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衆-農林水産委員会-2号 平成20年02月20日

○宮腰委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。江藤拓君。

○江藤委員 あす政府の畜産物価格が決まるに当たりまして、きょうは集中審議が行われるわけでありますが、大臣におかれましては、昨年の概算要求の段階ではこのような異常な穀物の高騰、畜産農家の経営環境の悪化、このような事態は正直想定しておりませんでしたし、想定することも難しかっただろうということで、今、御当局と非常に厳しい交渉をされておるわけでありまして、非常に御苦労されておると思いますが、ぜひ頑張っていただきたいというふうに思います。
 それぞれ各論についてお尋ねをする前に、国際状況について少しお尋ねをさせていただきたいと思います。
 国連の食糧農業機関、FAOの発表によりますと、世界の穀物在庫は二十六年ぶりの低水準になっている、そういう警鐘が発せられました。そして、昨年の末にはトウモロコシ価格も三ドルを突破して、これでも異常だというふうに私たち危機感を持っておったわけでありますけれども、ことしになりましたら五ドルを超えるという状況になっております。そして、米国の農務省の発表によりますと、穀物の期末在庫率も一四・六%と、FAOが発表しております安全基準一七%から一八%を大きく下回る状況となっております。
 このような中で、世界では食料の囲い込みが始まっている。ロシア、中国、インドなど八カ国は、既に農産物の輸出規制に踏み切るような状況に立ち至っております。
 こういう状況でありますから、日本としましても、官民合わせて百九十万トン、約二カ月分の飼料用穀物の備蓄はしておりますけれども、このように世界の需給がタイトになってまいりますと、少しずつでもこの備蓄の量というものは増していくことが求められていくんじゃないか、安いうちになるべく買った方がいいんじゃないか、もっと上がるかもしれないわけですから、こういうことを私は考えるわけであります。
 そして、これまでも備蓄は何回か放出されました。これまでは、供給に支障があった場合のみこれを放出するというルールがあります。御当局からも御説明いただきましたけれども、為替の高いときに買っている、倉敷料もかかっている、これを簡単に放出すると逆ざやになる、だからなかなかこれは難しいんですよと説明がありましたけれども、こういう異常な状況になりますと、せっかく二カ月分の在庫があるわけですから、これをこういう非常事態には何とか柔軟に使えるような制度の検討ぐらいはしてもしかるべきではないかというふうに思うわけでありますけれども、大臣の御所見をお願いいたします。

○若林国務大臣 委員が御指摘になりましたように、世界の穀物市場、とりわけえさの原飼料につきましては、異常な高騰が続いております。
 我が国における飼料穀物の備蓄につきましては、国が配合飼料の主原料のおおむね一カ月分として、トウモロコシ、コウリャンが六十万トン、及び、米がえさに使えるものとして三十五万トン、計九十五万トンの備蓄を持っているわけでございます。また、民間の配合飼料メーカーなどには同量九十五万トン程度の在庫の確保を義務づけておりまして、官民合わせて需要量のおおむね二カ月分を備蓄しているわけでございます。
 この備蓄は、飼料穀物の供給国で災害など、委員がおっしゃられました、そういう需給上の短期的な輸出の停止などによりまして逼迫事例が出ます場合を想定して必要な数量を設定しているものでございます。現在のところ、飼料穀物の主要な供給国からの輸入に支障を来すというような見通しはないということでありますので、この備蓄水準を直ちにさらに引き上げるという状況にはないと考えております。
 また、仮に、飼料価格の上昇時への対応として、今御提案がございました備蓄の穀物を活用するということにつきましても、備蓄数量は配合飼料主原料の需要量のおおむね二カ月分程度としておりまして、価格低落への効果というのは、それを吐き出していけばそれで効果は終わってしまうというようなことでございまして、限定的かつ一時的なものとならざるを得ないということ。
 また、仮にこうした場合に、その後、備蓄を回復するということが必要でございます。必要な備蓄量を確保するためにこれを買わなきゃいけないということになってまいりますと、通常の必要の量に加えて、その備蓄積み増し分、補てん分の穀物を買わなきゃいけないということで、そのことが需給逼迫を生ずるということになりまして、備蓄本来の目的のために対応するということが困難になってくることも考えられるわけでございます。
 そのような問題がございますので、いずれにしましても、今後とも飼料穀物の需給や価格の動向を十分に注視してまいりたいと思いますけれども、今あります備蓄をこういう価格高騰であるということで放出することの効果については考え方を異にするものでございまして、直ちにこれに応ずるという考えは今のところ持っておりません。

○江藤委員 余り前向きなお返事はいただけませんでしたけれども、党内でも検討を進めていきたいと思っております。
 次に、WTOについて少しお伺いをしたいと思います。
 我々がWTOという話をしますと、国内の農業をいかに守るか、上限関税であるとか限度数量であるとか、そういったところばかりに我々はどうも目が向きがちでありますけれども、実は、日本の畜産に目を向けますと、日本の畜産はどうしても海外からの飼料穀物の輸入に頼らなければ成り立たないという構造になっていることは、これは仕方がない現実としてあります。
 そんな中で、日本は平成十二年に輸出国の輸出の禁止、制限の措置についてWTOに対してある提案をされたというふうに聞いております。そして、今回出されましたファルコナーの改訂議長テキストの中にも、この日本の主張がある程度取り入れられた文言が入っているというふうに聞いております。これは非常に画期的なことでありまして、高く評価をさせていただきたいと思うわけでありますが、これから年末にはWTOも合意するのではないかという、いよいよ大詰めに差しかかっているわけでありまして、今後さらに大臣には頑張っていただきたいわけでありますが、大臣のこれに対する姿勢と御所見をお伺いさせていただきたいと思います。

