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         −−−予算委員会第4分科会(文部科学省所管) 平成17年2月28日開催−−−
渡海紀三朗主査 
 次に、江藤拓君。
江藤拓代議士
 宮崎県の江藤拓でございます。
 今日は、同郷の大臣に質問する機会を与えていただきまして、本当にありがとうございます。結構たくさん質問事項を考えておりますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。
 まず、三位一体の改革にかかわる義務教育国庫負担金の問題について御質問させていただきたいと思います。
 大臣は、非常に勇気のある態度をとっていただきまして、私は本当に心強く、頼もしく思いました。小泉内閣の中であれだけ毅然とした態度をとるということは、大変な覚悟が要ったことだろうと思っております。
 今回、義務教育国庫負担金のうち人件費分の約半分、四千二百五十億円を税源移譲予定特例交付金として地方に暫定的に移譲することとなったわけでありますけれども、これは私は、今後の中教審の答申を待たなければならないということでありますけれども、やはりこれからの問題としてよく考えなければならないと思っています。
 地方でできることは地方でやる、確かに、地方で教育ができないのかといえば、そうではないと私は思っています。地方でできることの中にも、中央政府、国がきちっと責任を持たなければならないことがあるということであります。地方ができることはすべて渡してしまえばいいんだというのは行き過ぎだろうと私は思っております。
 そこで、私は、宮崎県の場合どのようになるかということを、同郷ですからお話をさせていただきたいんですが、非常に財政力に格差があることはみんなよく知っていることですけれども、宮崎県の当初予算案、一般会計が発表になりました。総額は六千一億円。そのうちの歳入を見ますと、自主財源が二千五億円、三三・四%、この中には繰入金が二百四十二億円も入っております。投資的経費は八・七%の減、県単事業は三〇%の減、そして県債の残高は九千億円に到達をしてしまいました。
 そして、東京都の人には申しわけないんですが、東京の場合はどうなのかなということを調べてみました。東京の場合は、何と、平成十六年度の見込みですけれども、平成15年度と比べて税収分だけで二千五百八十八億円、宮崎県全体の県の単独の収入を超えている、二千五百八十八億円もふえるということであります。
 そういう状況の中で、中教審のもとに設置されました教育条件整備に関する作業部会、ここの答申によりますと、もし個人住民税として税源移譲が完全になされた場合、九つの都府県ではさらに収入がふえる。これだけ、東京都は二千五百八十八億円もほっておいても税収はふえるのに、さらに収入がふえる。そして、宮崎県を含む三十八道県では減ってしまうということが、これははっきり数字として出ております。
 宮崎県は、出生率は極めて高いんです。高いんですが、教育を受ける条件は非常に厳しくなっています。平成元年から平成十六年までの間に廃校になった小学校は何と十八校、中学校は三校、統合された学校は四校に上っております。そして、これから、平成十七年から十八年にわたるこの一年間だけを見ても、小学校が三校廃校される予定になっておりますし、中学校も二校、廃校予定が一校。私の選挙区の南郷村渡川の中学校も廃校される予定になっております。
 統廃合や廃校が行われるとどうなるのかということは、これはわかり切ったことでありまして、通学の距離が大きく延びる。これは、教育を受ける条件が極めて不利になるということになるわけであります。
 私の選挙区の西臼杵郡あたり、五ケ瀬、日之影、高千穂ですけれども、学校まで十キロ離れているなんというのは当たり前なんですよ。部活動すると、もう帰り道は真っ暗です。街灯もありません。懐中電灯一個持って、とぼとぼと夜の道を歩いて家路を急ぐ。お父さん、お母さんが仕事で忙しければ迎えに行くこともできません。確かに、通学に関する助成もいただいてはおります。数字をいただきましたけれども、これでどうにかなるような問題ではありません。
