戻る
  --- 予算委員会第六分科会 ----        平成16年3月1日開催
○江藤拓代議士

 宮崎県の江藤拓でございます。
 委員会も農林水産を希望いたしましたけれども、思いかなわず参加いたしておりませんので、このような機会に発言の機会を与えていただいて、非常に感謝をいたしております。
 非常に時間が限られておりますので、早速質問に移らせていただきたいと思います。
 まず、畜産の問題からお伺いしたいと思います。
 日本の農政、その中でも畜政におきましては、自由民主党が常に指導的な立場にあって、現場と十分な協議をし、現場と一体となってこの農政を、畜政全体をリードしてまいりました。
 そんな中で、私の父である江藤隆美も引退をいたしまして、そしてこのたびは山中貞則先生も御逝去されてしまいました。地元に帰りますと、今後の畜産はどうなるんだ、これからだれが畜産を引っ張ってくれるんだという不安の声が聞かれることも一つ事実であります。(発言する者あり)先生、よろしくお願いします。
 大臣にお伺いをいたしますが、これから我々は、先人が残していただいた数々の制度や遺産、そういうものをきちっと守るものは守り、そしてさらに発展をさせる努力をしていかなければなりませんが、そこら辺に当たる大臣の御所見、御覚悟のほどをお聞かせいただければありがたいと思います。
 

○亀井善之農林水産大臣

 お答えをいたします。
 その前に、今委員御指摘がございましたが、御尊父様には、大変、農林水産行政の発展のためにいろいろ私も御指導をいただきました。また、ぜひ先生にも、今後ともよろしくお願いをしたいと存じます。
 また、先生お触れになりましたが、山中先生があのように御逝去されたわけであります。肉用牛の振興を初めとする我が国畜産の発展に大変大きな功績をお残しいただいたわけであります。その御功績に感謝を申し上げると同時に、衷心より御冥福をお祈り申し上げる次第でございます。
 そういう中で、お父さんやあるいはまた山中先生はいろいろ畜産の問題に大変御尽力をいただき、我が国畜産は、農業総産出額の約四分の一を占めるようなわけでありまして、地域の雇用の問題や経済を支える大きな分野を占めておるわけでありまして、また、自給飼料生産を通じた自然環境の保全、こういう面でも重要な役割を担っておるわけでありまして、今後とも安定的な発展のためには、経営安定対策や生産性向上対策等各般の施策を重点的に総合的に実施し、畜産の振興を図ってまいりたい、このように考えております。
 食料・農業・農村基本計画と時期を同じくする今後の我が国の畜産の基本方針、こういう面でも、酪農及び肉用牛生産の近代化を図るための基本方針、この見直しに着手するなど、今後とも努力をしてまいりたい、このように考えております。
 

○江藤拓代議士

 大臣、大変な御覚悟をお聞かせいただきまして、本当にありがとうございます。
 それでは、畜産問題にかかわりまして、アメリカで起こりましたBSE問題について幾つか御質問をさせていただきます。
 私は、最近のアメリカの大変不遜な態度に非常に憤りを感じ、そして大変怒っております。
 我々宮崎県も、国内でBSEが起こるまでには、まあ、国内全体で十五トンという少ない数ではありましたけれども、Aの5等級、いい牛肉を外国に知ってもらおうということで、攻めの農政ということもありまして、輸出をいたしておりました。ところが、アメリカからは、国内に三カ所、特定の処理工場が指定されて、大変なお金もかかりました。そしてさらには、アメリカの検査官が抜き打ちにいつでも検査に来て調べをするぞという条件まで受け入れて、我々は十五トンという少ない牛肉を外国に出しておったわけであります。
 そんな状況の中にありまして、アメリカは、全頭検査をすることは絶対に受け入れない、二万頭から四万頭にふやすと。たかだかこれも全体の〇・一%にしかならないわけですから、我々が大変な苦労をして獲得してきた食の安全、安心、消費者の日本の牛肉、そういうものに対する信頼獲得のために積み上げてきた先人の努力もすべて無に帰するものであります。
 もし、アメリカが相手だということを一つの理由として日本が安易な妥協に走るということがあったとするならば、これは一つに日本の農政にかかわる問題だけではなくて、日本の外交全体に悪い先例を残してしまう。相手がアメリカであったら何でも受け入れる国なんだということになってしまうと私は思っております。
 幸い、亀井大臣におかれましては、交渉の場において決然たる態度で交渉を進めていただいておりまして、我々は大臣を大変頼りにしております。今後の交渉の見通しと、それから今後の御覚悟のほどをお聞かせいただければありがたいと思います。