○若林国務大臣 委員が御指摘のように、WTO交渉はいよいよ大詰めの段階に来ているわけでございます。そして、ファルコナー議長が改訂のペーパーを先般出したところでありますが、我々日本を代表国としますG10、輸入国の立場からしますと、アクセスを改善して貿易を拡大するということの方に重点が非常にあるわけでございますけれども、主要輸入国とすれば、食料の、穀物の貿易構造からしますとやはり国内優先ということになってくるわけで、国内の事情によりまして輸出国が勝手に一方的に輸出規制をかけるというようなことになりますと、国民に対する食料の安定的な供給を害することになるということから、輸出国、輸入国のバランスのとれた貿易のルールというものが必要であるという考え方に立っておりまして、委員が御指摘になりましたように、日本提案という形で、WTO協定の中に輸出国についても輸出の秩序ある規律というものが必要だということを主張してまいったわけでございまして、今回の改訂の議長テキストにおきまして、ある程度その意見が反映されているという認識でいるわけでございます。
 現在のWTOの協定上は、輸出国がこのような輸出禁止、輸出制限の措置を新設する場合にはWTOに通報する、協議を行うべき旨が規定をされておりますけれども、平成十二年の日本の提案以来、輸出入国の権利義務のバランスの回復と輸入国の食料安全保障の観点から規律強化を主張してきた我が国のこの主張は、今度の改訂議長テキストの面におきまして、農産品の輸出禁止制限に関して、既存の措置を廃止するとともに、新たにこれら規制措置をつくる場合も原則十二カ月でこれを廃止するというような規律が提案され、これが盛り込まれることになっているなど、進展が見られているところでございます。
 我が国としては、新規の輸出禁止、制限の規律が設定されるということについてはこれを評価しているわけでありますが、輸出入国間のバランスの強化という観点から、さらなる規律の強化を求めて引き続き関係者一体となって粘り強く交渉をしていきたい、このように考えているところでございます。

○江藤委員 ありがとうございます。先ほども申し上げましたように、八カ国がもう輸出の規制に踏み切っているというような事態も発生しているわけですから、ぜひとも年末に向けて御努力をよろしくお願い申し上げます。
 次に、各論に入ってまいりますが、昭和四十九年につくられました配合飼料価格安定制度。
 これは、長い歴史の中でいろいろな価格の高騰等あったわけでありますけれども、今よりももっとひどい価格の高騰が一時的にはあったわけでありますけれども、こういうときには非常に十分にその役割を果たしてきた。これは、私、制度自体はいい制度だというふうに思っております。
 しかし、昨今の恒常的な飼料高によりまして、通常補てん基金はついにこの二月に枯渇してしまうという事態に追い込まれてしまいまして、異常補てんから通常補てんの方に貸し付けが行われるというふうな事態となっております。そしてまた、農家の方で話を聞きますと、通常補てんがなくなったげな、大変じゃと。でも、異常補てんで埋めたから大丈夫ですよと。では、異常補てんもなくなったらどうなるのという不安な声が随分多く聞かれます。
 このような事態に対して御当局としてどのような対策、対応をとっておられるのか、生産局長にお尋ねをします。

○内藤政府参考人 お答え申し上げます。
 御案内のとおり、配合飼料価格安定制度による補てんが行われておりまして、その基金残高は十九年度末には、通常補てん基金は約百億円の不足が生じまして、異常補てん基金も約四百億円に低下すると見込まれております。
 こうした状況を踏まえまして、委員御指摘のように、本年度、異常補てん基金から通常補てん基金への貸し付けを行っております。さらに、平成二十年度概算予算におきまして、通常補てん基金の財源不足が生じた場合には、必要な基金財源の借り入れに対する利子助成が行われるように措置するとともに、異常補てん基金の計画的な積み立てとしまして、国負担分六十億円、配合飼料メーカー積み立て分と合わせまして百二十億円の積み増しを計上しているところでございます。
 こうした対応を通じまして、今後の配合飼料価格安定制度の安定的な運用に支障が生ずることのないよう対処してまいりたいと考えております。
 以上です。

○江藤委員 そのような対策を打っていただいているということは、非常に結構なことでありがたいことだと思いますが、しかし、この配合飼料価格安定制度は、若干やはり制度的に問題が生じていると言わざるを得ないのが現状でございます。
 これがずっと恒常的に右肩上がりに上がっていけば、それは農家負担もふえると同時に、補てん金も基金が枯渇しなければずっと出続けるわけでありますけれども、これは恒常的に価格が高どまりする、もしくは高どまりしてもピークアウトして下がる、下がった場面でも補給金が支給されないという制度的な欠陥があります。今までは随分この制度は非常に有効に活用されましたけれども、こういうふうに恒常的な輸入穀物の飼料高が続くということを想定して我々は政策的に立案をしていかなきゃいけないというふうに考えるわけであります。
 自由民主党としましても、五月をめどに、集中審議を進めまして、プロジェクトチームをつくって一定の結論を出そうということになっておりますけれども、私の個人的な考えとしましては、一応お披瀝をさせていただくと、この制度自体はこれで残しておけばいい、今までも生産者からトン当たり五百円、配合飼料メーカーからトン当たり千円をいただいて基金を積み増していく、これはいいことだと思います。しかし、高どまりした、下がり始めたという場面では、基金を積み増しても一円ももらえない、払うばかりでもらえないじゃないかということになってしまうわけですから、そうなると、当然、農家からも配合飼料メーカーからも不満が出る。そういうことであれば、我々としては、価格が高どまりしたときにもちゃんと農家に対して一定の補てんができるような新しい制度を創設することが有効ではないか。しかし、その場合は、発動されなければ基金の残高だけがどんどん積み上がっていくわけですから、これを、今回異常補てんから通常補てんに横に貸し付けをしたように、スムーズにこの資金の移動ができるような制度設計を交えたような新しい制度の創設ということを私は党内でも提案をしていこうと思っていますし、これは有効でないかというふうに私は考えておるわけでありますけれども、もしよろしければ大臣の御感想、御所見をお聞かせいただきたいと思います。

