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  ---国土交通委員会----                  平成16年4月7日開催
今村委員長代理 

 江藤拓君。

江藤拓代議士

 江藤拓でございます。
 私の田舎は宮崎県でございまして、御存じのとおり私のおやじは江藤隆美でございますけれども、きょうはちょっと、民主党をまねたわけではありませんが、プレートをつくってまいりました。いかに宮崎県が恵まれていないかということを委員の皆様方にもう一度御認識をいただきたい。特に、担当御当局、大臣にもう一度御認識をいただきたいと思います。
 これが、赤線が現在供用を開始しております高速道路であります。私の地元はここであります。何にもありません。何にも、何にもないんです。何にもありません。
 私たちがしかし、それでは高速道路の運動をしなかったのかというと、決してそういうことではありません。私のおやじが県会議員の時代から高速道路期成同盟会というのはありました。ですから四十五年はさかのぼります。ですから、宮崎県民は四十五年の長きにわたって待っておりました。そして、ようやく順番が回ってきたな、よかったなと思ったら、この民営化という話になりまして、それで、大臣にも随分私のおやじはひどいことを言ったようでありますけれども、その段は平にお許しをいただきたいと思います。
 しかし、このたび、やはり政治というのはすばらしいものだというふうに思っております。
 いろいろな諸先輩方の御議論の中で、ちゃんと宮崎の方も高速道路をつくっていただける。西都から門川までは道路公団方式できちっとつくっていただける。残りの区間も新直轄ということで大変厚い予算措置をしていただきました。そのことにつきましては厚く御礼を申し上げます。
 きょうここに立たせていただきまして、先週この国土交通委員会に配属をさせていただいたばかりなんでございますけれども、いろいろ今まで私たちと一緒に運動を進めてきた地元議員の先生方や、それから民間の方々、女性の方々も、高速道路がないということで本当に大変だと。もう切迫流産が迫っているのに病院まで一時間もかかってしまう、そして命を落とした女性もいるわけであります。
 北川町の矢野さんとか北浦町の奈須さんとか、そういう女性の方々が何度も何度もこの東京まで足を運びました。みんな私費ですよ、自腹を切ってやってまいりました。私の地元の日向の商工会頭の日高さんやら、それから延岡の会頭の清本さんたちも、一生懸命みんな自腹を切って努力をしてきました。これは、単に政治の努力だけではなくて、政治と民間の皆様方が手を握り合って長年努力をしてきた、その成果だというふうに思っております。
 そして、質問に移らせていただきたいと思うのでございますが、まず大臣にお伺いをいたします。
 決して中野先生の御意見に反論するわけではございませんが、私、国鉄民営化は確かに大成功をおさめております。すばらしい大改革で、今の時代まで続けていたら五十兆円にも上るそういう債務を抱えたということも、確かにそのとおりでございます。
 しかし、その松田さんに対して、私も一言実はございまして、あの方は、まるで自分の経営手腕がすぐれていたから、JR東日本はこれほど優秀な会社になったと言わんばかりの論を民営化委員会の中で展開されておられますけれども、傍聴席の方々にはぜひ聞いていただきたいと思いますが、皆様方の税金を二十四兆円国鉄には注ぎ込んで、そしてきれいな体にして、松田さんは受け継いだのであります。
 じゃ、道路公団はどうだったんであろうかということを考えますと、道路公団は、確かに債務はありますけれども、きちっと返済の見込みも立っておりました。そして、きちっと利益も上げて、その利益の部分で新規の高速道路網を整備してまいりました。
 そういう中で、今度、私がお願いしたいことは、三つに道路公団が分割されるわけでございますけれども、西日本の方は正直言って非常に厳しいです。これは、国鉄民営化でちゃんと証明されていることであります。
 平成十四年度のJR各社の収支状況を教えていただきました。これを見てみますと、確かに、東日本、東海、西日本は長期債務をしょっていますから若干ハンディはあるとはいいながらも、それでも大変な利益を上げています、三千億、三千二百億、一千億とですね。では、北海道、四国、九州はどうなっているかということを見てみますと、営業損益では平成十四年度でもまだ赤字という状況がいまだに続いております。
 こういうことを考えますと、三つに分割した場合、西日本は非常に厳しい状況に追い込まれるんじゃないかということが容易に想像されると私は考えます。
 もちろん、高速道路、この三つの会社で上がった利益は、保有機構が全部お金を吸い上げて、そして借金の返済に回すということですから、財布は一つという言い方もできるのかもしれませんけれども、ただ、私が非常に心配をしますのは、新会社が直接携わる新しい路線の建設、そういう場合に、もうかっている会社は非常につくりやすい、もうかっている会社はですね。だけれども、西日本のようなところは、利益が出ていないんだから、つくることは、それは分不相応じゃないかというふうに言われてしまうと、ますます西日本のエリアの我々は取り残されていくような気がしてなりません。これは宮崎県民共通の不安であります。
 そこで、これは先生方諸先輩にはしかられてしまうことかもしれませんが、平成十五年で一千三百億、十六年で一千七百億、そして次年度からは二千億の規模をもって新直轄をやっていくわけでありますけれども、やはり、採算が厳しくて、しかし、必要である道路は、正直、西日本に多いです。均等にコスト・アンド・ベネフィットという感覚で割りますと、なかなか西日本に回ってくる分も少ないのかもしれません。
 しかし、新会社が手をつけられないということであれば、ぜひともこの新直轄の部分を西日本に手厚く配分していただきたいということを、私は九州の代表として、宮崎県の代表として、大臣そして道路局長にお願いをしたいと思いますが、この点について、大臣もしくは局長の御所見をいただければ大変ありがたいと思います。