 ですから、やはり義務教育というものは国がきっちりと責任を持つ。日本のどこにいても、大臣が言われるようにどこにいたってきちっとした教育水準が確保されるということをやっていただかないと、昔は、人材は山に育つというふうに言われたわけでありますけれども、山間僻地の条件不利地に行けば行くほど教育を受ける機会やそういうものが損なわれてしまうということになりかねないのではないかというふうに思います。
 まとめて質問させていただきますけれども、法律で標準法という法律がございますね。生徒四十人に対して教員を一人は配置しなければならない、そういう、法律できちっと縛られているわけであります。
 先ほど申し上げましたように、宮崎県のように財政の厳しいところ、財政再建団体転落直前なんですよ、宮崎県は。三カ年をかけて、そうならないように緊縮財政をしいております、安藤新知事の強力なリーダーシップのもとで。そういう条件のもとで、標準法で教員の数は地方の責任できちっと確保しなさいと。そうなると、教員を確保して教育水準を守るということが、ほかの行政サービスにしわ寄せをもたらす。地方は、教育水準を守ることも厳しいし、ほかの行政水準を維持することも厳しい。地方はどんどん廃れていってしまうということにもなりかねないと思うわけでありますが、大臣も同意見だと思いますけれども、私の今の意見を聞いていただきまして、大臣のお考えをぜひ聞かせていただきたいと思います。
中山成彬文部科学大臣 
 江藤先生とこうして委員会で質疑ができるということ、本当に夢のようでございますが、お父さんの江藤隆美先生には大変お世話になりました。それこそ大変存在感のある、しっかりとした歴史観を持たれた先生でありまして、また、宮崎県、地元のためにも大変な御貢献をいただいたわけでございます。私も後輩でございますが、改めて感謝申し上げますとともに、御子息江藤拓さん、いよいよこれからだということで、幅広く活躍いただいておりますが、どうかこれからも、大きな視野を持って、日本のために、そしてふるさと宮崎のために頑張っていただきたい、このことを最初に申し上げたいと思います。
 今お話がありました義務教育国庫負担制度、これを含めた、東京といいますか富裕県と財政窮乏県との比較、本当に身につまされるわけでございます。だんだんと経済格差、財政格差が広がっていくな、そういう中で三位一体改革が進められている。そして、その中で義務教育国庫負担制度がどうなるのかという、本当に今大事な時期に差しかかっていると思うわけでございます。
 昨年末のこの論議におきましては、私は、どうしても国庫負担制度は堅持すべきだという論陣を張ったわけでございます。御承知のように、秋までに中央教育審議会で議論してもらうということになりましたが、これから議論していただく中で、私はやはり義務教育国庫負担制度というのは堅持していきたい、このように考えております。
 まさに、今御指摘がありましたように、宮崎を初め、いわゆる財政力の乏しい県におきまして、これは大変なことになる。ここ一、二年は交付税というのが確保されますからいいんですけれども、二年後からは急激に交付税というのが激減するというときに、教育をどうするんだ、これは地方にとっても大変な負担になるわけでございまして、私は安藤知事にも、本当に賛成でいいんですか、地方は大変ですよということを申し上げた。まさに江藤先生の出身であります宮崎二区、そのことを私はいつも頭に浮かべながら申し上げているんです。どんな山間僻地に生まれても、少なくとも義務教育においてはひとしく教育を受けて、そして学校を卒業する時点においては同じスタートラインでスタートさせたい、これが国の責任ではないか、このように考えるわけでございます。
 地方にできることは地方に、非常に、そういう意味では賛成ではございますが、まさに地方にできなくなるわけですね。地方ができなくなるという中で、しかし地方にできても、本来国がやるべきことがあるんじゃないか、それは、例えば外交とか国防はそうですし、私は教育だってそうじゃないか、こう思うわけでございます。
 これまでもそういった観点から主張してまいりましたが、同県といいますか、同じ財政窮乏県の出身の議員として、どうかこの義務教育国庫負担制度は堅持して、少なくともこれからの子供たち、どこに生まれてもどこに育っても、やはり日本人として自信と誇りを持って社会に巣立つことができるような、そういう義務教育をしっかり授けるようにともに頑張っていただきたいと心からお願いする次第でございます。
江藤拓代議士