○亀井農林水産大臣

 かねがね申し上げておりますとおり、二〇〇一年九月、我が国でBSEが発生をし、本当に国内すべての皆さんが大変御心配をし、また生産者の皆さん方も大変心配をされたことを私たちは決して忘れることができないわけでありまして、今回、アメリカのBSEの発生、こういう事態に至りまして、先般ベネマン農務長官とも私いろいろお話をし、私は、基本的にその日本でのことを中心に考えていかなければならぬ、このことは決して忘れることのできないことであると。
 そういう面で、消費者の皆さん方も安全、安心、このことを十分御認識いただき、あの当時三割にまで減少した消費が今九割を超える、また今日もその状況が変わっていないわけでありますから、そういう面で、国民の健康保護を第一に、食の安全、安心、このことを貫き通して、米国におきます屠畜場におきますBSEの全頭検査、そして特定危険部位の除去、この我が国と同じ基本的なことをやるということが基本でありますので、このことをこれからもさらに向こうに主張し、その対応に努力をしてまいりたい、こう思っております。
 

○江藤拓代議士

 大臣、大変ありがとうございます。大変心強い御発言をいただきまして、今の発言を全国の畜産家、農政にかかわる人間が聞けばさぞ喜ぶだろうと思います。本当にありがとうございます。
 さらには、畜産の問題では、酪農の問題では、これは政治の関与する問題ではないという意見もありますけれども、脱粉の問題もありますし、鳥の問題でいえば、インフルエンザの問題で、ああいう不正な出荷が行われますと、さらに風評被害が広がることも心配されます。そして、卵の問題でいいますと、今まで経験したことのないような卵価の動きになっておりまして、日本じゅうの卵生産農家は非常に苦しい状況にある。もう時間がありませんので、御答弁は求めませんけれども、その他のこと、たくさんのことに含めまして、格段の御配慮を賜りますようにお願いをいたしまして、次の質問に移らせていただきます。
 次に、林業のことについてお伺いをいたします。
 宮崎県は、御存じのとおり、日本一の杉の産地であります。そして、我々宮崎県におきましても、さまざまな県産材消費拡大のための努力をしてまいりました。宮崎から昨年はたくさんの材木が中国に向けて輸出もされました。そして、県産材を使って建てた家に対しては、宮崎県が〇・五%の金利について五年間にわたっては面倒を見ようということで、できる限りの努力をしているわけであります。
 そしてさらに、京都議定書の中で、日本は一一・二%の温暖化効果ガスですか、それを削減する義務を負いました。その中で、日本国政府は三・九%を、その吸収を森林に期待しておるわけでありますけれども、それでは山の状況は果たしてどうかということを見渡してみますと、悲惨な状況だと言わざるを得ません。後継者はいない、そして、今の林業家は非常に高齢化が進んでいます。そのような中で、では、治山関係の予算はどうなったんだということに目を向けてみますと、前年度比七・四%のダウンということでありまして、非常に私はこの点について危惧しているものであります。
 一九九八年に長江で大洪水が起こって以来、中国では自然林の伐採も禁止になりました。そして、大規模な経済開発、経済成長のもとで、中国は大量に外材を買う国になりました。今こそ日本の林業を守り、そして将来につなげるときが来ているんだというふうに思います。
 その意味で、大臣、副大臣、どちら様でも結構でございますが、林政全般にわたる御所見をお聞かせいただけたらありがたいと思います。
 

○亀井農林水産大臣

 林業をめぐる環境、木材価格の低迷で、あるいは大変厳しい状況下にあるわけでありまして、そういう中で、森林は、国土の保全や水源の涵養、こういう問題、あるいはまた、委員御指摘の地球温暖化の防止、このような面におきまして重要な役割を果たしておるわけでもございます。今後とも、林業の活性化のために努力をしてまいらなければならない、こう思っております。
 本年、特にこの四月には、宮崎県におきまして全国植樹祭を催していただくなど、宮崎の知事さん初め県民の皆さん方の森林に対する御理解をちょうだいしておるわけでありまして、また先生もいろいろとお力添えをちょうだいするわけでもございますが、何としても、十三年度に森林・林業基本法を持っておるわけでありまして、これに基づきまして、森林の有する多面的な機能の持続的発揮、あるいはまた林業の持続的かつ健全な発展と林産物の供給及び利用の確保、こういう面でいろいろ努力をしてまいりたい、このように考えております。
 そういう中で、地球温暖化防止森林吸収源十カ年対策、これを着実に実施するわけでありまして、森林の有する公益的機能を重視した多様な森林整備を促進することと、あるいは緑の雇用等を通じまして、担い手の育成、施業の集約化あるいは地域材利用の推進等、宮崎県におきましても輸出の問題等につきましても大変御努力をいただいておるわけでありますが、この林業、木材産業の構造改革、これを推進してまいりたい。あわせて、国民参加の森づくり、都市、山村の共生、対流等による活力ある山村づくり、これらの施策を積極的に進めてまいりたい、このように考えております。
 