佐藤政府参考人

 私の方からは、先生、三社に分割して大丈夫か、こういう御指摘でございますので、その辺について申し上げさせていただきたいと思います。
 民営化に当たりまして、道路公団は三社に分割して設立させていただいて、その際、金利や交通量の変動リスクに的確に対応するという点と利用者の利便性確保、このような観点から、高速国道にかかる基本的な料金基準と債務の返済期間、これは当該三社間でそろえるということで、機構において債務を一体管理する。ですから、債務を返す時期といいますか、逆に申し上げますと、料金をいただく時期というのはみんな一緒にやっていただく、こういうことであります。
 これらの債務につきましては、運用上は、新規に建設する分だけではなくて、既存の高速道路の債務につきましても三社に配分して、それぞれの会社がみずからの料金収入で返済する目標を設定させていただく。逆にいいますと、債務を最初の段階で調整させていただいて、そして、将来の料金収入、貸付料を決めていただいて、そして、ちゃんとみずから貸付料をきちっと支払いながら新規の建設もやれる、こういう姿形を想定しているということであります。
 このように三社間の債務の返済期間をそろえるため、民営化に当たりまして、収益力の異なる会社ごとに、当該会社による新たな高速道路の整備も踏まえまして、負担すべき債務の額を設定する。この結果、各社間の採算性、債務返済能力、こう申し上げればよろしいのかもしれません、については、おおむね同等となるように措置する、こういうことであります。
 そして、今般のこの民営化スキームに基づきまして、地域分割するということで、同じような返済能力をまずベースにしながら、各社間の競争性を向上してコスト意識を向上していただく。さらには、地域の実情に即したサービス提供を充実する、こういうことであります。
 仮に、同等の経営努力が行われれば、各社とも必要な道路の整備は可能であり、また、各社の業績もおおむね同等になって、設定した料金の徴収期間、機構で申し上げれば、四十五年以内に解散する、こういうことになっておるわけでございますから、予定どおりいけば、それぞれが同時に返し終えて解散する、こうなるわけでございます。
 問題は、出発条件は一緒にそろえるわけでございますが、その途中に、経営努力の大小によりましてプラス、マイナスが出てくる。こういうようなことが顕著になった場合には、それぞれの会社の経営責任、こういうものもきちっと世の中にお示しするわけでございますので、貸付料をどのぐらいお払いします、新規建設どのぐらいやる、これも世の中に明確にしながら経営をやっていっていただくということになりますので、うまくいかないという場合には、会社の経営力が問われる、会社の企業経営者の努力も問われる、こういう問題になってこようかと思いますので、一生懸命競争していただくということだと思っております。