○若林国務大臣 飼料価格安定制度につきまして、委員から、それなりの有効な役割を果たしてきたという評価をいただくと同時に、しかし、恒常的にこのような飼料高が続くというような状況になった場合には、このような状況に対応した新しい制度を考えるべきではないかというような御提案がございました。
 しかし、今の配合飼料価格安定制度を考えてみますと、これは、他のこういう生産資材にはない極めて特例的な措置としてこのような国も関与した形の制度をつくっているということ、現に、原油でありますとかその他の生産資材が高騰をしていくというような場合にも、直接的に国がこれを補てんするというようなことはしていない。そういう他の産業対策、産業政策とのバランスというようなことを考えますと、この制度自身について、恒常的に高どまりをしている状況に対応するために恒常的な生産資材補てんというようなことをするということになりますと、これは財政負担も大変な負担がありますだけに、こういう高どまりが長く続くということであれば、それに対応した生産のあり方、生産構造、あるいはさらに消費者の理解を得ながら価格転嫁していかなければ産業として長期的に続かないということもあるわけでございまして、これには慎重な検討を要すると考えております。
 しかし、いずれにしましても、今後の配合飼料価格の動向を十分見きわめることが必要だと思いますし、今後の中長期的な課題としては、委員が今御検討いただいており、また自民党内でもプロジェクトチームで検討しているやに伺っておりますが、検討の課題としては、これらを我々も検討していく問題だという認識は持っております。

○江藤委員 ありがとうございます。
 非常に財政的な負担が大きい、これは重々承知をしております。しかし、今の価格が高どまりをした場合は、大体ことしの十二月で基金からの補給金の発動がとまってしまいます。ですから、長期的課題ではだめです、少なくとも中期的な課題としてこれは検討したいと思います。
 ただ、大臣の御指摘で非常に私も思いますのは、他産業とのバランス、農業政策を進める上でも他業種の方々からどうして農業ばかりそんなになんだというような批判を受けては農政の基本の根幹自体が揺らぎかねないので、これはやはり価格への転嫁であるとか消費者の理解であるとか、特に小売の方々の理解であるとか、そういったことについても引き続き我々も努力しますし、大臣にもぜひお力をかしていただきたいというふうに思うわけであります。
 続きまして、酪農のことについて少しお伺いをしたいと思います。加工原料乳の生産者補給金単価と限度数量についてでございます。
 これは、北海道はほとんどが加工原料乳向けでありますから、特に北海道の酪農家の経営を大きく左右するものであります。現在は十円五十五銭という水準になっておるわけでありますけれども、昨年度は十五銭引き上げをしました。この十五銭という額であっても大変な財務当局との攻防があった、大変な苦労があった。去年の畜酪を思い出しても、そのときのことをよく思い出します。
 しかし、今回、自由民主党の畜産・酪農小委員会でも、日本全国に散りまして酪農家の現状を見てまいりました。そうしますと、今回は十五円ではとても厳しい、そんな幅ではとてもやっていけないという悲鳴にも似た声が各所で聞かれております。ですから、こういう現状は十分に大臣も当局も御理解いただいていると思いますので、現状を十分に加味した段階での補給金単価と限度数量については決定しなければいけないというふうに思います。
 それに加えまして、今、チーズについては工場を二つつくるなど北海道で非常に前向きな取り組みをしているわけでありますけれども、これに生クリーム等を加えた拡大政策も北海道では非常に有効ではないかというふうに思うわけでありますが、生産局長に御所見を伺います。

○内藤政府参考人 申し上げます。
 加工原料乳生産者補給金の単価でございますけれども、これは加工原料乳生産者補給金等暫定措置法に基づきまして、再生産を確保することを旨として生産条件等を考慮して審議会の意見を聞いて決定するというものでございまして、加工原料乳地域でございます北海道にとりまして大変大切な制度であるという認識はございます。各先生方も、現状、現地をよく視察していただきまして、現地の声も聞いていただきました。我々もそういった現地の声はできるだけ耳を傾け、そして聞きながら、この価格の算定をしていくわけでございますけれども、また、生クリーム等需要拡大している分野に対する対策ということもございました、これについてもバター、脱粉よりも高い価格で取引できるということでございますので、我々はこれについての対応というものも当然必要だというふうな認識にあるわけでございます。
 そういったことも踏まえながら、二十年度の補給金単価については、ルールはございますけれども、できるだけそういった声にこたえられるよう適正に算定してまいりたいと考えております。
 以上でございます。

○江藤委員 前向きなお返事をいただいたと受けとめさせていただきたいと思いますが、この単価の決定につきましては、数式がありますよね、どうしても機械的に決められているんじゃないかということが非常にあります。しかし、最近は異常事態なわけでありますから、審議会等の審議はもちろん大切に尊重しなければなりませんけれども、機械的という部分、直近の数字を入れたとか当局からいろいろな説明をいただいていますけれども、それだけではなくて、現状の、特に今苦しんでいる、急激に苦しんでいるこの事態を、やはり政治的な判断も加味した単価の決定をしていただきたいということを重ねてお願いしておきたいと思います。
 続きまして、今、北海道の話をしましたので、今度は、私は九州でありますから、都府県の話をさせていただきたいと思います。
 都府県につきましては、北海道と違いまして、七八%が飲用に回っております。ですから、牛乳が小売で幾らで売られているか、これが農家の経営に直接響くという状況であります。
 そして、こういう厳しい状況の中にありまして、メーカーに対しまして、昨年、十円の買い入れ価格の引き上げを要求しましたけれども、いろいろありましたのでしょう、結局のところ三円ということで妥結をいたしました。年内にもう一度価格交渉するということでありますけれども、三円では、とてもじゃないけれどもやってまいれません。中央酪農会議は、十何日でしたか、試算を発表しておりますけれども、キロ当たり十円。もう既に家族労働費にまで食い込んでしまっているというような厳しい状況であります。
 そして、最近、私の地元でも、木城町という小さい町ですけれども、昨年からことしにかけて酪農家が四軒廃農いたしました。そして、問題なのは、優良な者からやめている、経営状態の比較的いい人からやめてしまっているという状況が実はあるわけであります。これは何をあらわしているかというと、いかに酪農家が将来に対して悲観的な展望しか持てていないか。将来非常に厳しい、どうせだめだから今のうちにやめようというような気持ちになってしまっているということをわかっていただきたいと思います。
 ですから、特に都府県の酪農家に対しましては、非常に厳しいわけですから、飲用ばかりで小売は安いわけですから、都府県に対しましては緊急的な別途の対策が私はどうしても必要だと思います。
 それにあわせて、牛乳には非常によく売れる時期と売れない時期、需給が低迷する時期があります。そういう需給の低迷時に新しいセーフティーネットを、これはたびたび議論されてきたことですけれども、これをつくりませんとなかなかやっていけない。
 そしてまた、生産者団体が行う共補償に対しても、ここに至っては我々はある程度の支援もすることが必要なのではないかというふうに思いますけれども、生産局長、たくさん項目がありますが、なるべく簡潔にお願いいたします。