 大変お励ましまでいただきまして、ありがとうございました。
 標準法の問題もそういうことでありますし、加配教員という制度もありますね。今回、新潟中越地震が起こって、メンタルケアの面でも非常に、標準を超えて教員を派遣して子供たちの心のケアをしてやろうということも、国の関与があるからこれはできることでありますので、大臣の今御答弁いただきましたように、中教審の秋の答申を待つわけでありますけれども、これはあくまでも政治が決めることです。政治が決断することでありますので、大臣の強力なリーダーシップを御期待しておりますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。
 それでは次に、教科書の問題について、それから学校教員の資質の問題について、二、三、質問をさせていただきます。
 私には三人の小学生の子供がおります。長男は今度中学校に入りますから、今度は公民の教科書、問題の公民の教科書もいよいよ学ぶようになるわけでありますけれども、子供を育ててみてつくづく思うことは、子供は本当に真っ白ですよ。何も色に染まらないでこの世の中に生まれてくる。子供たちの人間形成は、私たち両親であるとか学校であるとか友人であるとか、そういう社会環境の中で形成されます。特に小学生は、学校にいる時間が親と接している時間よりもはるかに長いわけでありますから、教員の資質、そして教科書の内容というものが子供の人間形成に大きな影響を与えるということは言うまでもないことだろうと思っております。
 そして、私の学校でもあるんですけれども、ああ、今回はいい先生に当たってよかった、そうすると成績はぐっと上がるわけですね。余り子供たちに好かれていない先生に当たるとびゅっと下がる。子供は正直ですよ。子供は、やはり一番のバロメーターだと思っております。
 そして、大臣に一つ聞いていただきたい話があります。これも宮崎県の例なんですけれども、児湯郡の児湯農協の青年部の木城町支部の支部長をしている小泉正浩さん、私の友人ですけれども、その息子、小学校五年生、恵太郎君、学校でテストがありました。我が国の農業についての問題、これはゆとり教育の中でやったのかもしれません。
 全部読むと切りがないのであれですけれども、例えば「米づくりにかかわっている人々は、おいしい米や安心して食べられる米をつくるために、どのようなくふうをしているか書きましょう。」と。「農薬をあまり使わない」、二重マル、そのとおり、いい解答ですね。次はなかなか難しいんですけれども、「自給のわりあいが一番高いのは、米である。」頭のいい子です。正解です。我が国は「おもな食料のうち、小麦と( )の自給のわりあいが大変低い。」これも「大豆」と、見事に正解です。非常によく勉強していますね。
 次の問題です。「わが国は、食料の多くを外国からの輸入にたよっています。今後、わが国が食料を確保していくためにはどうすればよいか、」あなたの考えを下の四角に書きなさいと。今申し上げたように、お父さんは農業をされているわけです、大変御苦労をされて。去年は台風が襲って、露地野菜もハウスもめちゃめちゃにやられました、宮崎県は。そして、キャベツの値段は一個千円になりました。そうなりましたときに、外国から、前年度比七十七倍ですよ、前年度比七十七倍のキャベツが緊急輸入されて、あっという間に値段は下がってしまいました。そういう親の苦労を見た彼は、輸入品を減らし、農家の数をふやす、そう答えたんですよ。そうしましたら、驚くなかれ、大臣、バツです、バツ。
 バッテンというのも正解かもしれません、物は見方ですからね。物は見方ですよ。だけれども、農家に育っている子供が、家のこと、親の姿を見て書いた解答に対してこういう懐の狭い採点をしてしまうと、子供は傷つきますよ。
 ですから、大臣、ゆとり教育の見直しの問題も、私、「甦れ、日本!」を読ませていただきました。この時期に見直すのは時期尚早ではないか、焦り過ぎじゃないか、そんなことはないです。間違っているということを素直に認めてそれを正すということに、はばかることはありません。自己批判の精神を政治家は失ってはいけないと思います。こういうことがあるということであれば、やはり教員の免許の更新制度だとか教師の質を高めるということはとても大事だと思います。大臣の御所見を、私のこの話を聞いて、いっぱいありますので、できれば短目にお願いいたします。