江藤拓代議士

 大変に御丁寧にお答えいただきまして、ありがとうございます。
 しかし、どうも、私が感じますに、努力をしたくても、ついているエンジンが違うような気がします。西日本の方は五十ccのエンジンの原付バイクで、もっと真ん中の方は千ccで、もっと上の方は二千ccとか、それぐらい差がついているので、一概に、利益が出ていない、だから努力が足りないというふうにがつんとやられてしまうのであれば、だれも社長のなり手はいないんじゃないかなという気はいたしますけれども、次もいろいろお聞きしたいことがあるので、これでやめます。
 続きまして、高速道路建設、どういう順番でやるかということで、大臣のお話も何度もお聞きしました。コスト・アンド・ベネフィットということで、厳格な規定を設けてやるというお話を伺いました。
 よくよくお話を聞いてみましたら、私、非常に不勉強を恥じるわけでありますけれども、このコスト・アンド・ベネフィットというのは、どうも、利用者がこの高速道路を利用した場合にどれだけの経済的な効果が上がるかということに主眼を置いているということであって、その高速道路ができたことによって、その地域がどれほど浮揚されるか、どれほど上がってくるかというようなことも、確かに病院までの距離とか、そういうものも勘案しているということでもありますので、全くそこを無視しているとは申しませんけれども、何点かぜひ御指摘をさせていただきたいことがあります。
 私の地元で椎葉という落人が落ちていったところですから本当の山奥なんですけれども、その隣に、山を一つ越えますと五ケ瀬という町があります。この間に二千七百七十七メートル、国見トンネルというトンネルを掘りました。これは、非常にもう経済効果は少ないかもしれませんけれども、地域住民それから地域の産業に与える影響は本当に大きいものがあります。
 今までは椎葉村でとってきた木材も、ずっと三百二十七号線をひたすらぐにゃぐにゃと下りながら東郷町まで持ってきていたわけでありますけれども、これを、今は国見トンネルを使って、こちらの方に持ってくるようになりました。そうしましたら、なんと輸送コストは三分の一、そして、大型の車も使えるということで、一遍に大量のものを運べる、そして、道がいいものですから、何回も往復できる、人件費の節約にもなる、また、環境にも優しい。
 ですから、このコスト・アンド・ベネフィットを算定することに当たって、その他の産業に与える影響というものをぜひお考えいただきたい。
 農林水産省の方でも、今回、治山関係の予算は七・四%削減になりました。しかし、そんな中でも、山を守らなきゃいけないということで、緑の雇用ということで、新規七十億円予算をつけてことしからやります。それから、京都議定書なんかで、一一・二%の二酸化炭素のうちの三・九%を山で吸収してくれというふうなこともありますし、国交省でいえば景観緑三法ということで二百億の予算をつけてことしから始めるわけでありますから、高速道路や道ができたことによって、その地域がいかに守られ、その文化がいかに守られ、そしてそのことが実は国益につながっているんだということをぜひここで主張をさせていただきたいと思っております。
 そしてまた、そのコスト・アンド・ベネフィットの問題のときに、病院までの距離とか利便性の問題も勘案されているというお話を伺いましたけれども、果たしてその病院がどの程度のレベルの病院なのか。私たちの地元でいいますと、私の選挙区には三つ市があります、延岡市、日向市、西都市。延岡市に緊急病院がたったの四つ、日向市はたった二つ、ここに私は住んでおります、西都市にたった三つ、児湯郡には二つしかありません。
 そして、ほとんどの病院は高度医療には対応できないということになれば、百キロぐらい離れた宮崎市の国立大学病院にまで患者を運ばなければならない。これがもしお盆の時期に重なったら、ここにありますけれども、これは国道十号線というのが通っているんですが、片側一車線通行です、片側一車線。追い越すこともできない、追い越すこともかないません。ですから、道路交通網が整備できていないということで亡くなってしまった方も今まで数知れずあるということを考えると、政治家の一人として非常に皆様方に申しわけないという気持ちもするわけであります。
 ですから、もう一度、もしできることであれば、このコスト・アンド・ベネフィットというものは、その地域に与える影響、それから、私の地元なんかは過疎化が激しいんです。高速道路ができると、その地域に若い人が定着することも実はできるようになります。過疎化対策ということで、その過疎率を、過疎をいかに食いとめるかということで、こういうことももし、もしというよりもぜひとも、算定の基準の中に加えていただければ、地方に住んでいる人間は非常に希望を持ってこれから事に当たっていけるんではないかと思いますので、これは道路局長、ぜひ御回答というか御所見を賜りたいと思います。大臣、お願いします。