○江藤拓代議士

 大変ありがとうございました。
 とにかく、三十年余りも手塩にかけて育てた木を売って大根一本分しか利益が出ない、そういう林家の悲痛な叫びに耳を傾けていただきたいと思います。
 そして、大臣におかれましては、さきの予算折衝におきまして、今お話に出ました緑の雇用担い手育成対策事業におきまして、大変な御努力をいただいて七十億という予算をつけていただいたことは、林家にとっては非常な励みになっております。そのことを、林家にかわりまして厚くお礼を申し上げたいと思います。
 時間がありませんので、また次の質問に移らせていただきたいと思います。
 FTAとWTOのことについてお伺いをしたいと思っております。
 最近、どうも世論を見ておりまして、先日の自民党の部会の中でもそうでしたけれども、どうしてもFTAは結ぶんだ、FTAは締結するんだということが先行しているような気がしてなりません。先日の部会の中では、とにかく締結するということを決議しようじゃないかという提案までなされて、部会がちょっと紛糾いたしました。
 私は、これは明らかに間違いだと思っております。世界を見渡してみますと、韓国とチリとのFTAはどうだったのか。例えば米であるとか小麦であるとかナシとかリンゴとか、そういう部門についてはみんなこれは除外されました。EUとメキシコとのFTAを見ましても、豚や牛肉の問題についてはすべて再協議事項として、これまた棚上げになりました。せんだってのアメリカとオーストラリアのFTAを見ても、農業部門ではたくさんの例外事項が設けられております。
 せんだって、せんだってといっても昨年の六月になりますけれども、メキシコの大統領も、非常にセンシティブな部分については除外することも可能だという言質もとっているわけでありますから、あくまでも締結するということを前提に置くということではなくて、お互いの利益になるように、決して国益を損なわないように、お互いに出せるところは出して、引けるところは引いて、持ち寄ってFTAを結ぶということが日本の国益に資するものだと私は信じております。
 その意味で、メキシコとの交渉が現実に今東京で行われておるわけでありますけれども、現在どういう状況にありますのか、そして、今後の見通しについて、大臣、副大臣、どちら様でも結構ですが、御所見等お聞かせいただければと思います。
 

○亀井農林水産大臣

 FTAの交渉につきましては、あくまでもWTOを補完する、こういうものであるわけでありまして、メキシコとの問題、今交渉のさなかでございますから、現状につきましてはこの場で申し上げることは控えさせていただきたいと思いますが、やはり、何といっても、我が国の利益と我が国の状況というものを十分考えて対応しなければならないわけでありまして、私は、やはり両国にとりまして、できる限りいろいろ協議をして、そして、最初は小さなものでも、お互いにそれを育て上げていくというような努力がお互いに必要なことではなかろうか。また、それぞれセンシティブな品目があるわけでありますから、その点も十分互いに理解をする必要があるんではなかろうかと。
 昨年十月、二晩徹夜で交渉もいたしましたが、なかなか厳しいお話も出てくるわけでありますし、精いっぱい我が国の国益を考え努力をしてきておるわけでありますが、今日まだ、いろいろの交渉とパッケージで、日本の国益全体を考えたパッケージでいろいろ考えていかなければならない状況下にあるわけでありまして、先生の御趣旨のようなことも十分わきまえて努力をしてまいりたい、このように考えております。
 