中山国務大臣
 いや、驚きましたね、何ですか、輸入を減らし、農家の数をふやす、これはバツなんですか。(江藤分科員「バツです。それで、問題になっているんですね」と呼ぶ)
 今、日本の国策として、自給率を高める、四五%まで高めるということを掲げているわけですから、これはやはり、そのためには、今農家がどんどん減っているのを何とか食いとめて、農家をふやさなければいかぬときでございますから、それは学校の先生方、もう少し考えてもらいたいし、特に宮崎の子供たちを教える、農家の多い学校で教える先生方としては、もう少し教え方に工夫があってもいいんじゃないかと思うんですね。やはり自分の親、地域の人たちが従事している産業に対して誇りを持つような、自信を持てるような、そういう教育をしてほしいなと思います。
江藤拓代議士
 ありがとうございます。
 今御指摘がありましたように、今国会に自由民主党は、食育基本法を提出する予定になっております。超党派で全党で出せればよかったんですけれども、これは残念ですけれども、こういう方向で我々は進んでいるわけでありますし、これからの日本の将来のために食糧自給率の向上、これは大切なことですから、そういう観点もやはり学校の教育の場で教えていただきたい。こういうことは御当局の方に、農林省だけの問題じゃないですよ。
 それから、地球温暖化の問題もそうですよ。やはりこういうことこそ学校で教えていただきたい。もう既に経産省は、家庭から排出されるCO2の排出については目標数値を設けることはあきらめたということになっておりますけれども、こういうことを学校で教えて、地球の環境は大事なんだと。地球の温度が一度上がったら世界の農業生産は一〇%落ちるかもしれない、そういう統計も出ていますので、教育の現場のことをよく考えていただきたいと思います。
 それから、教科書の問題について、今度は歴史教科書、非常にやってほしくない話かもしれませんけれども、聞かせていただきます。
 私は、当たり前の話ですけれども、自分たちの負の歴史、自分たちの失敗や過ちについて、隠ぺいしろ、隠してしまえ、そういうようなことを言うつもりはもちろん毛頭ありません。そういうことについても正面から向き合う必要があります。しかし、バランスを欠いていることは間違っていると私は思うわけであります。
 学習指導要領の中で、どうして歴史教育を教えるのかということが書いてあります。その目途ですね。学習指導要領の中で、どうして歴史教育をやるのかと。それには、平成十年度版の改訂版の中には、「国民としての自覚を育てる。」という従来の文言に加えて、「我が国の歴史に対する愛情を深め、」という文言が加えられていますね。今の我々の日本の国で行われている教育というもの、歴史の教科書、これはこの学習指導要領にのっとった、文部科学省としてきちっとこの趣旨にのっとった検定を行った教科書だというふうに自信を持って言えますか。御当局、お願いします。
銭谷文部科学省初等中等教育局長
 教科書につきましては、学習指導要領の範囲内で編さんをされるわけでございますけれども、検定に当たりましては、学説その他公正な学問的な見解に基づいて私ども検定をしている所存でございます。
江藤拓代議士
 予想していたとおりの返事が来て非常にがっかりしているわけでありますけれども、これは、学習指導要領の範囲内ということであれば、今言った、我が国の歴史に対する愛着を深め、この趣旨から外れちゃいけないんですよ。
 歴史を学んだ子供たちが、では、どういう感想を現実に持っているかということをちょっといろいろと見てみました。例えば、おじいちゃん、おばあちゃんはひどい人たちだ、人殺しだ、おじいちゃん、おばあちゃんのことが嫌いになった。歴史の勉強をすると心が暗くなる。そしてまた、ここに非常に衝撃的なテスト問題が出てまいります、皆さん方も御存じですけれども。日中戦争について、「なぜ日中戦争がおきたのだろう。」といろいろ問題があって、そのときに「中国の人たちは、日本のことをどう思っていたと思いますか。」という設問なんですよ、大臣。解答は、日本のやつらは子供たちを殺し、女性も殺しやがった、日本人は最低だ、これが大臣、二重丸でした。