石原国務大臣

 まず冒頭、お父様には大変御指導いただきまして、私の都知事と盟友でございまして、ひとつよろしく御指導を江藤拓先生にもお願い申し上げたいと思います。
 それと、若干、ちょっと誤解があると思うので御説明させていただきたいと思うんですけれども、費用対効果、いわゆる費用対便益のところの指標というのは三つなんですね。すなわち貨幣価値に換算できるもの、例えば走行時間短縮というのは、これはわかりやすいですね。それとか、それだけの距離を走るのにかかる値段が幾ら安くなったか、あるいは交通事故がどれだけ減ったか、こういうたった三つの貨幣価値に換算できるもので費用対便益は出しています。
 その一方、後段、委員が御指摘されました、私どもは費用対便益とは別に外部効果ということでくくらせていただいたんですが、その指標ですね、十六あるんです。これを説明させていただくと御安心いただかれると思うんですけれども、ただ、まず言われた、農産物がトンネルを通ることによって、より安く、より鮮度のいいものが輸送できるようになったみたいなものは地域経済という形でくくらせていただきまして、高速道路へのアクセスが容易になり、農林水産品の流通の利便性が向上する、こういうくくりをさせていただいています。さらには、物流拠点へのアクセスが容易になり、農業立地を振興する、こういう指標でもしっかりと評価をさせていただいております。
 また、安全についても御言及がありましたけれども、並行する緊急輸送道路で冬期交通障害や異常気象時に通行規制される、すなわち、国道十号でございますか、そういうものがだめになったときには代替道路があるのかないのか、こういうことも指標として評価させていただいておりますし、さらには代替道路自体があるのかないのか。そういうもの、すなわち、費用対便益と採算性と外部効果、こういうものを全部合わせまして、この残りの未供用の二千キロについては評価基準をつくらせていただいたわけでございます。
 ちなみに、委員のお住まいのところのちょっと北の北川のところから県境をまたいで、宗太郎峠ですか、大変険しい、あれをまたいで大分県の蒲江に行く道路につきましても、実は有料道路のBバイCは一・二三、すなわち有料道路でつくってもBバイCが一以上ですから、公共事業としてはいいわけですけれども、安藤知事さんとか広瀬知事さん、あるいは江藤先生たちのお話を聞かせていただいて、じゃ、無料でつくったらどうなる、すなわち新直轄でつくったらどうなるということでBバイCの計算をしましたら、これが一・二三から三・三三、どんとはね上がるわけですね。すなわち、採算性等々は低いかもしれませんけれども、今委員が言われましたような外部効果を中心にやっていくと社会的には必要な道路であるということがはっきりした。
 そうしますと、一・二三と三・三三の評価はどちらが上かといったら、三・三三の方が上ですから、つくるという順位も早くなってくるし、利用する人たちにとってもそちらの方が都合がいい、こういうふうに新直轄を整理させていただいて、二十七区間六百九十九キロですか、前回の国幹会議等々でくくらせていただいた。
 そういう中で、真に必要なものをできる限りコストを下げてつくっていく。まだ、BバイCにしましても、じゃ、ここのコストをもうちょっと知事さんとか地元の方々がアイデアを出して下げれば、分母が小さくなりますから、数字が大きくなって優先順位が先に来る、こういう地域間の競争によってスピードアップして整備していくということが肝要なのではないかと思っております。

江藤拓代議士

 ありがとうございます。
 外部要因があるということはもちろん承知はしておるわけでありますけれども、今回既に予算措置がされた区間については、この間、佐伯に大臣もお越しをいただきまして、ありがとうございました。
 そのときもBバイCのお話もお伺いしまして、実は、先ほどは言いませんでしたけれども、ここから横断道路というのが実は控えておりまして、ここはまた新たな話になっていきますので、後ほどお話をさせていただきますけれども、この一万一千五百二十キロの方にかかってくる話なものですから、その辺のことをちょっと指摘をさせていただいたような次第でございます。
 それで次に移らせていただきますが、実は、これは、この間の衆議院の本会議で岩國哲人議員が御発言をされました。私、最前列なものですから、聞いておりましてとても奇異な感じがしたわけでありますけれども、先ほど先輩議員からお話がありましたように、もう高速道路はつくらないというお話を、むだな道路はもうつくらないというお話を民主党は主力として主張されているというふうに伺っておったんですが、議事録もちょっといただいてきたんですけれども、これによりますと、「採算性と利用度の低いD区間からではなく、高いA区間から整備を始めるべきです。」という御主張をされているわけであります。
 ということは、まだ民主党案ははっきりしたものがわかりませんけれども、これはやはり、民主党としても、まあ、道路特定財源とかそういう部分を使ってという意味かもしれませんけれども、道路をつくるということには多分御理解をいただけているんじゃないかなという印象を持ちました。
 そして、その中で私が非常に心配なのは、例えば阪神・淡路大震災とか、ああいう大災害が起きたときには、国民の生活を早く復旧させるために、一刻も早く、迅速に、的確に災害復旧を行うということが当然これは求められてくるわけでありますけれども、しかし、料金を無料ということでありますと、その辺の財源というものをどういうふうに考えられているのか、私はよくわからないんですが、民主党のお考えと我々自由民主党の考えの間には大きな差があるということを改めて感じるわけであります。
 これは局長に、この民主党案の無料化が実現された場合に、果たして、高速道路、私たちが、先ほど申しましたように、三十年も四十年も待っていたものがきちっとある程度のスピードで整備がされ、そして大きな災害その他が起こったときに、国の責任としてこれらに対応することが果たして可能なのかどうか、御所見を伺いたいと思います。

