力的なネットワークなんですね、二万四千七百。それはそこに人がいるからなんですね。
 貯金も保険も、これは会社はあるけれどもそこに支店も何にもない、だからきちっと安定的な代理店契約を結ばなければならない。大臣の理屈はそこで一応通っているんですよ。通ってはいるんですが、私が申し上げているのは、民営化の基本理念の中で、民業圧迫をしているから、今余りにも郵貯も簡保も巨大になり過ぎた、本来だったら民間金融機関とかに流れてしかるべきだったお金を国の信用をバックにして吸い上げてしまったじゃないか、そして民間は苦労している、そういうたがを外してあげるのが郵政民営化、そしてこの改革の趣旨だという話だったと思うんですが、しかし、結果として強力なコンペティターを国がつくってしまって、国が信金、信組に圧力をかけることは好ましくないのではないかという質問を私はしているんですけれども、大臣、いかがでしょうか。
竹中国務大臣
 二点、まず、直接のお答えではありませんが、江藤委員は大変重要な問題を非常に素直に御質問してくださっているわけですけれども、前半では、この銀行は一体成り立つのかという観点からの御質問をされて、そして今は、この銀行が強くなり過ぎて民間を圧迫するのではないかという観点からの。これは、確かに両方の懸念があるわけなんです。だから、そういう両方からの、両極端からの御懸念をいただいていますし、その辺、やはり両方からの検証をしっかりしなきゃいけない、私もそのように思います。
 今まで、郵政が国の信用を背景にいろいろビジネスを拡大してきた。しかし、その一方で、民間の銀行部門もある意味ですみ分けをする中で、結果的に十分な競争が行われてこなかった。民間の方にもやはり今後大いに競争を高めていただかなきゃいけない。そういう効果が、今回の郵政民営化の中にはあるんだろうと思います。
 最初十年間は国の関与がありますから、そこは民業圧迫にならないように、そのために民営化委員会を置いて、こういう業務に進出すべきかどうかということをきっちりと、まさに経営の自由度とイコールフッティング、これをコインの両面として審査しながら、段階的に民間の市場の中に入ってきていただくわけですので、その十年の助走期間の中で、これは郵政にも御努力をいただきたいし、そして民間にも御努力をいただきたい、制度設計の中にそういう思いが込められているということでございます。
 同時に、コンペティターになるという面も確かにあろうと思います。その意味では、大いに競争していただきたい。同時に、しかしまた、民間といろんな提携をする、アライアンスをして相互に高め合うという可能性も、これまた実は非常にあるわけでございます。
 ビジネスがどうなっていくかというのはわかりませんから、極めて一般的な考え方でありますが、郵政というのは預金を集める能力を持っているわけですから、預金を運用する能力のあるようなところと組んで、資産を運用するようなところと組んで、そのビジネスを強化するということはあり得るわけでありますし、そういうことは現実に私は起こってくるのではないかというふうに思っております。
 一点、委員は誤解しておられるわけではないと思いますが、話の中で時々ちょっと混同があるのは、郵便局長さんは銀行の支店長さんの役割を果たすわけではございません。銀行の支店長さんというのは、融資の審査をして、ないしは融資の決定を行う権限を持っているわけでございますが、今回、住宅ローン等々融資を行うのはあくまでも郵便貯金銀行であって、その窓口業務を代理するという仕事を郵便局が担う。郵便局長さんはそういう話をされるわけでございますので、そこは、郵便局長さんは確かに地方の名士でいらっしゃって、情報収集、そしていろんな取り次ぎ等大変重要な役割を果たされるとは思うんですが、いわゆる銀行の支店長さんが果たされるような役割とは違うということも申し上げておきたいと思います。
江藤拓代議士
 いや、大臣、それはよくわかっているんですよ。あくまでも委託を受けて窓口業務の一環としてやるだけでありますから。
 しかし、実際にお客様と話をするのは、その地方に点在する二万四千七百のそれぞれの拠点の、局長さんという名前じゃないかもしれませんけれども、そこにおられる方々ですから、私は別に混同しているとは思っていません。
 それから、君は楽観的な意見を言ったり悲観的な意見を言ったりするじゃないかという反論もいただきましたけれども、それが私は政治家の役目だと思っていますよ。うまくいくことも想定しなきゃいけない、うまくいくことについて、そんなうまくいくはずがないじゃないかと一笑に付すというのはこれも好ましくないし、かといって、うまくいくに決まっていると、こちらの意見しか考えないというのも非常に偏った物の考え方。だから、私は両方あり得ると。