○内藤政府参考人 お答え申し上げます。
 都府県酪農は大変厳しい状況にあるわけでございます。先生御指摘のようなセーフティーネット、共補償等のお考えもお聞きいたしました。私どもは、やはり自給飼料の活用等による酪農経営の生産性向上に向けた取り組み支援ということが何よりも重要だというふうに思っております。先生の御提案もお聞きしながら、都府県の酪農経営の安定が図られるよう総合的に対策を検討してまいりたいというふうに考えております。
 以上でございます。

○江藤委員 もうちょっと深く聞きたいんですけれども、時間がありませんので、きょうはこれぐらいで、また改めてお聞きしたいと思います。
 それで、先ほど申し上げました牛乳の小売の価格について御質問をさせていただきたいと思います。
 繰り返しになりますが、都府県は七八%が飲用に回っております。牛乳の値段が最終末端で上がれば、これは酪農家の経営も当然楽になるということでありますけれども、どうもスーパーのチラシなんかを見ると、卵とか牛乳とかがどうしても客寄せの目玉商品となっているという今までの歴史があります。
 それで、私が個人的に聞いたことで、何の証拠もありませんから一応話として聞いていただければ結構なんですけれども。あるこの業界の方、すべてのメーカーが牛乳と乳製品すべての品ぞろえを持っているわけではありません、乳製品しか持っていないメーカーも日本には存在するわけであります、そういう人が、大手の小売のいわゆるバイヤー、購買担当者と話をすると、あなたのところとは余り話をしたくない、あなたのところは牛乳がないからねと。何でそういう話になるのかと話をしつこく聞いてみましたら、バターとかチーズとか乳製品は国際価格も上昇しているし消費者に対しても価格上昇の理解が得やすい、だからある程度メーカーさんの言っているような値段で買い取ることが比較的容易だ、だけれどもそれではなかなか利益が出ないので、こっちはまともな値段で買うから、かわりに牛乳を安くしてねと。つまり、どうもパッケージで価格交渉をしているのではないかというような話を私は聞きました。これは大問題だと思うんですよ。
 やはり物の値段というものは生産費が当然反映されなきゃなりませんし、生産者、流通、この辺で値段は決まらなきゃいけない。これが正常な形です。しかし、どうも牛乳に至っては、特に大型の小売業者が価格の決定権を持っているんじゃないか。こういうことであれば、これはもう完全に優越的地位の濫用なんじゃないか。
 そういうことであれば、民民の話だといってすぐお役所さんは逃げますけれども、そうではなくて、農水省としても、所管官庁なんだから農水省としても公取あたりと十分協力をして、これについては目を光らせて是正させる努力をすることが必要だと思いますが、生産局長の御所見を伺います。

○内藤政府参考人 お答え申し上げます。
 我々も、そういった小売の優越的地位の濫用につきましては、目を光らせていきたいというふうに思っております。
 したがいまして、仮にそういった優越的地位の濫用に該当する疑いがあるような事実について具体的な情報が寄せられた場合には、これは公正取引委員会に適切な対応をとってもらわなきゃいけないわけでございますので、そういったことができますよう迅速に委員会に連絡するという対応をして、目を光らせていきたいというふうに思っております。

○江藤委員 前回伺ったときと同じ、通り一遍の返事をいただいてしまったわけでありますけれども、現実にはこれだけ生産費が上がっていて、そして、乳業メーカーも紙パック代も上がっている、輸送するチルドの保冷車の運搬賃も上がっている、もちろんガソリン代も上がっている。これで末端価格が上がらないというのは、どう考えても変なんですよ、だれが考えたって。どう考えても変なんですよ。明らかな証拠がないというふうに言いますけれども、客観的事実としてどこかが価格をねじ曲げているということは間違いないんじゃないですか。もうちょっと踏み込んでやるべきだと私は思いますよ。私は与党ですから、これ以上は踏み込みませんけれども。
 では、次の質問に移らせていただきたいと思います。
 次に、最近、アメリカの方から随分厳しい要求がなされております。今は二十カ月月齢で制限をしているわけでありますけれども、国際基準に準じてもう月齢を全部取っ払え、それでどんどんアメリカの牛肉を買いなさいというような要求が厳しく日本に来ております。
 しかし、現実はどうかというと、最近もへたり牛の報告がありました。そして、これだけ厳しい危険部位は除去しなさいという規定があるにもかかわらず、たびたび混入があるじゃないですか。これは消費者の目から見ても、アメリカの安全水準というものは決して日本のスタンダードには達していないということが客観的に私は明らかだと思うわけですね。幾らアメリカが日本にとって重要な友好国であっても、やはり食の安心、安全というものは、最近の中国ギョーザの問題とかいろいろありましたから特に国民の関心は高まっております。これは毅然とした態度でやはり臨んでもらいたい。
 どうしてこういうことを言うかというと、もしアメリカからどんどん無制限に牛肉が入ってくるという状況になったら、今この厳しい畜産環境の中で、特に酪農における乳雄とかF1とか、こういったものが物すごい大打撃ですよ。どかんと、これ一発でつぶされてしまうぐらいの打撃があることを私は恐れています。ですから、そういう国内の畜産環境も考えて、これは大臣にもお願いしたいと思いますけれども、毅然とした態度でアメリカの要求をはねつけていただきたいということを、これは消費・安全局長にお答えいただきたいと思います。