佐藤政府参考人

 民主党がお出しになられるであろう案について、まだ具体的なものを御提示いただいていない、こういう段階でございますので、またそういうものをいただけましたら具体的な検討をさせていただきたいと思いますが、基本的には、一部地域、首都圏、阪神圏は除いて高速道路を無料化して、租税、一般会計で返済財源を求める、こういうことだと理解しております。
 当面は建設国債をお出しになってというふうにも聞いておりますので、そういう意味では、では、それの実現可能性がいかがなものか、こういう議論になるわけでありますが、道路予算のうち公共事業で使わせていただいております国費は三・二兆円でございます。民主党のお考えでは補助金制度は廃止する、こういうことでもありますし、また、この三・二兆円の中の直轄国道の国費と一部有料道路に充てています国費、これが合計で一・七兆円あるわけでございますが、この中で、いずれにしても、補助に回しています国費に期待するんじゃなくて、この一・七兆円の直轄を主体にした国費の中でいろいろ考えていく、こういうことが必要になろうかと思います。
 この場合、一・七兆円の国費でどういうことができるか、こうなるわけでございますが、これを債務の返済にそのまま回すと、これは一切新規の建設は高速道路も直轄国道もできない、管理もできない、こうなるわけでございます。
 それは、当面は国費を直接返済に回すのではなくて、何らかの、建設国債等でそこは手当てしておいて、一・七兆円の分の直轄の国費は直轄国道の整備あるいは管理あるいは高速道路の整備、管理に充てる、こういうふうな前提で考えますと、例えば高速道路で考えますと、既存の高速道路の四公団合計の維持管理費が恐らく少なくとも〇・四兆円はかかるであろう。そして、四公団が行っております高速道路の建設等あるいは修繕等、こういうところに充てますと一・三兆円でございますので、そのままやりますと一・七兆円で、事業費、国費の問題はありますが、おおむねそちらの方に国費が回って、一般の国道の整備、管理はできない。
 逆にまた、一般の国道の方の維持管理や整備に回す、こういう前提でいきますと、これが、管理費が国費〇・四兆円の、整備が一・一兆円ぐらいやっておりますので、そこの事業を継続するとなると、おおむね一・五兆円でございますので、これもまた高速道路の方の管理あるいは整備ができない、こういう形になろうかと思っております。
 加えまして、災害発生時に大きな追加的な予算が必要となる、こういう場合には、新たな財源なしには十分な対応を図ることは不可能になるんではないか。災害復旧費ということで支弁し得る範囲、これはやはり限度がありまして、多くの場合、災害復旧そのものと、そして、それに付随して前後をきちっと更新するとか補修するとかいうことが必要になってまいりますので、そういう意味では、災害復旧につきましても、大規模なものが出た場合には、これを十分に実行するということはなかなか厳しい状況になろうかということであります。
 そういう意味では、政府で今回お願いしております民営化案は、必要な高速道路の整備、管理は安定的な料金収入によって実施することが可能であるわけでありますし、それから、災害発生時の対応につきましては、会社が復旧工事を行う一方で、機構が国等からの助成を受けて復旧に要する費用を会社に対して無利子貸し付けを行うといったような形のものも用意してございます。
 全体の国の予算、繰り返し申し上げますが、直轄に充てられている公共事業の国の予算一・七兆円、これは直轄国道の整備、管理に活用しながら、一方で、有料道路の活用も債務の返済が十分可能な範囲でまた引き続きやらせていただく、こういうふうな両立をすることが大事なことだと私どもは思っております。

江藤拓代議士

 大変ありがとうございました。
 もう本当に民主党の中がいかに自己矛盾に満ちて、いかに選挙目当ての耳ざわりのいいことだけを言っているかということを繰り返し繰り返し明らかにさせていただいたような気がして、大変ありがたいことだと思っております。
 さらに御質問させていただきますが、昭和四十一年に国土開発幹線自動車道七千六百キロが設定されたわけでありますけれども、昭和六十二年六月の四全総の閣議決定を経まして、その年の九月に約二十年ぶりに三千九百二十キロ加えまして、一万一千五百二十キロの路線が設定をされたわけであります。
 その前の年まで私の父も建設大臣を当時務めておりまして、この三千九百二十キロの新規の追加につきましては、当時の藤井道路課長ですか、あのときは、大変な御協力をいただいて、すばらしい案をつくらせていただいたわけであります。
 私もおやじの後を受けまして政治家にならせていただきまして、今まではどうも九三四二ばかりが話題になりますけれども、私としては、どうしても一万一千五百二十キロ、これを何としても整備するということに目標を置いて、今後この委員会の中で活動させていただきたいというふうに思っております。
 そして、三月十五日の参議院の民主党の議員の質問に大臣はお答えになって、九三四二からはみ出た一万一千五百二十キロの部分については、法整備も特に要らないので、新直轄でぜひ対応したいという御所見を御披瀝いただいたというふうに聞いております。
 大変これは宮崎県民にとっても、特に、先ほど申しましたここは多分新直轄になるであろう、横断道路は新直轄になるであろうと思われる区間ですので、非常に宮崎県民は大臣の御発言を受けまして力を強くしたわけであります。これは政治の判断としてはそういう御判断をいただいた、非常に感謝をしております。
 そこで局長、お伺いしますが、今度は実務を担当されるお立場として、大臣の言うことはごもっともだ、それでいくぞという御決意まで御披瀝をしてくださいとは申しませんけれども、ぜひその方針に従って、やはり石原大臣が何といっても最高責任者であられるわけですから、大臣の御指示に従ってこれからやっていきますというような御答弁を賜れれば、いい土産話ができるなと思うわけでありますけれども、どうぞよろしくお願いいたします。