 歴史は、見る角度によって大きくその姿を変えます、言うまでもなく。もう釈迦に説法ですけれども、例えば伊藤博文公は、それは私の尊敬する政治家です、私も政治家の端くれですけれども。初代の総理大臣になられて、日本が独立国家としてこれからもやっていけるのか、それとも諸外国にのみ込まれるのか、そういう厳しいときに国会を立ち上げ憲法をつくった、まさに近代国家日本の幕あけを引いてくれた、すばらしい日本の英雄ですよ。その人は、残念ながらテロ行為によって、安重根という方によってハルピンの駅頭において殺された。
 そのことが、中国、韓国において英雄であることは間違っていると思いません。中国、韓国の人たちがこの人を英雄視することが間違っている、そういうことを言うつもりは全くない。しかし、日本の教科書で、暗殺というのはテロでしょう。今、テロという言葉は大変ポピュラーになりましたけれども、テロは許されないんですよ。それが日本の教科書によって、ヒーローだというふうに取り扱われている。そして、歴史教科書の中で私たちが当たり前に習っていた、例えば菅原道真であるとか二宮尊徳であるとか勝海舟であるとか、そういう人たちの記述はすべからく抜け落ちてしまう。別に韓国の英雄のことを言っちゃいけないというんじゃないんですよ。
 さらに言わせていただけば、まだたくさんありますよ。バランスを持って教育をしてほしいということを言いましたけれども、日本が諸外国に行ったことは全部侵略ですよね、今の日本の教育の中では。これはもうほとんど定説になりつつある。しかし、それでは蒙古が日本を襲ってきたときはどうなっているのか。今言いましたように、襲ってきたという表現が一つ、おしよせてきたという表現が一つ、遠征してきたという表現をしている教科書もありましたよ、蒙古が遠征してきたんですと。遠征といったらスポーツか何かですよ。蒙古襲来というのはスポーツの交流か何かですか。こういうことをすっぱり通してしまっている。これは、学習指導要領の範囲内できちっと検定作業をしていると私は思えません。
 そして、朝鮮戦争のことについても、三十八度線を越えてこれは南下してきたと。明らかに侵略したんでしょう、北朝鮮が三十八度線を越えて。こんなことを教育しているのは日本の教科書だけだと思いますよ。
 ですから、これからの子供たちは大変なんです。二〇二五年になれば大人二人でお年寄り一人を支えていかなきゃいけない、年金制度の賦課方式を維持すれば。出生率は一・二九といってどんどん下がっていく。この資源のない国で子供たちが生きていくには、彼らが知恵を出し、そして生きる力を、生き延びる知恵、そういう意欲を子供たちに植えつけてあげるのが教育だと思うんですよ。そういうことの観点からいうと、私は歴史教科書の問題については非常に問題があると思いますが、大臣、いかがでございましょうか。
中山国務大臣 
 いろいろお話がありましたけれども、遠征という言葉、そういえば、世界の歴史でアレキサンダー大王の遠征という言葉があったなと、遠くから攻めてくるのを遠征というのかなと思ったりしたんですけれどもね。
 いろいろな表現はあると思いますけれども、今、検定の問題は、私も大臣になっていろいろ注意深く見ているんですけれども、やはり文部科学省も、政府の見解といいますか、そういった中で学習指導要領を定めまして、その中で検定をやっているわけでございまして、御承知のように、具体的にどのような歴史事象を取り上げて、それをどのように記述するかということは、これは民間の執筆者等の判断にゆだねられているわけでございます。その中に、現在の学説とかそういったものに照らして明らかに誤りとか著しくバランスを欠いた記述がある場合には、検定意見を付してその欠点を指摘する、こういうことになっているわけでございます。
 ずっと見ておりまして、日本の子供たちが、我が民族といいますか、歴史に自信と誇りを持って、これから予想される厳しい二十一世紀の時代を歩んでいける、そういった土台をつくってやるのが教育であるとすれば、まさにそういったこともしっかり踏まえた上で、私はこの教科書問題にも取り組んでいかなきゃいかぬな、こう思っているところでございます。
江藤拓代議士
 ありがとうございます。
 かなり厳しく申し上げましたけれども、実は政治の責任なんですよ。もっと言ってしまえば文部科学省が悪いわけじゃないんです。昭和五十七年に日本と中韓両国の間に起きた教科書問題、官房長官談話を受けて大変有名な近隣諸国条項というものができてしまいました。これがある限りにおいては、ある意味、どうぞ、私たちは配慮します、皆さん方の御意見をきちっと踏まえた上で教科書をつくりますということを内外に宣言しちゃっているわけですから、文部科学省を余り私が厳しく叱責しても、これは仕方がない。政治の責任だろうという部分がかなり大きいと私は思っています。