○佐藤政府参考人 お答え申し上げます。
 米国産の牛肉につきましては、現在、日米間の技術的な会合におきまして、米国側から提供された飼料規制やサーベイランスのデータにつきまして、その評価も含めた報告書の取りまとめ作業を行っているところでございます。輸入条件を見直すかどうかにつきましては、その取りまとめ結果を踏まえ対応することとしているところでございます。
 いずれにしましても、食の安全と消費者の信頼確保を大前提といたしまして、科学的知見に基づいて対応することが重要と考えております。引き続きまして、厚生労働省と連携いたしまして適切に対応するという態度でいきたいと思っております。よろしくお願いします。

○江藤委員 二十カ月月齢とか全頭検査の問題を議論したときに、科学的知見、科学的知見というので結局我々は押し切られてしまったわけですけれども、全頭検査を導入した段階では、実際は極めて政治的な決断というものがそこには深く関与していたという歴史もあるんですよ、畜産の政策の歴史を考えると。ですから、これを緩和するということであれば、そこには政治的判断が、科学的知見も大切だけれども、最終的には政治的な判断も極めて重要になるということを私は最後に少し指摘させていただきたいと思います。
 時間が厳しくなってきたので、母豚についてちょっとやりたかったんですが、これは後で時間が余ったらやらせていただきます。
 これだけ国際的な飼料穀物の値段が上昇して、今後も上がるのではないか。世界的には人口も爆発する。そして、発展途上国が経済的に発展すれば、今までトウモロコシを食べていた人たちが、今度はトウモロコシをいわゆる家畜に食わせて、家畜を肉という形で食べるようになれば、どんどん需給状況はタイトになるだろうということは容易に予想されます。そういう状況であれば、日本としてもさらに飼料の自給率を上げる努力をしていかなければなりません。
 それで、自民党としてもさまざまな政策を打ってきたわけでありますけれども、ちょっと私の宮崎の話をさせていただきたいと思います。
 宮崎は、もう既に総農業生産額の六割が実は畜産で占められる、畜産大国のような県になっております。つまり、畜産がつぶれるということは、宮崎県の農業がつぶれると言っても言い過ぎじゃないだろう。ほかの農業ももちろん大切なんですよ。しかし、大きな柱であることは間違いない。このような地域で、特に我々は畜産が盛んなわけですから耕畜連携は極めてやりやすいんですよね。畜産をやっている人とお米をつくっている人が極めて隣接して暮らしている。耕畜連携がやりやすい。そういう地理的な条件があります。
 そして、産地づくり交付金等の話をしたいんですけれども、飼料米をつくろうということで今政策転換をしておりますが、宮崎の場合を少し数字を出して紹介させていただきたいと思います。
 十アール当たりですけれども、耕畜連携水田活用対策を使った場合、これで一万三千円。そして、産地づくり交付金、これは各地によって金額がばらつきますけれども、最高で出たとして五万円。そして、宮崎は暖かいところですから、飼料用の米だったら二期作ができます。二期作をやったとすると大体八百キロ、もっととれるかもしれませんけれども、八百キロとれたとすると、稲わらの販売額がキロ三十五円ぐらいで売れますから大体二万八千円。そして、この飼料米は大体キロ三十円で今取引されていますので、八百キロだとこれまた大体二万四千円ですね。これを全部足しますと十一万五千円になるんですよ。そして、補正で手当てをしていただきました三年間五万円、これは年で割ると一万七千三百円ぐらいですか、これを足しますと十二万八千円か十三万円ぐらいになる。
 ということになれば、本当は十五万円欲しいわけですから若干低いですけれども、宮崎のような特異な地域であれば、我々が農家に出向いてお願いをして、農協の方々と協力してお話をすれば、もっともっと飼料米を宮崎はつくれると私は思います。当初、五十ヘクタールでやろうかということでやったんですけれども、最終的には宮崎は七十ヘクタールまで申し込みがふえました。ですから、こういうことを考えると、耕畜連携のやりやすい地域に、我田引水的で大変申しわけないんですけれども、そういうところにこの産地づくり交付金を、全体額を積み増すことも大切ですが、集中的な投資をすることが有効なんじゃないか。
 それで、宮崎の場合は、国として平成二十七年までに繁殖母牛を十一万頭ふやそうという政策を今やっていますよね。そして、初年度であった去年は一万三千頭ふえたわけでありますけれども、宮崎で四千頭ふえました。日本一です。次が小里先生の鹿児島で、二千九百頭ぐらい。ですから、こういう耕畜連携がやりやすくて畜産を柱とする県に、やはり施策の集中というものが合理的な政策判断ではないかというふうに思うわけですけれども、生産局長の御見解をお伺いしたいと思います。

○内藤政府参考人 飼料米についてのお尋ねでございます。
 まず、産地づくり交付金の仕組みを申し上げますと、これは……(江藤委員「簡単でいいよ、それは簡単でいい」と呼ぶ)わかりました。非常に弾力的な仕組みになっております。我々も、こういった産地づくり交付金が有効活用できるように、もっとそれを真剣に考えるようにということで、先般、通知を出しまして、今後の地域水田農業の将来展望、それから地域におけます飼料米等非主食用米の需要や生産の意向を踏まえながら、低コストの生産に向けた取り組みについて検討を進めるよう生産現場を指導しているところでございます。