石原国務大臣

 個別路線の話はできませんので、法定予定路線について、一一五二〇と言われるものについてのことなんですけれども、これは今の段階では、いつ、だれが、どのような手法で、どんなルートで整備するかということは未定であるというところでございます。今後整備を進めるに当たっても、九三四二のときには要するに六兆五千億コストを削減いたしましたのと同じように、不断の見直しをやはり行っていかなければならないんだと思います。
 しかし、委員御指摘の道路は九州にとりましてきっと重要な道路でありましょうし、また、私の身の回りですと東京外環みたいな重要な道路がありますけれども、これも実は、だれが、どういうふうに、どういうルートでということはまだ決まっておりません。
 いずれにいたしましても、今回の残存事業の二千キロで行ったと同じような厳格な評価を実施して、事業の着手いかんはその結果次第である。ですから、一一五二〇のところについても、もう一回徹底的な評価というものを行っていくことが私は必要だと思っております。

佐藤政府参考人

 ただいま大臣が申し上げたとおりであります。
 私どもといたしましては、この一万一千五百二十キロと九千三百キロの間、約二千キロあるわけでございます。このうち、並行する国道のバイパス整備等で千キロ近くは供用したり事業もしたりしております。
 いずれにしましても、この残った区間につきまして、引き続きの調査を十分行いながら、その整備の緊急性なり必要性なりあるいはまたルートなり、そうした調査を引き続き続けておるところでございます。しっかりとした事業評価を行いながら、一歩一歩前に進んでまいりたいと思っております。

江藤拓代議士

 私は自由民主党の議員でありますので、余り追及するようなことはいたしませんが、ぜひ私が先ほど申し上げたことを、もう一度繰り返すようなことはいたしませんけれども、私が特に思いますことは、今三位一体の改革であるとか、それから市町村合併であるとか、もう正直言って地元にとっては厳しい話ばかりであります。農産物の価格もそんなにいいわけではない、それから水産物の価格でも材木の価格でも同じです。
 宮崎県民にとって今何が一番の夢であり、将来に希望を託せる、その希望の礎であるかというと、正直言ってこの高速道路なんです。この高速道路があれば、我々はああいうこともしたい、こういうアイデアもある、こういう展望も開けるじゃないかと、いろいろなアイデアを若い青年たちがたくさん聞かせてくれます。
 ですから、もちろん新規路線について大臣の方から明確なお答えをいただくことはこの段階では難しいかもしれません。それでも、やはり私としましては、ぜひともこの点を心の真ん中に据えていただいて、端っこではなくて真ん中にとどめていただいて、前向きな姿勢で事に取り組んでいただきますように、改めてお願いをさせていただきたいと思います。
 それでは、次の質問をさせていただきたいと思いますが、何度も御質問あったかもしれませんけれども、新会社の料金設定のことについてお尋ねをいたします。
 利潤を見込まない、その分につきましては通行料金を下げるという方法で対応したいというお話を伺いました。私も、もし株を買うとすれば、その会社が頑張って将来利益率がどんどん上がっていって、どんどんもうけてくれる会社であれば、その会社の株はぜひ買ってみたいと素人考えながら思うわけでありますけれども、いろいろ経営努力をして、いろいろなことをしても、利益の部分は保有機構がぽっと持っていってしまう、さらに利益の部分を料金の圧縮に使われてしまうということであれば、その株式を公開したときに、特に一般投資家の皆さん方にとってこの会社がどれほどの魅力があるものであるかということは、正直言って疑問があるわけでありますが、この点について、局長、ぜひよろしくお願いいたします。
    〔今村委員長代理退席、委員長着席〕