 正直、私の知識ではどっちにいくかわからないんですよ。わからないから不安なんです。うまくいきそうな気もするし、それこそ、いろんな本が出ています。週刊誌なんかでも、郵貯は三年でつぶれるとか、そういう本が出たり、週刊現代か何かに出ていました、田原総一朗さんなんかに言わせると、今度は強烈なコンペティターになって民間に対して大変な圧力を加えることになるだろう。
 ですから、世の中におられる有識者と言われる方々が、この法案を読んでどっちにいくのかわからないんです。まさに、一生懸命努力をしても、そのときの世界の金融の状況であるとか経済の状況によって大きく経営の内容が左右されるわけですから、それはうまくいく方もうまくいかない方も両方とも考えるのは、私としては極めて自然な発想なんではないかなというふうに、一応反論だけさせていただきます。
 それでは、引き続きまして、基金についてお尋ねをさせていただきます。
 これは、やはり配慮の一環で基金ということが与党合意の中で設けられましたが、この合意文書によりますと、基金は、地域、社会のニーズへ対応し、万全を期すため、一兆円の積み立てを行う、その後ずっとありまして、総額二兆円に達するまで積み立てを継続するというのがこの与党合意の内容でございます。よく大臣も御存じのとおりであります。
 この一兆円という数字をはじき出した根拠、これもほかの委員の方々が何度も御質問されましたけれども、もう一度御説明を簡略にいただきたいと思います。
西川副大臣
一兆円の根拠でありますけれども、これはまず、必要な額は幾らだ、こういうことでやっていきまして、百二十億円と六十億円でありましたから、合計百八十億円だ。それで、前三年の平均値でいきますと金利はどのぐらいになっていた、ここから逆算していきまして、一兆円あれば百八十億円生まれてくる、だから、百八十億円必要なのは一兆円積めば大丈夫だ、これが根拠でございます。
    〔石破委員長代理退席、委員長着席〕
江藤拓代議士
それでは、その百八十億円のお金でどれだけの局数に対してこの支援を行うことが可能なのか、局数の方をお示しいただきたいと思います。
細見真内閣官房内閣審議官
 何回か御答弁をさせていただいていると思いますけれども、積算上ということでございまして、実際にはそれぞれ額が出てくるのは違ってくると思いますが、積算上の根拠ということで申しますと、一局当たり六百万ということで、二千局ということで想定をさせていただいております
江藤拓代議士
 これは午前中の小泉委員の質問と完全にかぶって大変失礼かとも思いますけれども、とても大切なことなので、重ねて質問させていただきます。
 この収支相償方式でいきますと、小泉委員から説明がありましたように、現在、黒字の局は大体二五%強ぐらいしかない。赤字局は一万四千局を超えている。全国平均は、大体二五%ぐらいが収支相償方式でも黒字だ。ところが、これを私の宮崎県に置きかえてみますと、百九十六局中、黒字が九局しかない。普通局が十一局ございますが、普通局でも黒字を出しているのが二局しかない。全体の五%しかない。だから、やはり私のような田舎のところに赤字の局が極めて集中して存在するということが、この数字を見ても極めて明らかになると思います。
 そういうことであると、二千局ということでは、私が地元に帰って、二千局を対象に六百万を上限に支援を国がやってくれますから大丈夫ですよと言っても、それは足りないんじゃないのとごく普通に皆さん方は多分御回答されると思うんですね。だって、この数字を見れば、もちろんネットワークで効果を発揮しているという御答弁をされるのかもしれませんけれども。
 そうはいっても、やはり将来的に完全に保険と貯金が民間会社になったときには、国のガバナンスが完全にとれたときには、完全にイコールフッティングになって、今度は株主に対して、きちっとした配当責任であるとか、そういうものを果たすことにそのときの経営者は軸足を置くのは当然のことだと思うわけですね。そう思ったときには、やはりこの二千という数字の根拠自体が、大体これは甘過ぎるというふうに思いますが、いかがですか。
細見審議官
 お答えいたします。
 まず第一点、私どもも算定に当たっては収支相償方式を使わせていただきましたが、公社の算定にはもう一つ、全体損益方式というのがございまして、全体損益方式というのは、現在公社が上げている利益を各郵便局に配分するという計算方法でございます。収支相償方式というのは、利益が一切上がっていないという前提で、つまりどこかが黒字になれば必ずどこかが赤字になる、こういう計算の方法をとっているやり方でございます。
 全体損益方式ということで、現在の、これはちょっと十六年度がございませんで十五年度のベースの計算で見させていただきますと、全体として黒字局は一万七千局、これは簡易郵便局を外しておりますので、合計二万局のうち一万七千三百七十七局が黒字局ということになっているということでございまして、収支相償方式による赤字というのは、データとしては、一つ大変厳しい状況になった状況での数字だということでございます。