○江藤拓代議士

 皆様方よく御存じのとおり、アメリカは、昨年、非常に保護主義的とも言えるような新農業法を制定いたしました。五年間で何と六兆円という巨費を投じて品目別に価格支持政策を実行するというような状況の中にあって、WTO、FTAは日本の農業の未来を決める大きな議論になってくるものだと思っております。
 その中で、大臣は、非常に強く上限関税率の問題と低関税率輸入枠の問題を主張されていただいております。この問題は、まさに日本の農業の未来を、国際的な舞台の場で勝負する上でもとても大切なことでありますので、決して大臣の主張が正しいということはみんなが認めるところでありますので、我々も、一兵卒でありますけれども、応援団として一生懸命努力をさせていただきたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、時間がありませんので、また次に。ちょっと欲張っていろいろ聞きたいなと思っておりますので、申しわけありません。
 それでは次に、食料・農業・農村基本計画の中で、また今度は、いわゆるプロ集団に日本の農業は任せようじゃないか、大規模化をしていこうじゃないかということが今言われております。日本じゅうで四百七十四万ヘクタールある農地の中で、現在もう既に二十一万ヘクタールが耕作放棄になっているわけでありますけれども、こういう状況の中にあって、やはり農地を集約するということは一つの施策として私は正しいというふうに思っております。
 ただ、一つ申し上げたいことは、地域の集落、地域の農村は、決して大規模農家だけで守られるものではありません。兼業農家が果たす役割というものが極めて大きいということも、我々農政にかかわる人間は自覚する必要があるだろうと思っております。
 そして、私の友人で大平君というのが高鍋というところにおりますのですけれども、親子三人で米を十町歩、そしてカライモを十町歩やっている青年がおります。まだ嫁さんをもらっていません、三十歳ですけれども。もう本当に朝から晩まで真っ黒になって働いています、あっちの畑やらこっちの畑に走り回って。
 しかし、今農業の中で何が一番農家を苦しめているかということをよく考えてみますと、やはり農機具の値段が高い、それにかかわるローンが非常に農家の経営を圧迫しているということがあると思います。
 平成十四年度から、農林水産省は、低コスト耐候性ハウスを導入していただきまして、非常に画期的な政策を今実行していただいております。これによりまして、今宮崎県でも大変速いスピードで古いハウスが建てかわっております。
 しかし、その中で私が申し上げたいことは、そのハウスのことでは決してなくて、そのハウスにかかわる加温機であるとか加湿機であるとか自動開閉装置であるとか、本来的には機材にかかわる部分、そういう部分についても今は補助の対象となっております。これは決して個人に帰するものじゃない、三軒、四軒の農家が集団で使うものだからこれはいいんだという、ある意味非常に拡大解釈的な、非常にいい意味での拡大解釈的な施策だということで、私はすばらしい施策だと思うんですけれども、これから本当に規模拡大をしようとしたら、家族労働費に支えられている今の農業を見ますと、どうしても機械化しなきゃならない。
 例えば、転作奨励なんかをいたしますけれども、ソルゴなんかをつくって、コーンハーベスターあたりの機械を入れますと、一台で安いものでも五百万、でかいものになると三千万。転作奨励金はいただけるけれども、それを刈り取る機械がなかなか手に入れられない、そういう現状を見渡したときに、これからはある意味、国の施策に従って大規模に農業経営を拡大する農家においては、個人所有であっても、農耕機械、トラクター等に対する補助を拡大することが必要になってくるのではないかというふうに私は強く思うわけでありますが、政府なり大臣なり、どちら様でも結構ですけれども、御所見をお聞かせいただければと思います。

○白須農水省生産局長

 ただいまの江藤委員の御指摘でございます。いわゆる機械施設に対する補助というのは、御案内かと思いますが、可能な限り個人の自立なり自助にゆだねるというふうな観点でございまして、補助から融資への切りかえというのを行っているわけでございます。したがいまして、ただいまお話にございましたが、個別経営になじむ機械施設というものにつきましては補助対象から外すというふうなことで、共同利用の機械施設に限って補助対象とする、それで、個別農家に対しましては低利融資ということを中心といたしまして支援をしているわけでございます。
 ただ、今委員のまさに御指摘のとおり、やはり全体として生産振興を図っていくというのは、これは当然必要なことでございます。したがいまして、ただいまのような低コスト耐候性モデルハウスといったような、そういうモデル的あるいはパイロット的な機械施設につきましては、これは共同利用施設という前提はございますが、そういったところをしっかりと私どもとしても支援するということで、総合的な、委員御指摘のような生産振興対策につなげているところでございます。
 

○金田英行農林水産副大臣

 江藤先生の御指摘のとおり、今構造改革を農政全般について進めさせていただいております。プロ農家の育成というのも重要な柱でございますけれども、プロ農家だけでは農村が維持できないわけでございます。それに続く中小規模の農家の皆さん方も農村にしっかりと張りついていただいて、風格ある農村をつくらなければならない、水管理等々で。そういった方々の生産性向上のためにも、できるだけのことはさせていかなきゃならないというふうに考えているところでございます。
 