佐藤政府参考人

 料金に利潤を含まない、こういうことであれば、民営化会社の株を購入するような投資家はいないのではないか、こういう御指摘でありました。
 高速道路の料金につきましては、料金そのものに対して利潤を見込むかどうか、これにつきましては、高速道路が国民共有の財産でありまして、債務完済後も含めまして、料金そのものに対して利潤を乗せる、これは問題があろうかということで、乗せないことにさせていただいております。
 仮に利潤を乗せるとしますと、料金の引き上げにつながる。会社の利益にはなるかもしれませんが、料金の引き上げにつながるということで、国民の不利益になる。
 利潤が得られるようなことであるのならば、債務の早期返済や料金の引き下げに充てるべきだ。あるいはまた、新規建設も続けるわけでございますので、そうしたことも含めて機構の方で考える、こういうことだと思っております。したがいまして、料金に利潤は含めない。
 しかしながら、では、関連事業だけで本当に株が上場できるような事業ができるのか、こういうことであります。
 日本道路公団のサービスエリア、パーキングエリアにおける売上高は、テナントの売上高でございますが、現在総額で約三千五百億円であります。これらを、民営化におきまして、従来の公団に対する業務範囲、内容等に関する制約は大幅になくして、関連事業の許可制を廃止して事前届け出制を採用しておりますし、サービスエリア、パーキングエリア事業につきましては届け出も不要。こういうことでありまして、自主的な会社の経営センスを十分発揮していただくことによって、関連事業から利益を確保することは可能かというふうに考えております。
 また、会社の方で建設、管理、これをするに当たりましては、例えば建設費の縮減であるとか、あるいは管理費の縮減であるとか、そうしたことが会社の業績に反映し得る、こういうような仕組みにもしようということで、具体的には機構と会社の協定の問題にはなりますが、そのインセンティブそのものは付与して、そして企業努力をしていただくという、そこの部分は機能をするような形で協定の話し合いを進めてもらおう、こういうふうに思っております。

江藤拓代議士

 この間、初めてこの委員会に参加させていただいたときに近藤総裁がお見えになっていまして、それで関連事業のお話を確かにされました。インターチェンジとかサービスエリアとか、高速道路ネットワークを利用してブロードバンドにもぜひ将来的には参入することも考えているというようなお話もありました。
 しかし、私が考えますに、大店法が改正されまして非常に地域に大型店舗が進出してきたことによって、私の地元でも商店街はもうシャッター通りと言われるような事態に実は追い込まれております。もし新会社がインターチェンジの周りをばっと土地を買って、アウトレットとか大型店舗とかボウリング場とか、そういう複合施設でもつくられたら、これはもう地元の商店街は上がったりになってしまいまして、それは会社はもうかるかもしれませんけれども、地元にとってはこれはもう迷惑千万。
 確かに、消費者サイドに立ってみればありがたい部分もあるのかもしれません。しかし、株式まで公開した企業ということであれば、利益を、いかに利潤を上げていくかということを追求することについては一定の歯どめをかけるということは難しいのかもしれません。ですけれども、私が申し上げたいのは、もうかったら料金を下げる、それもある程度考えた方がいいんじゃないか。それから、保有機構が利益はみんな吸い上げてしまう、これもちょっと考えた方がいいんじゃないか。
 というのは、やはり働く喜びというものは、自分が一生懸命働いて努力をして、会社がもうかった、会社がよくなった、それでおれの給料は上がった。だんだん、倍にはならなくてもいいですけれども、特殊な経過期間でしょうから、それにしましても、やはり新しい会社の中で頑張っていくその社員の人たちやそういう人たちが、ぜひとももっと頑張ろう、さらに頑張って、国民の期待にこたえながら会社の利益も上げていこうということを考えていかなければならないと思います。ですから、そのインセンティブを上げていくということがとても大切ではないかというふうに思うわけであります。
 時間がなくなりましたのでまとめてお話をいたしますが、それから、現在は高架下を自治体が貸していただいて、ただで使わせていただいているわけであります。非常にいろいろな公園になっていたり有益に使わせていただいているわけでありますけれども、これは国が最初は一〇〇%保有ということでありますけれども、いずれは三分の一以上ということになるわけですが、国が株を持っているにしても、一般の投資家も株を有しているということになれば、その高架下をもしだれかに賃料を取って貸せば利益が上がるじゃないか、もう貸した方がいいじゃないかという人もいると思うんです。
 だけれども、自治体の立場に立ってみれば、今まで子供たちが遊んで集っていたその公園を、民営化したからといって返せと突然言われても、そんなことにはなかなか応じることは難しいわけでありまして、これはもちろん今この場で議論することではないかもしれません。しかし、ある程度民営化された後に、高架下の問題とかインセンティブの問題とか、そういうものについてどのようにお考えなのか、局長の御所見をぜひお願いしたいと思います。