 事実上、これははっきり決まってはいないといいながら、中国関係では侵略と南京事件の二項目、韓国関係では侵略、土地調査、三・一独立運動、強制連行など七項目、それに、東南アジアへの進出、西銘先生ここにおられますけれども、沖縄戦を加えた十一項目については、検定意見を付さないということに、この近隣諸国条項のためになってしまっている。付さないということになってしまえば、私たち政治家が文句を言うこと自体が大体おかしいじゃないかということにもなりかねない。しかし、これは国家の主権の一部放棄じゃないですか。
 私たちにとって一番の宝は子供たちですよ。私も、いずれ子供たちより先に死にます。その子供たちの未来を切り拓くのも、自分たちの力で切り拓いていかなきゃいけない。しかし、最初に申し上げたように、真っ白な、無垢な状態で生まれてくる子供たちは、無条件に与えられたものを吸収してしまう。吸収した結果、本当に国を愛し、そして世界の中で仲よく手をとり合って生きていける日本人は育つのかということはちゃんと考えなきゃいけないと思います。
 ですから、大臣は今回、この三位一体の改革の問題については本当に勇気のある行動をとっていただきました。大臣にお願いしたいのは、この近隣諸国条項をぜひ削除していただきたい。削除するのが無理なら、あるべき姿にきちっと戻していただきたい。こんなこと書かなくたって、周辺諸国と仲よくやっていけますよ、私たち若い政治家は。このことについて大臣がどのようにお考えになるか、御意見をどうぞ大臣からお願いします。
中山国務大臣 
 文部科学大臣としてやれること、やらなきゃいかぬこと、しっかりわきまえておりまして、私は今、義務教育といいますか教育改革に全身で取り組んでいるところでございます。この歴史認識の問題もあるわけですけれども、それよりも何よりも、本当にこれからの子供たち、いかにたくましく生きていける土台をつくってやるか、そういうことに専念しているわけでございまして、その中には、先ほども申し上げましたように、やはり日本人として自信と誇りを持てるような、そういう教育をするということが基本でございます。
 それ以上のことを言いますとまた問題になるかもしれませんので、これはもう、この辺までにとどめておきたいと思います。
江藤拓代議士
 先ほど申し上げましたように、文部科学省は、教科書問題が起こったときには毅然とした態度をきちっととっているんですよ。できるだけ客観的な表現をとるんだ、不確実な数値を断定的には記述しない、事実を正確に表現する、きちっと反論しているんですよ、昭和五十七年当時。このときにやはり立ち戻ることが肝要だろうと私は思います。
 あと残り時間が一分少々になりましたので、最後に、ロケット打ち上げ成功、おめでとうございます。本当にありがとうございました。やはり日本が、北朝鮮の問題も考えながら、これからたくさんの衛星が後に詰まっていますので、これからさらに研究を進めていただいて、残念ながら、能力は一〇%落ちたであるとか、諸外国との打ち上げの経費では全然太刀打ちできないとか、まだ解決すべき問題はたくさんありますので、科学技術の面でもぜひ御努力いただきたい。
 そしてもう一つつけ加えるなら、今回一番ほっとしているのは、実は打ち上げが延期されなかったということです。これは、延期されると周りに漁に行けないんですよ。今一番魚がとれる時期なんですよ。一番いいときなんですよ。この時期に一日でも延期されると大変な損害ですから、今回、直前に一時間ぐらいおくれたでしょう、またこれは延期になったらどえらいぞと私はびくびくしたわけでありますけれども、やはり日程どおりにきちんと、周辺の漁業者に説明した日程どおりに、つつがなく今後日本の国産ロケットが打ち上げられますことを最後にお願い申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
渡海主査
 これにて江藤拓君の質疑は終了いたしました。


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