○江藤拓代議士

 副大臣、大変ありがとうございます。自助自立ということは、農政だけにかかわらず、あらゆる場面で日本国民ひとしく必要なことだろうと私も思っております。
 しかし、大規模化していきますと、どうしても機械の力しかないんです。先ほども申し上げましたように、どうしても家族労働費を基本として日本の農業は成り立っている、なかなか人を雇い入れてまで利益を出すというのは難しい、そういう構造的な問題があります。これから国の財政も厳しく、農林水産省全体の予算も厳しいわけでありますけれども、全体の予算を大胆に見直すということも含めまして、ぜひ意欲ある農業後継者が意欲を持ってはつらつと日本の農政を背負っていけるようにお助けいただけますようにお願いをしたいと重ねてお願いを申し上げておきます。
 それでは、もう五分になりましたので、最後になろうとは思いますけれども、水産業のことについて若干お尋ねします。
 お聞きしたいことはたくさんありますのですけれども、もう各般にわたります。ちょっと目先を変えまして、捕鯨問題についてお尋ねをしたいと思っております。
 今、世界じゅうで九千万トンの魚を人類はとっているわけでありますけれども、国際的な調査機関の報告によりますと、鯨はその三倍から五倍の魚を食っている。しかも、その時々のしゅんの魚を食っている。
 私が子供のときは、イワシなんというのはトロ箱一杯で何ぼだったんですよ、正直言うて。それが、今になりますと、丹精込めて育てたいわゆる養殖物のタイよりもキロ当たりの値段が高い。これは人類の責任もあると思います。漁場を荒らしてしまった、乱獲をしてしまった。それは人間自身がまず反省しなきゃいけないことだろうと思いますが、しかし、もし本当に鯨がそれほどの量をとってしまうということであれば、これから世界的には人口が大爆発をするんじゃないかというようなことも言われております。そういう意味で、水産資源を自然と人間がお互いに理解できる範囲内で、節度ある範囲内で理解し合って、保護し守っていくということが大切だと思います。
 少し話が横へそれますけれども、先日も群馬県の処理場に行ってまいりました。牛が屠殺をされて、そして片足でつるされて、そして皮をはがれて、それでまだ筋肉あたりがぴくぴく、目玉あたりもきょろきょろ動いているわけですけれども、そういう姿を見ると、本当に人間というのは罪深い生き物だなということを思います。確かに私も、鯨はかわいいし、それは殺さずに済むものなら殺したくないです。しかし、山を見れば、実際、イノシシとかシカとか猿とか、そういうものは農産物に被害を与えるということでは駆除対象に現実になっているわけですから。
 これからIWCのいろいろな国際会議がメジロ押し、予定されておりますけれども、そういうような場面で農林水産省として、日本国として、食文化として鯨を食ってきた日本人として、世界の食料を守るために、この問題はもう一度原点から、十分に鯨は頭数が回復したということを論点の原点に置いて議論していただきたいと思いますが、副大臣、よろしくお願いします。

○金田農林水産副大臣

 江藤先生の御指摘のとおりでございます。IWCそれからFAO等につきまして、日本は従来から鯨は貴重な食料資源だということを主張し続けてまいりました。そしてまた、鯨の数が調査結果によると大分ふえておるというようなことでもございますし、また、先ほど申されましたように、水産資源を相当捕食しておるのが鯨だというようなことで、何とかして持続可能な状態にしていかなきゃならないということで、IWC等々でも日本は強く主張しているところでございます。
 しかし、残念ながら、保護委員会が新設されたり、調査捕鯨はだめだ、そういう対応があります。そういった鯨を、これからも調査捕鯨をやってはいけない、そういう厳しい状況にあるわけでございますけれども、このIWCに対する日本の対応ということも、メリット、デメリットも含めながら慎重に検討してまいりながら、鯨の食料資源としての見直しを強く主張させていただきたいというふうに思っているところでございます。
 

○江藤拓代議士

 まだ一、二分あるようでございますから、最終的に一言だけ申し上げさせていただきたいと思います。
 今小泉総理は、ビジット・ジャパンということで、観光立国を目指そうということで、非常にそれはすばらしいことだろうと思っております。しかし、日本の観光資源は一体何なんだということを私は原点に立ち戻ってよく考えます。決して六本木ヒルズであったり、ああいうものではない。やはり日本が世界に自慢できる一番の観光資源は、美しい農山村の風景だというふうに私は思います。私の故郷、宮崎県高千穂、たくさんの棚田がある。朝早く起きますと、棚田に朝日が映えて、そして雲海がそれを覆う。まさに日本の文化だというふうに私は思います。
 そんな意味で、観光立国、ビジット・ジャパンということを小泉総理が強くおっしゃっていただくのであれば、ぜひとも、地域、そして中山間地域がこれからも日本の中で営々としてその文化と集落としての機能を維持管理していける、そういう農政であっていただきたいということを強く最後に大臣にお願い申し上げまして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
 

前ページへ


Copyright(C)2004 Office Etoh Taku All rights reserved.