佐藤政府参考人

 二点お答え申し上げたいと思います。
 一つは、インセンティブの問題でございます。
 これにつきましては、管理の問題で申し上げますと、会社と機構は協定を結んで、その協定の前提は、料金収入から管理費を引いて、貸付料を会社が機構に支払う。これは、年度ごとにあらかじめ固定しておこう。年度ごとには変動するわけですが、それをあらかじめ固定する。そうしますと、料金収入も多少ぶれるかもしれませんが、努力をすれば、管理費の方は下がる。同じ管理をしながら、効率的管理をして管理費が下がる。
 そうだとすると、貸付料は一定でありますから、料金収入も一定と仮定しますと、管理費を下げた分だけは余剰が出る。この余剰が出る努力というものは、インセンティブとして頑張っていただく。ただし、サボってマイナスになってしまうということになれば、会社としては赤字になりますから、ここは一生懸命やっていただく、これが大事なことだと一つは思っております。これはインセンティブです。
 その場合に、いつも多額の余剰が出るようでは、これまたもうけ過ぎということにもなりますので、一定期間でよくよく見ながら、両方で相談していただいて、引き上げるかどうか、こういう議論も時間の経過の中でやっていただく、こういうことかと思っております。
 それから、高架下の問題でございますが、高架下の占用につきましては、機構が道路資産を保有する、こういうことになりますので、高架下の利用については機構が許可を出す、こういうことになります。
 そういう意味では、会社によって独占的に使用するとか、あるいは不当な使用料金の設定がなされる、こういうことがないように機構でしっかり見る。それから、自治体による使用そのものは、その公共性を踏まえると、恐らく、恐らくでございますが、これは個別に考えなきゃいかぬわけでございますが、引き続き無償として供用していただく、使っていただく、こういうことも考え得ることかと思います。一つ一つのケースを見ながら有効活用を図ってまいる、こういうふうに考えております。

江藤拓代議士

 ありがとうございました。
 もうちょっと掘り下げて聞きたいんですけれども、時間がありませんので、最後の質問になると思います。
 小泉総理は、ビジット・ジャパンということで、観光立国を目指す、一地域一観光ということを非常に高らかにうたい上げられまして、この間、国交省に行きましたらバッジが置いてありました。地元の人を連れていきましたのでみんなに差し上げたら、大変喜んで持って帰られました。
 それでまた、農林水産省なんかでも、今グリーンツーリズムと申しまして、規制を緩和して農村で民宿業務をやれるようにしようとか、観光立村とか、いろいろなことを進めております。
 先ほど指摘しましたように、国土交通省の予算の中でも、景観緑三法ということで二百億近い、二百億ちょっとですか、予算を組んで、いろいろな事業を進めていただいております。
 しかし、そのことは結局どういうことかといいますと、うちの宮崎県というところは、昔は、フェニックスハネムーンと申しまして、観光客がたくさん来ておりました。呼ばなくても来ておりました。修学旅行もたくさん来ておりました。ところが、来ません。それはなぜかと申しますと、すべては高速道路がないからなんです、結局のところは。
 いいところはたくさんあるんですよ。いっぱいあります。たくさんあるんですけれども、結局のところ、例えばシーガイアに行って、そこから高千穂峡に行こうと思ったら四時間かかってしまう。長期滞在型のリゾートが定着していない日本においては、どうしてもやはり短い時間で距離を克服して、少しでも多くのところを見たいというのが正直な観光客の要望であります。
 時間が過ぎてしまいましたので、このビジット・ジャパンというものを実現することは国の施策として極めて正しいことだと思っておりますので、ぜひ大臣に、閣内の一角にあって、この観光立国を実現する上で、その御所見と御覚悟、それに加えまして、そのための高速道路、道路交通網ネットワークの整備の重要性について最後に御意見をいただいて、質問を終わりたいと思います。

石原国務大臣

 ただいま江藤委員が御指摘されましたように、江藤議員がお住まいの北部宮崎等々についても、歴史とか自然とか文化とか、魅力ある豊かなところが多々あると思うんです。
 例えば、延岡ですと、最近は水の郷と言っているんですよね。あるいは、西都の西都原古墳群、そんなものもあるわけです。しかし、それが点と点で、線で結ばれていない。日本の観光地はそういうことが多いと思います。
 例えば、二〇〇五年に愛知で万博をやりますけれども、あの周りにも万博以外のすばらしい観光資源というものはあるんですけれども、時間距離でいいますと、地図の上ですと本当にすぐなんですけれども、なかなか行くことができない。
 先ほども申しましたけれども、これからの道路の整備の進め方というのは、やはり客観性をどうやって高めていくかということが重要ですので、費用対便益、採算性、外部効果、それで、外部効果の中で観光というファクターもやはりこれから取り入れていかなければならないと思いますし、もう既に外部効果の中にこういうものを入れさせていただいております。
 例えば、さっき申しましたように、複数の主要観光地点の連絡による広域的な観光産業への発展の貢献、一カ所じゃなくて、今委員が言いましたように、シーガイアから霧島の方に行くとかいったような問題ですね。それとか、高速バスの利用の利便性、これはもう間違いなく高速道路があった方が利便性は高まる。鹿児島と福岡の輸送は、今新幹線がまだ半分しかできていませんので、バスがすごい利用されていることからも明らかだと思っています。
 そういうことをいろいろ考えますと、やはり選択と集中の考え方のもとに、地域にとりまして、宮崎県は、観光としてやっていくところ、私はたくさんあると思いますので、真に必要な高速道路のネットワークの整備というものを観光の切り口からも進めていくことが重要だと考えております。

江藤拓代議士

 どうも大臣、局長、ありがとうございました。
 これで終わります。

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