○江藤委員 宮崎は二期作をやるという話もしましたけれども、二期作の後にしって米というのが出るんですよ。刈り取った後にひゅっと生えてきて、それにもちゃんと、ちょっとだけれども米はつくんです。稲わらもとれますし米も収穫できます。そういった生産努力を地域で一生懸命やっていますので、そこら辺にもちゃんと耳を傾けていただきたい。
 そして、昨年は、二十三万トン米が余りましたよね、それによりまして国が繰り越し分を合わせて三十四万トン買い入れて、これに八百億というお金がかかったじゃないですか。こういうことを毎年できるかというと、これは到底難しいだろう、財政当局ともそういう交渉が次もできる自信などないだろうと思いますけれども。そういうことであれば、米以外どうしてもつくれないというところには米をつくっていただいて、宮崎のように、食用の米じゃなくてもいい、飼料米でもいいというところには施策を集中して、日本全体をグロスとして、生産調整を平均的にやるんじゃなくて、グロスとしてやることが私は有効だと考えますので、ぜひ御検討をいただきたいと思います。
 それでは、次も、これは時間が余ったらやります。
 次は、日本の和牛についてお話を伺いたいと思います。
 日本の和牛は、北朝鮮の偉い人も万景峰号で買って食べているというぐらい、非常に国際的にも高い評価を得ておりまして、随分輸出もされるようになりました。しかし、平成九年、十年の間に、このころに、日本から生体と精液という形でこの和牛の資源が海外に、アメリカに流出をいたしました。そして、それが最終的には豪州にも渡って神戸牛だとか和牛だとか、外国産の日本の系統を若干引いた牛が販売されて、現地ではこれは和牛だという誤解も生まれているというふうに聞いております。それで、農林水産省としては、認証マークもつくって何とかそれとの差別化を図りたいということで努力をしているわけでありますけれども、しかし、これに対してはもっと制度的に日本の国は対応していかなきゃいけない。
 日本は今BSEの発生国で、不名誉なことですけれども非清浄国ですから、非清浄国ということであれば精液も生体も輸出はできません、国際法上。これはこれで結構なことなんですけれども、いずれ日本も清浄国にならなければなりません。その努力も今している最中であります。清浄国になって七年たったらまた出せるようになるじゃないですか、生体も精液も。そういうことになると、多分アメリカのバイヤーは、宮崎あたりの競り場に来て、どんどん繁殖牛から買っていくと思いますよ。そういうふうなことをやられたら、日本の和牛は生産コストも高いし地理的条件も非常に不利なんだから、外国で大規模に和牛生産をやられたら、日本の和牛生産はやられますよ。
 そういうことも考えて、中川農林水産大臣のときに、和牛の遺伝子資源については知的財産として保護できないかという動きがありました。私も、その当時、種苗法の改正等で何とかやれないかということを研究しましたけれども、無理でした。このプロジェクトについては引き続き検討されているというふうに聞いておりますけれども、現在の検討状況、見込み、そこら辺がどうなっているのか、生産局長にお尋ねをしたいと思います。

○内藤政府参考人 貴重な和牛の遺伝資源の保護、活用することを考えろということで、中川農林水産大臣の御指示によりまして検討会を平成十八年四月に設置しまして、八月に方策を取りまとめていただいてございます。
 この取りまとめの中で、委員御指摘のように、和牛の精液の流通管理の徹底、あるいは和牛表示の厳格化、海外の追随を許さないすぐれた和牛の生産のための改良・生産体制の強化、それから効率的な特許の取得、こういったことが四本柱としてまとめていただいたわけでございます。
 現在、その取りまとめに沿いまして、平成十九年度には、県や大学の研究者等から成ります和牛知的財産権取得・活用推進協議会を設立しましたほか、精液ストローの流通管理の厳格化のためのバーコードなどを用いましたモデル事業の実施、また、平成十八年度末に策定されました和牛表示のガイドラインの普及啓発、それから、和牛肉の海外輸出の際に添付するための和牛統一マークの策定といったことを進めているわけでございます。
 今後とも、やはり和牛は我が国の財産であるという意識を広く醸成していただきながら、検討会で取りまとめた内容の具体化を引き続き図っていきたいというふうに思っております。
 以上でございます。

○江藤委員 引き続き努力をしていただいていることはよくわかりました。しかし、ちょこちょことBSEが発生していますから、タイムリミットは先に先に延びていますけれども、しかし、悠長なことを言っていると清浄国になって七年たっちゃいますので、なるべく早く一定の方向性、結論が導き出せるように、さらに活発な議論、検討を進めていただきますように、それは法制当局とも議論を重ねていただきたいと思います。
 それでは次に、ちょっと養豚についてお話を伺いたいと思います。
 地域肉豚生産安定基金造成事業についてお伺いさせていただきます。
 現在、国が、これについては四百円ということで発動の基準価格を決めているわけでありますけれども、それぞれの地域によって、三百七十円から四百十円ということで発動の基準価格は違います。宮崎の場合は三百八十円ということで決まっております。
 もう今までるる話してきましたように、穀物飼料価格、物財費、それから燃料費、いろいろなものの値段が上がっているわけでありますから、当然、この発動基準価格というものは昔と状況が変わったということで引き上げることが有効だというふうになりますし、そうでなければならないだろう。さらには、そういうことをすることによって、若干加入率が低いという問題があります、こういった加入率を上げるということにもつながっていくんじゃないか。そして、現在も、加入率は低いとはいっても、生産者が積み立てた金が二百億ぐらいありますよね。生産者から見てみれば、二百億あるんだからこれを何とかうまく使ってくれよという声が非常に強いです。ですから、この二百億の積み立て分について、この基金の活用についてどのようにお考えになっていらっしゃるのか、生産局長のお考えを伺いたいと思います。

○内藤政府参考人 お答え申し上げます。
 まず、基金の残高でございますけれども、生産者分五十億円、それから国の分が五十億円という状況でございます。こういった基金があるわけでございますけれども、近年、豚肉価格は堅調であるということから、発動には至っていないわけでございます。
 当然、生産者からは、配合飼料の高騰等もございまして、地域保証価格の引き上げ、それから基金の有効活用というものが求められているわけでございます。
 ただ、こうした地域保証価格、あるいは安定基金の発動基準価格を引き上げますと、結果としまして生産者積立金を引き上げるということにもつながるというふうな課題もあるわけでございますので、こうした点にも留意しながら、畜産物の価格の決定にあわせまして検討してまいりたいと考えております。