 私どもは、そういう状況の中において、過疎地の最前線にあります無集配特定局、こういうところを中心に、金融業務が継続できないというような状況が生じた場合を想定して、約三千四百程度ある過疎地域の集配と無集配の特定局、それから、無集配でいえば千六百程度の無集配特定局の中から数字を計算してやりましたということでございます。
江藤拓代議士
時間が迫ってまいりましたので早口で申しますけれども、千歩譲って全体損益方式でやるとしても、二千八百七十局が赤字だというふうにきちっと出ているわけでしょう。八百七十局分足りないじゃないですか、これでも。
 そして、全体の経営はやはり今後ますます厳しくなっていく、少子高齢化も進むということで民営化に踏み切ったという大臣の御答弁もいただきました。ということであれば、常識的に考えて、一生懸命頑張りますけれども、やはり赤字局の数が劇的に改善するというのはなかなか難しいと思うんですよ。将来的には、残念ながら、残念ながらですよ、ふえてしまうことを想定するのが私は自然だと思うわけですね。それにもかかわらず、二千局という数字をもとに一兆円をはじき出したというのは、非常におかしいと私は思うわけであります。
 それで、今度は将来の暗いシナリオですけれども、そういうことを想像すると、私なりの意見を言わせていただきますけれども、私としては、この基金の金額、二兆円までは積み立てを継続するというふうになっていますけれども、例えば、状況を見て、必要に応じて、上限を設けずに積み増すことができる、こういう文言に変えれば、かなり、地元の方々、いわゆる田舎の方々の不安というものは取り除くことが可能なのではないか、私はそういうふうに思いますが、これはむちゃな話ですか。

西川副大臣 
政府・与党の合意で、一兆円まず決めたわけですね。そして、二兆円まで積み増しできる、こういうことにしたのでありまして、与党の意見を十分反映した、こういうことに受けとめてください。
 それから、先ほど私、答弁したときに、国債の前三年の平均が一・八と申し上げましたが、十年でございまして、訂正をさせていただきます。
江藤拓代議士
 もうあと一、二分になりましたので、本当はまだ、国債管理政策であるとか株の完全売却の問題であるとか将来の合併の問題であるとか民営化のコストであるとか、その他もろもろ、認証司の問題も含めまして、お聞きしたかったことは多いわけでありますけれども、もう時間が参りましたので、一応まとめに入らせていただきたいと思います。
 とにかく、今回の法改正によりまして、民営化によりまして、郵便貯金法、それから簡易生命保険法はなくなるわけであります。これはやはり、この百三十年の過去の歴史を振り返って、郵便事業、このネットワークというものは、非常に国民生活に愛され、そしてすばらしい役割を果たしてきた。そして、それを行う上で国が定めた法律というものは、国民の経済生活の安定を図って、そしてその福祉を増進することということを目的にこの事業をやってきました。
 しかし、大臣も先ほどから何回も御答弁されていますように、商法上の一般法人になるということであれば、今度は銀行法、これは何て書いてあるのか、「銀行の業務の運営についての自主的な努力を尊重するよう配慮しなければならない。」結局は、損をしちゃいけない、きちんと利益を出しなさいと。もう完全に当たり前の話ですけれども。今度は、保険業法はどうなっているかというと、「保険業を行う者の業務の健全かつ適切な運営及び保険募集の公正を確保すること」というふうに書いてあります。
 この二つの法律をそれぞれ比較すると、国がこれまで果たしてきた国民に対する福祉の精神であるとか安定を望む心とか、そういうものはやはりここで一つの区切りを切って、いわゆる市場原理にこれは任せて、市場に任せて、市場の中で自己責任のもとに自分の将来のことは考えてください、国の関与はだんだんだんだんなくしていきますよということを言っているというふうに私は思うんです。
 ですから、これからまだまだ長い審議が続いていくわけでありますけれども、もしもう一度質問に立たせていただけるということであれば、この審議を通じて、やはり我々は与党ですから、最終的には、自由民主党の国会議員が一丸となって賛成できる法案になるということが一番いいと思っています。そのために、総理が言うように、修正は絶対しないということではなくて、柔軟な姿勢で今後の審議を進めていただくことをお願い申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。

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