○江藤委員 価格が堅調だという御指摘が局長からありましたけれども、価格は確かにほかのところに比べれば豚肉は今いいですよ。だけれども、価格はここにあっても、かかっている金は余計にかかっているわけだから。価格が高いからいいという話にはならないわけですよ。それで、この基準を上げたからといって、すぐに農家負担、掛金の引き上げというふうにつなげるというのも、私は若干おかしいんじゃないかと思いますね。
 それで確認ですけれども、これは百億なんですね。私、二百億とさっき言いましたけれども。(内藤政府参考人「百億です」と呼ぶ)百億なんですね、それは後で教えていただければいいです。
 とにかく、これは畜産、養豚を取り巻く環境が変わったんだから、それに基づいて制度も柔軟に上に下にスライドするということについて、余り固執しない方が私はいいのではないかということを指摘させていただきたいと思います。
 あと十分ぐらいしかありませんので、次に移らせていただきたいと思います。
 次は、養豚農家の経営安定対策について少し伺いたいと思います。
 養豚経営の安定のためには、やはり経営の効率化とかいろいろなことが必要でありますけれども、その中で一番すぐにきく対策としてあるのは事故率を下げること。事故率を下げれば出荷頭数がふえるわけですから、ストレートに農家の収入はこれによって上がるということでありますから、事故率の低下は農家も一生懸命努力していますけれども、なかなか自助努力では限界があります。そしてまた、今残っている養豚農家というのは、非常に努力をした農家が残っているという現状もあります。
 そんな中で、最近ではサーコウイルスのワクチンを申請したわけですけれども、今までと違って六カ月を切る、四カ月半ぐらいの早い期間で非常に早く認証していただいて、そういうことについては、御当局の対応について現場も非常に感謝していますし、高く評価もさせていただきたいと思います。
 そして、私の地元では、先進的な養豚農家はオールイン・オールアウトというやり方を一生懸命導入して効果が上がっています。これはやはり有効だということが現場で証明されていると思います。そういうことであれば、養豚農家のこういう取り組みについて国はさらなる支援策を拡充すべきではないか、そのことが養豚農家の経営安定に直接つながるんじゃないかというふうに考えるわけでありますが、これは生産局長に御答弁をお願いします。

○内藤政府参考人 お答え申し上げます。
 養豚経営におきましては、豚呼吸器複合感染症などの疾病防止によります事故率の低減ということが非常に重要なわけでございます。このためには、豚舎の洗浄、それから消毒の徹底などの基本的な衛生対策を実施することが重要でありますけれども、その上で、豚の群管理が容易で慢性疾病の伝播を最小限の範囲で食いとめることができますオールイン・オールアウト方式の導入が極めて有効であると我々も考えております。
 このため、これまでも地域養豚振興特別対策事業によります衛生管理の改善に必要な器具、機材の導入に対する支援は行っているわけでございますけれども、今後の養豚経営におきまして、飼料価格高騰に対処していく上でも、このような事故率低減ということを初めとする生産性向上をさらに進めていくことが重要であると考えておりまして、畜産物価格の決定とあわせまして必要な対策について検討していきたいと考えております。

○江藤委員 検討するということは、拡充するというふうに判断してよろしいんですか。余り突っ込みませんけれども、そういうふうに私は受けとめさせていただきます。
 次に、さらに養豚関係なのでありますけれども、環境省に排水基準についてお伺いをさせていただきたいと思います。
 本当のところを言いますと、硝酸性窒素類については一リットル当たり百ミリグラム以下でなければ排水してはいけないという国内基準があるわけでありますけれども、現場の情勢も十分に勘案していただいて、やはりできることとできないことがありますから、一生懸命やった結果、これがぎりぎりのところだろうということで、現在は三年間の時限的な措置としてリッター当たり九百ミリグラムということに今抑えていただいていますよね。これは非常に感謝をしているわけであります。これはずっと続けるか、もうちょっと緩めていただきたいというのが正直なところであります。
 もしこれをさらに厳格化するということであれば、私はやはり国に責任があると思いますよ。農家にきちっとやれ、きちっとやれと言うのではなくて、もちろん補助事業で曝気槽とか浄化槽の設備については補助をしていますけれども、それだけでは足りなくて、やはり新しい技術の開発であるとかそういったものについて国はもうちょっと深く関与することが必要なんじゃないか。
 そして、私が非常に危惧するのは、地元の養豚農家の方々が、例えば内水面の方々、地域住民の方々、沿岸漁業の方々、そういう方々とたびたび非常に意見の対立があるんですよ、特に色について。色がついていると、安全だというふうに科学的に立証されていても、客観的に見るとこれは危ないんじゃないのというふうに言いやすいですよね。皆さん方の責任だとは言いませんけれども、九百ミリに緩和してくれているのは環境省さんじゃないですか。ですから、内水面であるとか地域の人たちの理解を求める、そういうところで、今は何か当事者同士で話し合ってくださいという形で丸投げのような格好になっちゃっていますけれども、もう少し皆さん方のようなオーソリティー、権威のある人たちが行って説明をしていただければ地域の理解も深まります。そういうことをしていただかないと、養豚農家は地域で肩身の狭い思いをするんですよ。そういうことについて少し環境省の努力が足りないんじゃないかというふうに私は思うわけでありますが、御所見を伺いたいと思います。

○竹本政府参考人 ただいま御指摘のありました硝酸性窒素類につきまして、既に江藤委員御指摘のとおり、技術的な観点から検討しまして、直ちに一律の基準適用というのが困難である、こういうことで、畜産農業など特定の業種に限りましては一定の期限を設けて暫定排出基準を設定しておるところでございます。
 環境省としましては、まさにただいま御指摘のありましたとおり、この技術的な観点からも助言などを通じまして、できれば一律基準の方向で、いろいろな技術開発の面で応援をしてまいりたい、これからも努力をしてまいりたいと思います。
 また、先ほど申し上げましたとおり、暫定排出基準の設定に当たっての考え方を関係方面にきっちりと周知を図っていきたい。そういう意味で、農水省を初めとする関係省庁でありますとか、また地元関係地方公共団体とも連携をとって、しっかりと関係方面の周知を図ってまいりたいと思っておるところでございます。

○江藤委員 ぜひそういう方向でよろしくお願いをします。
 そして、養豚農家の経営に係る経費の中で大きい部分が排水の処理なんですよ。これについてきちっとした指針も示していただきたい。いろいろな業者さんがいて、安くていいですよと言って、取り入れてやってみたら二年で壊れちゃったとか、使い勝手が悪かったとか、うまく機能しなかったとか、地域住民に怒られちゃったとか、いろいろなことがありますからね。ただ補助をすればいいということではなくて、何かしかるべき基準のようなものも、これは農水省さんと協力をして、曝気槽とかかわるべきものだ、浄化槽とかかわるべきものだというような一つの基準を設けることも今後の課題として必要じゃないかというふうに私は思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 それでは、少し時間がありますので、先ほど飛ばした部分に戻りたいと思います。
 これについては消費・安全局長にお伺いをしますけれども、なかなか前向きなお話はしないと思いますが、現場の声として聞いていただきたいと思います。
 今、都府県の酪農家が非常に経営が苦しいという話は繰り返し繰り返しさせていただきました。何とか収入をふやしたいということで努力をしています。そして、何か売れるものがないか、そういう発想の中で、これは酪農家と養豚農家の人たちと話していて聞いた話なんですけれども、今、乳用牛が病気になって治療をしますと抗生物質なんか打ちますよね、そうなると搾った乳の中にも当然抗生物質が残留する。そういうことは安全基準上まずいので、生乳としても販売することはできません、これはもう当然だと思うんですね。食の安心、安全ですから。これについて文句を言うつもりはありません。
 ただ、私が言いたいのは、最近、養豚農家はリキッドフィーディング、液状でえさをやるということが非常に効果的だということで、エコフィーディングも含めて、リキッドフィーディングの方向が今進んでいます。そんな中で、もちろん、出荷まで日にちのないような豚にはとてもあげられない、抗生物質が残留しているわけだから。だけれども、例えば母豚であるとか生まれたばかりの子豚であるとか、そういった影響のない部分については大丈夫なんじゃないか。
 そして、そういうものの集配業務についても、地域は助け合いですから、養豚農家の方々が国がいいと言ってくれれば我々はローリーを引いていって酪農家からそういう乳をもらってきて、自分たちで搬送業務についてもやる、そういうことまで言ってくれているわけですよ。それだけ酪農家の経営が厳しいということを養豚農家も理解をしてくれている。地域の助け合いの気持ちなんですね。
 ですから、食の安心、安全というものは、とにかく何が何でも守らなきゃいけない最低限の国の責任でもありますし、これを緩めろと言うつもりはありません。ただ、科学的な検証を進めていただいて、リキッドフィーディングでちゃんと使途を限定してやるのであれば、酪農家の収入に少しでも寄与することができるんじゃないかというふうに思うわけですが、安全局長、ぜひ御所見をお願いします。

○佐藤政府参考人 御説明を申し上げます。
 ただいまの御提案につきましては、抗生物質の混入などによって食品として流通させることはできない生乳であるけれども、その有効活用という観点から豚に飼料として使うことはできないかという趣旨だというふうに理解をしております。
 しかしながら、有害畜産物の生産とかあるいは家畜等の被害を防止するという観点から、飼料安全法におきまして、飼料は飼料添加物として指定されたもの以外の抗生物質を含んではならないということにされているところでございます。抗生物質が混入した生乳を、子豚とか母豚あるいは種豚の飼料として使用することは認められていないところでございます。御理解を賜ればと思っております。
 いずれにいたしましても、抗生物質等の混入により廃棄処分とされる生乳をできるだけ少なくするということが基本でございます。このため、乳牛への抗生物質の使用につきましては、薬事法に基づく使用基準を遵守するとともに、生乳生産管理の徹底によりまして、生乳に抗生物質が残留しないように指導してまいりたいというふうに考えているところでございます。

○江藤委員 飼料安全法の話は会館の方でも伺いましたし、よくわかるんですけれども、例えば抗生物質を投与して何日間はいけませんよとか、そういう基準はないじゃないですか、実際。それは牛によって差があって、いつまでも抗生物質が出るものもいるし、すぐにそれが出なくなるようなものもいるわけですよ。そこら辺を柔軟に、なるべく現場の要望を引き受けて、我々は、酪農家の経営が厳しいということで、これが一番の今の畜酪対策のかなめなわけですから、余りかたくなに言わずに検討ぐらいはぜひしていただきたいなというふうに思います。
 あと数分残っておりますので、肉用牛のことについて少しお伺いをしたいと思います。
 肉用牛、特に和牛、これの生産基盤を支えているのは、何といっても繁殖です。繁殖農家がいなければ、肥育農家もいないし、流通業者もみんな成り立たない。やはり、子牛を生産してくれるということが一番のすそ野になって、ここを守っていかなきゃいけないわけでありますけれども、現場を見てみますと、非常に高齢化が進んでいます。私の田舎の競り場に行っても、本当に腰を曲げたじいちゃん、ばあちゃんがやっと牛を引いてくるというような場面によく遭います。
 最近の競り場に行きますと、今までは子牛が高かったので、体もきつい、もう年だけれども牛をやっておけば楽しみもある、ぼけ防止にもなる、そして収入もいいから子供たちにお年玉なんかも十分にやることができるということでありますから、ちょっと頑張って続けようということでありましたけれども、こういう人たちが最近の子牛価格の下落で、特に二、三頭しか飼っていない少頭飼いの高齢者の小規模農家、そういうところがやめる傾向が非常に強いんですよ。そういうことであれば、こういう方々の労力の負担軽減をするために、牛を引くであるとかいろいろ地域の協力はしていますけれども、行政としても何らかの協力はできないのか。
 ついでに、最近の生産費、そういうもののアップによりまして、肉用子牛の保証基準価格についても、適正にこれが価格に反映されるようにすべきではないかと思いますが、最後の質問、生産局長、どうぞよろしくお願いします。

○内藤政府参考人 お答え申し上げます。
 肉用牛繁殖経営におきまして、小規模、高齢者層が大変だ、苦労されているということは聞いておるわけでございまして、そういった方々の労働負担の軽減を図るためということで、十九年度から予算を増額しまして、肉用牛繁殖基盤強化総合対策事業というものを措置しまして、繁殖雌牛の増頭対策、あるいは地域の特色ある肉用牛振興対策を実施しているほか、肉用牛ヘルパー活動の組織化、あるいは要員の確保などを通じたヘルパー利用の推進活動にも支援しているところでございます。
 今後とも、こういった方々の労働負担の軽減等、経営が継続できるよう本事業の活用を進めてまいりたいと考えております。

○江藤委員 これで終わります。ありがとうございました。

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